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ドコモ、MNPに対するキャッシュバックを廃止。総務省は端末の高騰に対して中古市場活性化を検討

kirica

NTTドコモが他社からの乗り換えに対するキャッシュバック施策を廃止する方針で固めた事が明らかになりました。


NHKニュースによると、携帯電話の料金引き下げの方策を検討してきた総務省の有識者会議にて既存利用者の料金を原資にした乗り換えに対するキャッシュバックに関して不公平さが取り上げられていることから、他社からの乗り換えに対するキャッシュバック施策を廃止する方針で固め、全国の代理店を監督・指導していく事としました。また、MNPに対する実質0円などの販売手法に関しても見直していきたいとのこと。

中古市場拡大の目論見

また総務省の有識者会議では実質0円などの端末割引を見直した場合、端末価格の高騰で買い替えが進まなくなるとの懸念から16日に取りまとめる報告の中で格安スマホ利用者を増やす対策に加え、中古市場拡大の提言を盛り込むとのことで、販売手法の見直しと同時に消費者の中古市場への関心を高める支援策の具体的な内容を政府は検討する事となります。

今回のニュースについて

今回のニュースに関して、MNPに対して現金キャッシュバックを付加して他社から引き抜く手法を改善する点は評価できるものの、現在ただでさえ数年前と比べて2倍前後高騰しているスマートフォンの端末価格に対して、月々サポートなどによる実質0円などの毎月の割引を禁止するのは悪手と言わざるをえません。10万円前後まで高騰している現在のキャリアのフラッグシップ端末が丸々全額払いとなってしまえば、いくら月額料金値下げの施策を総務省が推し進めたとしても購入サイクルは鈍化するでしょう。

それに対する中古市場の認知拡大というのも非常に苦しいと言わざるをえない手法で、そもそも現在中古の「白ロム」相場が新品に対して大幅に安くなっているのはMNPに対する大幅な割引により市場に状態の良い新品同様の白ロムが安く流通しているからに過ぎず、その元栓を閉めてしまえば潤っていた中古市場の端末は高騰、新品同様の白ロムも減り、価格は上がっているのに状態は使用感のあるものが増加する流れになるのではないでしょうか。

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そうなってくると必然的に格安スマホや格安SIMの認知度は上がり、新品でも最初から安いASUSやファーウェイ、HTCなどのSIMフリースマートフォン市場は盛り上がってくる事は間違いないはず。その一方で新品が売れなくなるとキャリアのフラッグシップ端末の販売は大幅に失速し、今のようなハイエンドモデル同士の争いは終わってしまうのかもしれません。今でこそキャリアで新品のフラッグシップを購入した場合毎月の割引があるため中古の白ロムを買い続けるよりも安く済みますが、それが無くなってしまった場合はキャリアで購入する料金的なメリットは一切無くなります。白ロムや格安スマホに流れる人は増え、キャリアのフラッグシップモデルを購入する層は大幅に縮小するのではないでしょうか。するとキャリアのフラッグシップ、その中古市場、その下に格安スマホ、更にその格安スマホの中古市場という構図が生まれ、最先端の技術をつぎ込んだ機種を作ってもあまり売れない市場となり、ワクワクするような機種のリリースサイクルは間違いなく鈍化するのではないかと危惧しています。

ただ、現在のメーカーがコストを抑えて発売したローエンド格安スマホよりも同社のキャリアに投げ売りされた最新フラッグシップの新品同様品の方が安いといったおかしな状況が正常化されると思えば正しい方向に向かっているとも考えられます。それが意味するところですが、少ない負担でメーカーの最精鋭のスマートフォンを楽しめる時代は終わりつつある、という事かもしれません。

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