先日参加したケンウッドの体験イベントにて頂いたドライブレコーダー「DRV-830」を実際に使ってテストしてみました。
DRV-830はケンウッドのドライブレコーダーのラインナップの中でも最上位のモデル。2560×1440の高解像度録画機能をはじめ、GPSによる位置情報の記録、3.0インチ大画面、低フレームレートによる長時間撮影、2つのmicroSDXCスロットによるリレー録画など充実の機能となっています。
パッケージにはアクセサリ電源用のケーブル、装着用のマウンタ、ドライブレコーダー専用の16GBの高耐久microSDHCカードが付属します。このmicroSDHCカードはAmazonで5,000円ほどで販売されているもので、DRV-830と組み合わせることでmicroSDHCの寿命を警告してくれる機能も搭載されている高性能モデルとなっています。
こちらドラレコ本体。本体上部に電源ケーブルの端子とマウンタ用の溝があります。
左側面にはmicroSDXC端子が2スロット搭載。1スロット目が通常の録画用、2スロット目が1スロット目の容量が溢れた際にリレー録画に利用する用のスロットとなっています。128GBまで対応しているため、128GBのmicroSDXCカードを2枚挿入して256GBの大容量ストレージで長時間記録するという事も可能です。
本体下部には手動録画用のボタンが中央、横に戻るボタン兼マイクのオン・オフボタンを搭載。
右側面には操作用のボタンを3つ搭載。上下ボタンはナビゲーションの上下移動、中央は選択ボタンとなっているほか、下部のボタンは録画中に静止画を撮影する用のボタンを兼ねています。
本体前面は3インチの大画面を搭載。タッチパネルではないものの、録画されている様子を確認しやすくなっています。また、左下のLEDでマイクのオン・オフ状態を確認可能。車内の会話などを映像に含みたくない場合は右側面下のボタンを押す事でこのLEDを消灯し、映像のみの動画にする事ができます。
シガーソケット電源を利用した取付
DRV-830はアクセサリ電源(シガーソケット)に付属のケーブルを接続するだけで簡単に取り付け可能。電源ケーブルの端子はカバーがついており、これを引き剥がしてケーブルを差し込み、カバーを再度付ける形となっています。
筆者の車のフロントガラス上部に取り付けたところ。配線はビニールテープのような経年劣化などによるべたつきが無い日東アセテート粘着テープで固定しました。
外車の場合シガーソケット直結は電源が落ちないので注意
国産車の場合はシガーソケットに接続して取り付けるだけでエンジンをかければ起動しますが、外車の場合はエンジンを切ってもシガーソケット電源は落ちないため、常時録画されてしまいバッテリー上がりに直結するため注意が必要。そのため乗り降りするたびにシガーソケット電源を付け外しする必要があります。
これを避けるためにはイグニッション連動の車内電源からシガーソケット電源を取るための配線が必要になってきます。
今回は配線をイエローハットにお願いしましたが、工賃8,000円ほど、電源ソケットが1,000円弱で、総額約9,000円ほどで取り付けて頂けました。
なお、走行中の動画を録画するには上記手順でOKですが、本機に搭載されている駐車録画モードには同社から販売されている専用ケーブルのCA-DR100が必要となっています。今回サンプルでDRV-830を頂いた際に必要かと思い一緒に購入しましたが、駐車録画モードを使わないのであればこのケーブルは不要なので注意。間違って購入する事のないよう。
奥多摩にて昼間のHDR性能をテスト
昼間の奥多摩の山道を走っている様子をDRV-830で撮影。音声無しのサンプル。2分あたりからトンネルを抜けている部分がありますが、DRV-830はHDRに対応。トンネルの中の暗所を抜けてトンネルの出口で急に明るくなるようなシーンでも、白飛びで全く見えなくなる事は無く、前方の様子をしっかり記録できています。
首都高にて夜間の暗所撮影性能をテスト
首都高のレインボーブリッジを渡って芝浦パーキングエリアに入る様子をDRV-830で撮影。こちらは音あり。東京の夜景がしっかり写っており、前方の東京タワーも見えます。
GPS搭載でPCの専用ソフトで位置を確認可能
DRV-830で録画した動画は.MOV形式で保存されているため専用のアプリケーション無しでも動画自体は再生する事ができますが、GPSなどで付与された情報は専用ソフトのKENWOOD Drive Reviewerで確認可能。WindowsだけでなくMacにも対応しており、公式サイトからダウンロードできます。
GPSによる位置情報だけでなくGPS情報に基づいた速度情報や、加速度の情報も閲覧可能。ズームして特定箇所だけ細部を確認したり、スクリーンショットをjpgファイルとして保存するなども可能です。
総評:安心して使えるドライブレコーダー
実際に取り付けて使ってみた総評としては、ドライブレコーダーとしての性能を突き詰めた製品であると感じました。今回の撮影サンプルで取り上げた他にも、3fpsの低フレームレートで撮影する事によって高解像度かつ長時間録画できるようにしたモードや、車線逸脱警告などを音でしてくれる運転支援機能なども搭載しており、万が一のケースに備えて安心のために導入するドライブレコーダーとしてはとても良くできています。実際トンネルを抜けているサンプルを見るとHDRがよく効いており、トンネルの出口でインシデントが発生した際、動画が真っ白で何も証拠が残らなかった、という事は避けられそうです。
水平132°、垂直70°、対角144°の広視野角レンズを搭載している点も高評価で、実際撮影した動画を見るとミラー裏に取り付けているにも関わらず、ダッシュボードが左端から右端まで画角に収まっており、左右前方までしっかり映像に収める事ができています。
一方で気になった点としては、下位モデルの派生機であるDRV-W630のようなWiFi転送機能が搭載されていないところ。最上位モデルだけに、下位派生モデルに搭載されているこの機能が搭載されていなかったのは惜しいところ。また、今回ブロガー(インフルエンサー)とタイアップした企画であった事も考えると、録画を即座シェアできる機能があったほうがSNSへ投稿できて面白い企画になったのではないかと思いました。今後DRV-W830なるWiFi対応モデルが登場するかは分かりませんが、ラインナップとして「全部入り」があると嬉しいところです。
DRV-830はAmazonにて21,800円で販売中。2560×1440の高解像度、128GBx2の大容量対応、トンネル出入り口で力を発揮するHDRなど、「証拠を残す」ドライブレコーダーとしては安心できる堅実な製品だと思いました。いざという時のための安心の国産ドライブレコーダーが欲しい方にはおすすめできる一台です。