新型16インチMacBook Pro所感。多分史上最強のMacBook、でも15インチ特盛り勢としては様子見

新型16インチMacBook Pro所感。多分史上最強のMacBook、でも15インチ特盛り勢としては様子見

16インチMacBook ProがAppleから発表されたので自分用メモがてら所感を。


Appleの大掛かりな発表もなく、粛々と発表された16インチMacBook Pro。先日発売されたAirPods Proも発表会無しにしれっとオンライン販売が開始されましたが、今回も引き続きそのパターン。AirPods Proが「プロフェッショナル向け製品」かと言えば疑問符ですが、Appleの方針としては「Pro」な製品は一般コンシューマー向けの派手なパフォーマンスはせず、黙々と作って出していくスタンスなのでしょうか。

さておき、今回発表された16インチMacBook Pro。既存の「13インチ」「15インチ」の2つのMacBook Proのラインナップのうち、上位の15インチを置き換える形で投入された最上位モデル、という位置付けです。個人的にも5月に発売された最後の15インチMacBook Proを使っているので、ユーザーとしての感想を交えつつ今回のポイントを確認していきます。

15インチモデルと16インチモデルの違い

2019年5月に発売された15インチMacBook Proと今回発表&発売された16インチMacBook Proの違いは以下のとおり。

  • 画面サイズが15.4インチ→16インチ
  • 画面解像度が2880×1800(220ppi)→3072×1920(226ppi)
  • 外部映像出力が最大2台の5K→最大2台の6K
  • 28%空気の流れが増加、35%大きくなったヒートシンク(熱対策)
  • 最大RAMが32GB→64GB
  • 最大VRAMが4GB→8GB
  • 最大SSDが4TB→8TB
  • バッテリー容量が83.6Wh→100Wh
  • バタフライキーボード→Magic Keyboard
  • Touch IDがTouch Barから独立
  • EscキーがTouch Barから独立して物理Escキー
  • 重量が1.83kg→2kgと重量化
  • サイズが34.93×24.07×1.55cm→35.79×24.59×1.62cmと大型化
  • スピーカー強化、半オクターブ下の低音に対応

短くまとめると筐体と画面と電池が大きく重くなり、キーボードが薄かったノート用からデスクトップ用になり、熱対策が強化され、選択できるスペックの上限が高くなりました。

待望の物理Escキー

待ってました!!という感じ。Touch Bar搭載の15インチMacBook Proはここ数年使っていますが、EscキーがTouch Bar内包のタッチ式なのが著しく不便でした。というのも、Escキーは単発で使う用途だけでなく、例えばAdobe IllustratorのようなドローツールでEscキーの上に乗せた指を待機させながら使うケースもしばしばあります。その際タッチ式だとキーの上に置けず空中で指を待機させる必要があり、とても不便で仕方ないのでそういった作業ではMagic Keyboardを別途用意して使ってきました。これ以外にもEscキーを頻用するアプリケーションでは物理Esc不在の穴は大きく、Touch Barがある事よりEscキーが無い事の方が遥かに大きい問題でした。

今回の16インチMacBookではこの問題が修正され、ようやくまともに使えるEscが帰ってきました。スペックを抑えた13インチのTouch Bar無しモデルこそはラインナップされていたものの性能的には別モデルと言っても差し支えない物だったため、実質的にMacBook Proに物理Escキーが帰ってきたのは3年ぶりという格好になります。おかえりなさいEscキー。

デスクトップから投入されたMagic Keyboard

今回16インチモデルからは15インチモデルで売りだった超薄型の「バタフライキーボード」が撤廃され、ノート向けに最適化されバックライトのついた「Magic Keyboard」が搭載されました。このMagic Keyboardという名前、Appleのデスクトップパソコンユーザーであればお馴染みかもしれませんが、元々はiMacやMac mini、Mac Proを買うとついてくるキーボードです。バタフライキーボードの2倍のキーストロークで、不評だった浅いキーストロークを改善する格好となっています。

ただ、バタフライキーボードがそこまで悪いか?というと、個人的には実はそうでもないと思っています。と言うのも、バタフライキーボードは世代を重ねるたびにマイナーチェンジで改善されてきました。2015年の初代12インチMacBookに搭載されていた1世代目は「ペタペタ」といった打鍵感で、クリック感の無い鈍い印象のキーボードでした。そこからTouch Bar搭載MacBook Pro、のちの年式のMacBookに採用された2世代目はフィードバックを強化した「パチパチ」という感じで、クリック感、打っている感は増したものの「底打ち感」「うるさいタイピング音」が気になる世代でした。その先の3世代目バタフライキーボードのMacBookは所有した事が無いのですが、2019年5月発売モデルで改善された3.5世代目(正式に世代を掲載していたのは3世代目までのため)バタフライキーボード搭載MacBook Proを買って使ってみたところ、「カチカチ」といった心地良い感じの、適度にフィードバックがあり、かといってタイピング音がうるさくも無いキーボードになっていました。

当初は不評だったバタフライキーボードですが、世代を重ねての進化を追っていると今年発売の3.5世代目で完成度はかなり高まったと感じています。先述したEscキー問題はあるものの、個人的には文字入力自体は3.5世代バタフライに不満は感じていません。そのため、Magic Keyboard搭載の新型16インチに「キーボードのフィーリングを理由に」乗り換えるというモチベーションは個人的に殆ど感じませんでした。

強化された熱対策は「今後のモデル」への余力

今回「28%空気の流れが増加」「35%大きくなったヒートシンク」と熱対策の大幅な強化をアピールしているAppleですが、正直自分の使っている2019年5月発売の15インチCore i9モデルでは致命的な熱問題は発生していません。先代の15インチモデルの上位CPU構成では熱問題が大きく取り上げられていたので覚悟はしていたのですが、5月のマイナーチェンジモデルでかなり落ち着いたのではないかと思います。熱暴走しようものならヒートシンクネタでもやってやろうと思いヒートシンクも買っておいたのですが、全然問題無くて拍子抜けでした。結局ヒートシンクは未開封のまま夏を乗り切ってしまいました。問題無いに越したことは無いですけど。

結局のところ今回の筐体の強力な熱対策は、現在のヘビーユーザーは勿論のこと、今後搭載されるであろう強力なCPUに備えたマージンであると考えています。旧15インチモデルは当初想定していなかった強力な性能のCPUを積む事になってしまい結果として冷却が追いつかなくなったのではないかという話を耳にした事がありますが、そういった将来的な進化を見据えた設計なのではないかと個人的に思います。

そして何よりCPUは15インチモデルから据え置きなんですよね。今回の16インチの筐体の持つポテンシャルは、来年以降のマイナーチェンジで次世代CPUが搭載されてから発揮されるのではないでしょうか。iPhone 11シリーズで搭載されたものの今回MacBook Proでは見送られたWiFi 6も次期モデルで載せてくるでしょうし、実は本命はもう少し先かもしれません。

出荷バージョンはmacOS Catalina

Macは当然ですが、出荷時にリリースされている最新バージョンのmacOSを搭載して出荷されます。そして今回の16インチMacBook Proは「macOS 10.15 Catalina」を搭載。CatalinaはiPadをサブディスプレイにできる「Sidecar」をはじめ便利な機能が搭載され注目されたバージョンではありますが、同時に沢山の不具合が話題になりました。個人的にも15インチMacBook Proを一度Catalinaにアップデートしていくつかの不具合に不便して一度macOS Mojaveに戻して様子見しているのですが、16インチMacBook Proを購入するとなるとCatalina環境は強制。リリースから既にある程度時間は経っているため問題もある程度は落ち着いているタイミングかとは思いますが、現状のマシンで慎重に検証してからの購入が良さそうです。

今使っているメインPCでMojave以前のOSを使っていて、それを売って16インチMacBook Proに移行を考えている方は最も注意するべき点かもしれません。そのマシンを売り払う前に、自分の使っているアプリケーションがCatalinaで動くかしっかり確認したほうがいいですね。

サイズがやや大きくなるので、ケースや鞄には注意


16インチMacBook Proは名前のとおり15インチMacBook Proよりもやや大型化されています。そのため、今まで使っていた鞄やケースには入らない場合もあるので注意。個人的に最近Helios LiteというMacBook Proの入るバックパックを買ったのですが、13インチ用を謳っているHelios Liteには実はギリギリ15インチも入ります。ただ、ギリギリなので16インチとなると入らないかもしれない点を懸念しています。これは実物で確認してみないと分かりませんね。より大きいサイズのHeliosも持っているのですが、Liteのほうのカラーが気に入っているだけにLiteを使いたいです。ジャストサイズの鞄を使っている方は気をつけないといけない点ですね。

自分は2019年の15インチモデルで様子見

5月発売の15インチモデルをCPU/GPU/RAM最上位の構成で買っているので今回の16インチモデル発表は悔しい部分があるのですが、先述したとおり冷却性能には不満が無く、今回の16インチはCPU性能は据え置き。キーボードにも不満が無いため、15インチモデル続投でしばらく様子見しようと思います。まぁ、今回の16インチ、為替の関係か僕が15インチ買った時よりだいぶ安くなっていて、僕の買った構成のSSD2倍、RAM2倍でも同じお値段になるのはだいぶショックなんですけどね…。かなりお買い得かつ、今までのMacBookシリーズの中では間違いなく最強モデルに仕上がっていると思うので、これから買う方にはとても良いモデルだと思います。

キリカ

キリカ

ガジェットショットを作った人。最近まで学生生活の傍ブログを書いていましたが、今はデザイナーとして働いています。休日は愛車の「エリーゼ」「ジュリエッタ」に乗ってドライブに出かけたり、写真を撮ったり楽しんでいます。