サービス終了したApexモバイルにそっくりな中国の「高能英雄(Hyper Legends)」をプレイする方法

2023年5月にサービス終了してしまったApex Legends Mobile(Apexモバイル)ですが、同じ開発元のテンセント傘下から中国向けに類似のゲーム「高能英雄」のiPhone版・Android版がリリースされているので解説します。


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高能英雄(Hyper Legends)とは

高能英雄は、2023年9月21日に中国向けにリリースされたバトルロイヤルゲーム。開発元はPUBG MOBILEApex Legends Mobileと同じLIGHTSPEED STUDIOSとなっています(英語名は当初High Energy Heroesと呼ばれていましたが、のちに2024年に入りHyper Legendsという表記が見られるようになりました)。

プレイヤーは「ヒーロー」と呼ばれるユニークな能力を持ったキャラクターを選択して4人1チームを結成し、ゲーム開始時に空中のシップから広大なマップに降下。時間経過と共に狭くなっていくマップの中で最後の1チームになるまで戦います。公式のゲームプレイトレーラーは以下のとおり。

実際に触ってみたところApex Legends Mobileとかなり酷似した内容ではあるものの、細部が変更されておりスマートフォンで遊べるモバイルゲームとしてかなり面白かったので、本家との違いや導入方法などを解説していきます。

Apex Legends Mobileとの違い

続いて、Apex Legends Mobileと高能英雄のゲームシステムの違いを解説していきます。

1チームが3人ではなく4人

Apex Legends Mobileでは1チーム3人でしたが、高能英雄はPUBG等と同じく1チーム4人編成になっています。

リスポーンにバナー回収が不要

Apex Legendsでは味方が戦闘不能になった場合、戦闘不能になった場所のデスボックスからバナーを回収してリスポーンビーコンまで運ぶ必要がありましたが、高能英雄では蘇生にバナー回収が不要。離れた場所で味方が戦闘不能になっても即座に蘇生する事ができます。

そのためゲーム展開としてApex Legendsと比べて蘇生がかなり積極的かつ頻繁に行われるようになっており、リスポーンビーコンの取り合いが活発。モバイルリスポーンビーコンもケアパッケージから回収できてどこでも蘇生できるようになっているため、一旦戦闘不能になっても蘇生してプレイ再開できる場合が非常に多くなっています。

安全地帯外で受けるダメージが体力とは別枠

Apex Legendsではゲームの進行に応じて狭まる安全地帯の外では体力が減っていく仕様でしたが、高能英雄では安全地帯外の活動限界が100%〜0%の専用ゲージとなっており、別枠になっています。なお、ゲージの回復は体力の回復と共通のアイテムで行え、両方減っている際に回復アイテムを使うと体力もゲージも両方回復します。

戦闘ダメージを受ける体力と安全地帯外でダメージを受けるゲージが別々のため、戦闘中に僅差で撃ち合いに勝ったものの安全地帯外ダメージで体力残量が尽きて戦闘不能になるという理不尽なゲームオーバーのリスクが減少し、安全地帯外での戦闘がApex Legendsと比べると積極的に行われている印象です。

高能英雄に登場するヒーロー

続いて、高能英雄に登場するプレイアブルキャラの「ヒーロー」を見ていきます。

深空特警 芬尼(フィニー)

Apex Legendsのヴァルキリーのようなキャラ。能力はヴァルキリーそのままで、ジャンプの後にジェットパックで一定時間空中を移動、アビリティでミサイルを発射、必殺技で味方を連れて空に飛び上がって遠方へダイブする事ができます。

虚空之刺 锐影(シャープシャドウ)

Apex Legendsのレイスのようなキャラ。能力もそのままで、一定時間虚空に入ってダメージを受けずに移動したり、一定時間で消えるワープポイントを設置して複数地点を行き来する事ができます。Apex Legendsでは虚空に入るまでのタイムラグによる調整がされていましたが、高能英雄では一瞬で入れるのでかなり強力です。

治愈之心 安吉拉(アンジェラ)

Apex Legendsのライフラインのようなキャラ。ライフラインと同じく、体力を回復してくれるドローンを出したり、味方を蘇生する際にドローンに素早く蘇生させられたり、味方の装備の上位互換装備が入ったパッケージを召喚することができます。ドローンにはシールドが搭載されており、本家と比べてかなり強力となっています。

电磁夜曲 菲儿(メイフェア)

オリジナル要素の強いキャラ。自動でシールドを回復し続け、アビリティで一定時間無敵になりながらシールド回復、必殺技は範囲内のプレイヤーのダメージを防ぐオブジェクトを設置します。音楽系の設定、シールド回復といったあたりはApex Legends Mobile限定のラプソディの要素が少し入っています。

开路先驱 空空(エンプティ)

Apex Legendsのパスファインダーのようなキャラ。「モバイルフライングクロー」のワイヤーアクションで飛び回ったり、ジップラインを設置して遠くまで移動したりできます。パスファインダーのグラップルと違い、建物や地形に打ち込まなくとも空中に向けてクローを発射して好きな方向に飛べる強化が入っています。

湮灭裁决 金蝉子(ジン・チャンジ)

オリジナル要素の強いキャラ。ダメージを与えた相手の位置を短期間壁越しに追跡できたり、敵を足止めする飛び道具が投げられたり、相手と自分を強制的に1vs1の空間に閉じ込める必殺技が使えたりします。Apex本家のアッシュ、モバイル版限定のフェードを合体させたような性能です。

嗜能猎人 夜幕(ナイト)

Apex Legendsのブラッドハウンドのようなキャラ。周囲をスキャンして壁越しに敵の位置・体力・シールド残量を確認したり、自身を一定時間強化してダメージ減少・移動速度アップ・スキルのクールダウン速度短縮の効果を受けるほか、敵を倒すたびに持続時間が延長されシールドが回復します。本家Apexのブラッドハウンドを強化したような性能です。

光速小子 瑞曼(レイマン)

Apex Legendsのオクタンそのもの。体力が持続的に回復し、体力と引き換えに移動速度をアップする能力持ち。必殺技は2段ジャンプができるジャンプパッドの設置。移動速度アップの際のオクタンの薬物注射がドリンクを飲む動作に変わっていて表現がマイルドになっています。

暗眼 维德(ベイダー)

Apex Legendsのクリプトを金髪にして強化したキャラ。ドローンを操作して敵の位置を偵察しつつ体力とシールドを確認可能。必殺技はドローンで範囲攻撃してダメージを与え、防御スキルを破壊し、速度低下効果を与え、一定時間追跡できます。

重装护盾 罗杰斯(ロジャーズ)

Apex Legendsのジブラルタルが痩せただけのキャラ。標準でダメージ軽減、照準時のシールドを備え、攻撃を防ぐドームシールドを出せる能力、範囲に空爆する必殺技を使えます。能力はジブラルタルそのもなものの、ヒットボックスが明らかに小さくなっているのは強化とも言えます。

复仇之火 海拉 (ヘラ)

Apex Legendsのバンガロール。2023年11月23日のシーズン2のアップデートで配信。撃たれるとではなくスモークの中を走ると足が速くなるのが変更点。

冰霜精灵帕娜(パナ)

見た目は美少女ながら性能はApex Legendsのガスおじことコースティックそのもの。2024年1月25日のアップデートで実装。毒ガスではなく氷を使うキャラクターにリメイクされてはいるものの、範囲ダメージ+速度低下という効果は同じ。ガス缶と違い壁などにも設置可能で、必殺技はかなり遠距離に投擲が可能。

灵猫 克莉奥(クレオ)

Apex Legendsのローバの移動を強化したキャラ。2024年2月2日のアップデートで実装予定。ローバのブラックマーケットのようにアイテムを回収することができ、ジャンプドライブの代わりに獣に変身して高速移動することができます。

また、展開した必殺技はアイテムを回収できるだけでなく、範囲内の味方が近くにワープする事も可能。Apex Legendsのローバは単独でしか高所を取れませんでしたが、クレオは味方を高所に移動させる事ができるため非常に強力です。

日本から高能英雄をプレイする方法

続いて、実際に高能英雄を日本からでもプレイする方法を解説します。

iOS版

iOS版高能英雄は、App Storeからダウンロード可能。ただしApple IDの地域を中国本土に設定する必要があり、既に中国以外の地域でApple IDでApp Storeの課金コンテンツを利用しているユーザーは地域の変更ができないため、新規に中国本土コンテンツ用のApple IDが必要になります。また、中国本土設定のApple IDには本人確認のため中国の電話番号が必要となっています。

アプリのダウンロード後、ログインは日本で登録したWeChatのアカウントで可能です。

Android版

Android版高能英雄は3839.comで配信されており、アカウント登録などは不要でダウンロードが可能。3839.comは独自のアプリ配信サービスで、サイトにアクセスして「立即下载」をタップすることでストアのapkファイルがダウンロードできます。

インストールできたらストアを開いて「高能英雄」と検索すると、ゲームをダウンロードしてインストールする事が可能です。こちらのページから直接飛ぶことも可能。

こちらも同様にアプリのインストールが完了すれば日本のWeChatアカウントでログインすることがかのうです。

Apex Legends Mobileには無かったゲーム性もあり面白いタイトル

本家Apex Legends Mobileがサービス終了してしまった事もあり、同じ開発元が作った高能英雄はその代替にならないかと試しに触ってみましたが、いざプレイしてみると本家Apex Legendsとは違った面白さが感じられるタイトルでした。Apex Legends Mobileが本家Apex Legendsから大きくルールを改変できない一方で、高能英雄は本家に縛られず比較的自由にモバイル向けにルールを改変し、カジュアル層が楽しみやすいよう調整できているという印象を受けました。

また、フレームレートに関してはApex Legends Mobileは80fpsどまりだったところ、高能英雄は最低画質に設定すると90fpsの設定項目が出現し、対応したデバイスがあれば本家よりやや高いフレームレートで楽しむ事が可能。高フレームレートのスマートフォンを使っていれば性能を活かせるのはモバイルゲームとして高評価ポイント。

それにしても、キャラクターの外観含めたグラフィックを一通り作り直した上で中国限定の展開とはいえ、マップ形状から各能力までほぼ同じシステムで再ローンチしてしまうのは驚き。本家のモバイル版を作っていた会社がそのまま本家サービス終了後にこういったタイトルを世に送り出せているのは権利関係が気になるところですが、モバイル向けバトロワとしては群を抜いて面白かったApex Legends Mobileが断片的にでも再度楽しめるようになったのは一部難民にとっては救済になるかもしれません。

グローバル展開・日本でのサービス開始は未定

なお2024年1月時点では日本でのリリース以前に中国国外でのグローバルのリリースもいつになるかはアナウンスされていませんが、中国での公式イベントで「Hyper Legends」という英語表記が登場しており、今後グローバル展開の可能性があるのではないかと噂されています。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。