日本通信からVAIO Phoneが正式発表されました。
VAIO Phoneは先日SONYから独立後初となる最強ノートPC「VAIO Z」を発表したVAIO株式会社と日本通信が提携したモデル。いち早くAndroid 5.0を搭載し、解像度は1280×720、重量130g、RAM 2GB、ストレージ16GB、CPUは1.2GHzのクアッドコア、カメラは1300万画素、バッテリーは2,500mAhと、性能的には中堅モデル。なお、SIMカードはmicroSIMサイズとなっています。価格は51,000円とMVNOの格安スマホ市場としては高め。
なおハードウェアはVAIO製ではなくVAIOのロゴを付加しただけのようで、Panasonicが海外で展開している「ELUGA U2」と同じものを使い回している模様。こちらの価格は3万円ほどなので、実質VAIOブランドに2万円追加で払う形となっています。
公式Q&AによるとバンドルされるSIMカードに関してはVAIO Phone専用となっており、自由な通信市場を謳っていた日本通信とは真逆の、まるでソフトバンクのような手法となっています。
上記は12月の12月のプレスリリース時に作成したイメージ画像。今までVAIO PやVAIO Uなどの尖ったモバイルデバイスを作ってきたVAIOのチームだけに期待値が高すぎたのかもしれませんが、先日VAIO meeting 2015でハンズオンしたVAIO Zに力を入れていたため、今回はスマートフォンを新規設計するだけのリソースが無かったという事でしょう。
日本通信の使い回しのハードウェアにVAIOのブランドロゴを貼り付けて売り、しかもSIMカードとハードウェアをくくりつけて消費者を縛る方法は正直感心できるものではないでしょう。今回VAIO Phone用の回線としては980円で月間1GB、1,980円で無制限のデータ通信が利用できるので回線のコストパフォーマンスは高いかもしれませんが、これは本来安かったはずの本体価格に上乗せした差額を月額から差し引いたもの。SIMカードとハードウェアを使い回せるのが魅力のSIMフリー市場にハードウェアを使い回せないSIMカードを投入するのは残念な限りです。
https://twitter.com/fssanda/status/182101269727559681
以前日本通信三田社長がMNOのMNPに対する高額インセンティブをthis is not good for the market.と批判し話題を呼びましたが、日本通信自身も自らが切り開いた通信と端末を切り離したSIMフリー市場を裏切る行為はそれこそ「this is not good for the market.」なのではないでしょうか。
VAIO株式会社には今回の安易なブランド提供に反省して、昔のSONY時代のようなワクワクするモバイルデバイスを自社開発してほしいものです。