ノイズキャンセル搭載の完全ワイヤレスイヤホンにAI文字起こし機能を搭載した製品「viaim RecDot」を試用させていただいたので、実際の使用感をチェックしていきます。
viaim RecDot(ヴィエイム レックドット)はワンボタンですぐに使える録音機能と、録音を起点にしたリアルタイムの文字起こし・翻訳、更に文字起こしからの要約といったAI機能を組み合わせたノイズキャンセル搭載の完全ワイヤレスイヤホン。
また完全ワイヤレスイヤホンのRecDotと併用できるUSBスティック型の「NoteKit」も併せて展開され、Windows/Macに接続する事で各種Web会議から同様に文字起こし・翻訳・要約が可能。
ソフトウェアとしてのAIによる文字起こし・翻訳・要約ツールは珍しいものではないものの、本製品ではハードウェアとしてボイスレコーダー&完全ワイヤレスイヤホンの通話録音が用意されているのが大きな特徴。
日々利用するワイヤレスイヤホンにこれらの機能が組み込まれているため、通話録音を用いたオンラインのWeb会議からの文字起こし・ケースに入った状態での録音を用いた対面会議からの文字起こしの両方の入力に対応し、それらを文字起こしして議事録として活用する事ができます。
AI機能としては文字起こしの際の話者振り分け、リアルタイム翻訳、議事録の要約、ToDoの抽出などが盛り込まれており、実用性の高い機能が揃っています。
RecDotのパッケージ・外観

こちらがviaim RecDotのパッケージ。右上の表示日本オーディオ協会によるハイレゾ認証取得済みな辺り、単なる仕事ツールにとどまらず普段使いのイヤホンとしても一台で完結できるよう音質面でも力が入っている事が感じられます。

パッケージ背面には通話記録・リアルタイム翻訳・録音といったRecDot独自の機能に加え、48dBのノイズキャンセル、4マイク、2デバイス間のシームレスな切り替えといった機能が掲げられており、更にLHDCコーデック対応も表記されています。

開封するとイヤホン本体とケースが別々に入っています。

こちらがRecDotのケース。USB type Cの有線充電とワイヤレス充電に対応。

蓋の内側には録音ボタンを搭載し、ボイスレコーダー的にも使う事ができます。

背面はUSB type Cポートとペアリングボタンを備えています。

イヤホン本体の色はグレー。ドイツ車のような印象を受けるカラーリングです。

付属品としてはUSB type Cの短い充電用ケーブル、及びXS/S/Lの別サイズのイヤーピースが付属。
標準で装着されているMサイズはAirPods Proの標準の物と近いサイズで個人的に交換の必要性は感じませんでしたが、4段階でXSまで幅広くサイズが用意されているのは手厚いところです。

イヤホン本体の操作はAirPods等と同様に左右から”つまむ”タイプ。操作性は良好です。
NoteKitのパッケージ・外観

PC上のWeb会議をRecDotと同様に録音・文字起こしできるUSBスティック型のデバイス「NoteKit」のパッケージがこちら。Windows 10以上、macOS 10.15以上に対応しています(Mac対応は7月末予定)。

スマートフォン上の通話・音声と対面会議の音声を録音できるRecDotに対し、NoteKitはPC上の音声を記録できるというもの。

NoteKit本体。光沢感のあるクローム調でコンパクトながら存在感があります。

キャップを外すとUSB type A端子が出現。

更にtype A端子を外すとtype C端子が出現します。
NoteKitは7月末にMacに対応予定のため、今回は外観の紹介のみとなります。
RecDotの録音機能をチェック
続いて、RecDotの録音機能を試していきます。
1. ケースに入れたままボイスレコーダーとして利用可能

RecDotのユニークなポイントとして、イヤホンをケースに入れたままケースごとボイスレコーダーとして使う事ができます。録音した音源はイヤホン内に保存され、viaimアプリでスマートフォン側にダウンロードが可能です。
この方法でイヤホンを使わない対面の会議室の会議でもボイスレコーダーとして使う事ができます。
2. イヤホン単体でイヤホン内に録音

ケースに入れている時だけでなく、イヤホンを装着した状態でも外部音の録音が可能。RecDotのノイズキャンセル機能はオン・オフだけでなく外部音を取り込む「透過モード」が搭載されているので、組み合わせると有効活用できそうです。こちらの録音もイヤホン内部のストレージに保存され、アプリからスマートフォンにダウンロードが可能。
3. スマートフォンの通話/オーディオ録音

viaimアプリ側の機能として、スマートフォン側の通話や再生している音源の録音・文字起こしも可能。こちらはリアルタイムで文字起こしされるだけでなく翻訳もされるので、外国語の動画をリアルタイムで再生しながら文字起こし+翻訳を確認する事が可能。
翻訳精度としてはそこそこですが、生成スピードは高速なため外国語であってもリアルタイムで全体像を把握する事ができるのは良いポイントです。
また、話者判別にも対応しているため議事録を遡った際に発言者が見分けられるのも嬉しいところ。
要約・ToDo作成にも対応


文字起こししたテキストはそのまま読めるだけでなく、話の中のタスクをToDoリストとして抽出したり、内容を要約したりといったAIらしい機能で加工する事も可能。
会議の議事録としての実用面をかなり意識した作りになっている事が分かります。
なお文字起こしは無料のBasicプランで月600分まで無料となっており、毎月1800分のテキスト化が可能なProプラン(1,500円/月 or 12,000円/年 )や時間無制限で使えるUltraプラン(3,000円/月 or 22,000円/年)が設定予定となっています。
イヤホンとしての音質・性能
続いて、純粋にイヤホンとして使ってみた感想。
全体的な使用感としてはAirPods Proに近く、ノイキャン搭載に加えてつまんで一時停止操作・上下スワイプで音量調整辺りの操作も共通、装着感もAirPods Proに近い感覚となっています。ノイズキャンセリング性能もAirPods Proを2世代使っているユーザーとして不満無いレベルです。
一方で音質に関してはAirPods Proとは方向性の違いを感じる部分で、RecDotは低音を含む迫力のある音ではあるものの、音の広がりや明瞭感に関してはAirPodsに慣れていると窮屈な音に感じるかもしれません。第2世代AirPods Proと比べると相対的にAirPods Proはあっさり、RecDotはこもった音・ステレオ感控えめです。
とはいえ2台を交互に使い分けてみた上で改めて感じる部分であり、AIボイスレコーダーを売りにしたイヤホンという飛び道具でありながら第一印象は「普通に音が良くて普段使いしたいイヤホン」でした。
音の好みとして音の広がりが感じられるスピーカー的な音質が好きな方には向かないと思いますが、音を閉じ込めて低音を聴きたい密閉型的な音が好きな方には好みに感じられる音でしょう。
普段使いのイヤホンにAIボイスレコーダーが追加できる製品

市場を見るとAIを活用した文字起こしツールとしてはiPhoneの背面に装着するPLAUD NOTEがいち早く市販化され人気を獲得していたり、独立したボイスレコーダー型のHiDock P1がクラウドファンディングで話題になったりと少しずつ開拓され始めてきたジャンルといった形ですが、その中でのRecDot最大のメリットは「普段使いのイヤホンにAIボイスレコーダー機能が付く」という点でしょう。
Web会議が増えた事も後押しし、ワイヤレスイヤホンというのは通勤のお供以上にビジネスパーソンのマストアイテムと化しています。RecDotはそのワイヤレスイヤホンとして普段使いするに十分なノイズキャンセリング性能、操作性、音質を兼ね備えており、普通にイヤホン機能単体でも十分な実力を持った上でAIボイスレコーダー機能を上乗せしているのが高評価ポイント。
普段持ち運ぶイヤホンをRecDotに置き換えるだけで荷物を増やす事無く「会議のボイスレコーダー」「文字起こし」「会議要約」「ToDoリスト作成」「リアルタイム翻訳」といった機能を使う事ができ、これ一台で対面会議にもWeb会議にも両対応。
AIによる業務効率化を普段の持ち物の構成を変更する事なく気軽に導入できるのはRecDotならではの魅力と言えるでしょう(実際に会議を記録する際は社内の情報セキュリティのポリシーなどを事前に確認する事をおすすめします)。
今回紹介したRecDot、及びPC用のUSBタイプのNoteKitは2025年5月20日~7月30日の期間Makuakeにてクラウドファンディング中。RecDotは一般販売価格の34,800円から20%オフの27,840円、NoteKitは13,800円から20%オフの11,040円で入手可能となっています。