楽天のソーシャル電子書籍リーダー「kobo Touch」開封フォトレビュー

楽天から発売された電子書籍リーダーkobo Touchを早速買ってみました。

kobo Touchとは?

kobo TouchはiPadなどのタブレット端末とは違い、自ら発光しない「電子ペーパー」というジャンルのディスプレイを搭載した端末。モノクロのためカラフルな表現力はありませんが、日光の下でも視認性が優れている、画面書き換え時以外は殆ど電力を消費しない省電力性を持つなど、一般的なタブレットとは違った利点があります。

kobo Touchはそれに加えFacebookと連携したソーシャル機能、読書を進めるにつれバッジを集められるゲーミフィケーションなどの独自の機能を盛り込んでおり、ePub 3.0の縦書き表示やルビの表示など日本語環境に最適化されています。

以下が公式PV。




kobo Touchは大型スマートフォンと小型タブレットの中間の6インチの文庫本サイズ。
重さは185gと、大型スマートフォンと同程度でとても軽く感じます。




先述したとおりバッテリーは1ヶ月と長時間の使用が可能。また、クラウド連携機能により他のスマートフォンやタブレット、PCなどから同じ電子書籍を読み、既読位置を同期する事ができます。この機能に関しては現在準備中の模様。



Facebookと連携したソーシャルリーディング機能を搭載。電子書籍の文中から引用をして感想をつけて投稿する事ができます。また本を読んでいくと様々な条件でバッチを取得でき、これをFacebookで共有する事もできます。

開封してみた

パッケージを持った印象としては、とても軽量。

iPadやGalaxy Tab 10.1 LTEなどのずっしりした大型タブレットの印象とはとても対照的です。



蓋を開けると本体が姿を現し、その下には最小限の同梱品。接続にはmicroUSBケーブルを使うようです。

セットアップ


電源を入れると、まず言語選択。直後にPCへ接続しセットアップを促されます。koboデスクトップアプリをパソコンにインストールする事でセットアップが可能。

ただ、幅広い年齢層に電子書籍の読書を推奨しているデバイスなのにも関わらず使い始めるにあたってPCが必要な事には疑問を感じました。



iPhone、iPadとのサイズ比較。大きすぎず小さすぎず、まさに文庫本を手にするような感覚で持つ事ができます。
ただ、ポケットに入れるには少し大きすぎるのではないでしょうか。


電子書籍を表示させた所。長時間使っても目が疲れにくい、というのも実機を触ってみると実感できます。
印刷物のような質感で、まるで動くコールドモックを触っているかのよう。


Appleから配布されている初めてのiOSアプリケーションのPDFファイルを表示した様子。kobo TouchをmicroUSBでPCに接続すると外付けドライブとして認識し、転送したePubやPDF、JPEGなどのファイルを表示できるようです。PDF内の画像も表示可能。microSDスロットも搭載しているので、スマートフォンとのデータ連携も多少やりやすいのではないでしょうか。ただし解像度が低いのか細かい文字は潰れてしまい、PDFの詳細な資料を参照するには向かないようです。

まだ不具合が多い印象

kobo Touchはkoboイーブックストアから楽天市場のアカウントを使いコンテンツを購入できますが、コンテンツ購入にあたって多くの不具合に遭遇しました。まず、楽天のアカウントでログインに失敗するケースが多いようです。さらにストアで検索すると検索結果が表示されない事が多い、決済までたどり着いても楽天の決済情報の取得に失敗するなど、コンテンツの購入だけで一苦労でした。

やはり使いにくい

現状の他の一般的なタブレットと比べると、ディスプレイの描画がワンテンポ遅れる仕様もあり使いにくい印象。特に文字入力に関してはベゼルが分厚く端のキーを押しづらい事も災いしとてもやりづらく、決済にあたっての情報入力でストレスを感じました。

これはディスプレイの方式により駆動時間が大幅に長い事のトレードオフなので、そもそも比較すべきではないのかもしれません。

移動中の読書に最適なサイズ

6インチディスプレイという絶妙なサイズは、移動中の読書シーンにすんなりフィットします。電車の中で立ちながら片手で読むなど、スマートフォンでは小さすぎ、タブレットでは大きすぎた場面にうまく入り込んでいると感じました。画面の左右をタップする他スワイプでもページ移動が可能なため、片手で持って親指で操作するスタイルでも不満を感じない操作性です。

総評

ストアでの販売書籍もビジネス書から漫画、ライトノベルまで一通り揃っており、単純に文章やモノクロの漫画を読むという目的ならば高いタブレットを買わずにkobo Touchを買うという選択肢は有りだと思います。充電する手間もあまりかからず、本体が7,980円と比較的手軽な価格設定である事から、通勤中に読書をするサラリーマンにとどまらず、通学中にライトノベルや漫画を読みたい学生層にも手が届く良いデバイスなのではないでしょうか。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。