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FREETEL KIWAMI 2レビュー。DSDSの使い道、先代から進化した点、要改善と思う問題点をピックアップ

キリカ(管理人)

フリーテルの最新スマートフォン「SAMURAI KIWAMI 2」をレビュー用にお借りすることができたので、気になった点をいくつかの観点からピックアップしていきます。




KIWAMI 2はフリーテルが2016年12月に発売した5.7インチディスプレイを搭載したスマートフォン。KIWAMIシリーズとしてはニ世代目となる機種で、春先に発売されたFREETEL SAMURAI REIのデザインを踏襲しつつも大型・ハイスペックに性能を振ったモデルとなっています。

スペックとしてはプロセッサがMT6797(Helio X20) 10Cores 64bit、RAMが4GB、ストレージが64GB、ディスプレイが5.7インチの解像度1440×2560、カメラはメイン1600万画素・サブ800万画素、バッテリーは3,400mAhのものを搭載。

先代のKIWAMIからのスペック上の変更点としてはプロセッサが8コアから10コアになり、RAMは3GBから4GB、ストレージは32GBから64GBに増量され全体的にスペックの向上が図られている一方で、初代KIWAMIでは搭載していたNFCは非搭載、microSDスロットも無くなりました。ディスプレイは1440×2560の解像度はそのまま、サイズが6.0インチから5.7インチに小型化しています。カメラの画素数は初代は2100万画素だったところが今回は1600万画素に。バッテリーは本体サイズが小型化され軽量化されている中、初代と同じ3,400mAhをキープしています。

デザインはREIを踏襲したメタルボディ



本体のデザインは以前FREETEL SAMURAI REIレビュー:持ちやすいボディにiOSライクな反AndroidなUIが詰まった独特機種で紹介したREIをそのまま大型化し、microUSB端子をUSB type C端子に変更したといった言い方で説明が付くもので、実際見た目はREIにそっくり。背面のアンテナラインが入ったメタルボディはiPhoneを筆頭とする金属のスマートフォンとしては主流のデザインですが、REIから引き続きiPhoneと比べて樹脂のアンテナラインを細く仕上げています。

デュアルSIM・デュアルスタンバイ対応のメリット



2016年SIMフリースマートフォン製品の要素のひとつとして盛り上がりを見せたデュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)に今回新たに対応。2つのSIMスロットにそれぞれSIMカードを挿入し、片方で電話の着信を待ち受けながらもう片方でデータ通信をする、といった使い方が可能。その代わり先代モデルでは片方のSIMスロットをmicroSDスロットとして利用できる機能があったものが無くなっており、外部ストレージで容量を増設することはできなくなりました。この点はストレージを32GBから64GBに増量することで対策されていますが、今や128GBのmicroSDも5000円台まで値下がりしてきており、安価に大容量ストレージを増設できる時期なのでこの点はユーザーによっては残念なところ。特にKIWAMI 2に関しては5.7インチという大型の高解像度ディスプレイを搭載しているため、microSDにたっぷり動画などのメディアファイルを詰め込んで持ち運ぶといった用途が強いと思うので、microSD非対応化は少し残念です。

またDSDSに話を戻すと、実際デュアルスタンバイしたところで今のMNO・MVNOの料金形態ではあまりメリットが多くないというのが現状なのではないかと感じました。大手キャリアが現在提供している通話定額プランが出てくる前の時代であれば、例えばドコモであれば「プラスXi割」という1本目の回線を通話専用でデータ通信せず、2本目のデータ契約の回線をデータ通信専用にすることでセットで安くなるという割引がありました。その時代であれば通話用のSIM、データ通信用のSIMの2枚に分ける方が安かったため、当時にデュアルSIM・デュアルスタンバイの機種があれば大変重宝した事でしょう。しかし現状のプランで見れば、複数のSIMカードでデータ容量を分け合う「シェアパック」系のプランが主流になっているため、手持ちのどのSIMカードでデータ通信しようが料金は同じ。デュアルSIM・デュアルスタンバイのSIMフリースマートフォンが製品として出てくる前に、料金プランがそういったハードウェアの機能が不要なように進化してしまったというのが実情です。

逆にメリットが生まれるケースと言えば、MNOとMVNOのSIMカードの併用でしょう。ドコモで長年維持している電話番号・メールアドレスを保持したままDSDS対応スマホで着信を待ち受けし、データ通信は容量あたりの料金単価の安いMVNOに任せる事で、総額を抑えつつ1台の機種にまとめる事ができます。今となっては特に難しい事をしなくてもドコモのキャリアメールもSIMフリー端末で送受信する事が可能になったので、ドコモのSIMでドコモの電話番号で待ち受けつつ、フリーテルなどのMVNOのSIMのデータ通信を介してドコモのメールを送受信するといった使い方も問題なくできるようになっています。

面白い使い方としては、ドコモ系列ではないY!mobileのSIMカードを使うという方法。先月からPPAPのピコ太郎を起用したCMでワイモバイルワンキュッパ(1980円)をアピールしているY!mobileですが、1,980円で10分までの通話がかけ放題、データ通信も2GBまで可能となっているので、通信容量あたりの単価の安いフリーテルなどのドコモ系MVNOでデータ通信しつつ、音声通話はY!mobileのSIMで行い、毎月2GBながらデータ通信も可能なため、MVNOの低速が不便なシーンではピンポイントでY!mobileでMNOの高速通信を使う、といったデュアルSIM・デュアルキャリアの活用が可能になってきます。なお、Y!mobileの音声SIMはY!mobileオンラインストアにて単品で購入した場合でもMNP転入で最安プランのスマホプランSの場合でも10,000円、上位プランのスマホプランM・スマホプランLの場合は15,000円キャッシュバックで還元されるため、MNPで普段使っている電話番号をY!mobileに引っ越しても違約金を相殺可能。DSDS対応スマホにおける音声通話担当としてY!mobileは良い選択肢だと思います。

AnTuTuベンチマークスコアで見るスペック



KIWAMI 2はフリーテル公式サイトにてベンチマークスコア最高97058点と掲載していますが、添え書きに「KIWAMI 2の不要なソフトはすべて無効化し、本体を冷却しながら計測した際の最高値(2016年12月自社調べ)」と記載されています。実際のユースケースでは冷却しながら使う事は無いと思いますが、冬の寒さの中で使う事はあると思うので、初期化後AnTuTuベンチマークのみをインストールした状態で野外でベンチマーク計測を行ってみました。


何度か計測してみましたが、最高スコアは90895で、90,000点台の謳い文句はなんとかクリアした格好に。以前公開したSnapDragon 650を搭載したソニーのXperia Xのベンチマーク記事ではXperia Xが75,000程度のスコアだったので、大手メーカーのミドルハイ端末を余裕を持って上回るスコアである事がわかります。

REIから引き続きカメラのフォーカス性能には不満



以前同社のREIを使った時にも感じましたが、カメラのアプリ上でのピント合わせが上手くいかないシーンがありました。具体的には上記の画面では手前の料理をタップしているのにも関わらず、後ろにピントが合っています。この現象が発生するのを確認できたのは主に暗めの飲食店など。光量不足なシーンはiPhone 7、honor 8などの他社モデルと比較すると苦手に感じたので、薄暗いお店などで料理を撮影したい際は出来るだけ照明の当たる席を選ぶと良いかもしれません。



マニュアルモードに用意されている項目はISO感度、露出、ホワイトバランスのみ。オートフォーカスでピントを合わせづらいシチュエーションであったとしても、手動で合わせてシャッターを切るという対策も取れないのは歯がゆいところです。

カメラのシャッター音は無音化可能



一方で、賛否両論かもしれませんがKIWAMI 2はシャッター音を無音化する事が可能。通常であれば自主規制により国内で販売されているスマートフォンはシャッター音を無効化できないため、この点は嬉しいと思うユーザーは多いのではないでしょうか。

スワイプアップランチャーとクイック設定が選択可能に


Androidに独自のFREETEL UIを被せているKIWAMI 2ですが、KIWAMI 2に搭載されたFreetel UI 2.0ではスワイプアップランチャーをオフにしてAndroid従来のクイック設定パネルを利用する事が可能になっています。ただ、スワイプアップランチャーとクイック設定パネルの両方を利用する事は不可。現状どちらかのみ利用可能となっています。ただこの点に関してはブロガーイベントにて直接プラスワンマーケティング(フリーテル)に報告したので、アップデートにて改善される見込み。

「設定」にアクセスし辛いUI


個人的にAndroidの設定アプリは割と頻繁にアクセスする機能なので大変気になった点なのですが、全体的に「設定」アプリににアクセスし辛いUIとなっています。

スワイプアップランチャーを有効化した状態では設定へのショートカットが左端にあります。これが5.7インチのKIWAMI 2では右手で操作する際に非常に届きづらいと感じました。スワイプアップランチャーは片手で大画面を操作する際に手元から様々な機能にアクセスできるよう実装されたものという事ですが、片手操作を売りにするのであればしっかり片手でこういった項目に手が届くようにしてほしいところです。

また、先述したようにスワイプアップランチャーをオフにする事でクイック設定パネルが利用可能になっていますが、こちらの設定の場合そもそも設定アプリへのショートカットが用意されていない状態となっています。

横画面中はスワイプアップランチャーもクイック設定パネルも利用不可


カーナビとして使っている際に気になった点ですが、KIWAMI 2は横向きに使っている際はスワイプアップランチャーもクイック設定パネルも出せない仕様になっています。なので車載スマホホルダーに横向きにセットし、カーナビのアプリを起動し、目的地をセットしたところで、やや画面が眩しい、やや画面が暗くて見辛いと思った場合はその場で画面の明るさを調整できないため、一旦スマホホルダーから外し、KIWAMI 2を縦向きに持ち、画面の明るさを調整してから再度スマホホルダーにセットし直す、といった手間が発生します。こういったところは実際の利用シーンで困ると思った点なので、是非ソフトウェアのアップデートで改善してほしいところです。

指紋認証ロック解除はボタンを押し込まずに可能



KIWAMI 2はHTCのHTC 10やファーウェイのhonor 8などと同様、画面をスリープした状態から物理ボタンを押してスリープ解除しなくても、FREETELボタンの指紋センサーに指を乗せるだけでロック解除が可能。iPhone、Galaxy、Xperiaといった人気機種では一旦ボタンを押し込んで、そこから認証が始まるため、触り始めた時点で認証が始まるのはかなりの気持ち良さです。

ただ、指紋認証周りのソフトウェアの作り込みに関しては改善の余地がありそうです。

具体的には、HTC 10は指紋認証時にバイブレータのフィードバックがあるため指紋認証が発動している事が分かりやすくなっていますが、KIWAMI 2はフィードバックが無いため、指紋認証が動いているのかが分かりません。また、honor 8をはじめ他社の機種は指紋認証失敗時にはバイブレータでフィードバックしてくれますが、KIWAMI 2は無反応なため、そもそも指紋認証が始まっているのか、処理中なのか、失敗したのか、画面もオンにならずバイブレータによるフィードバックもないため分からないといった問題点があります。指紋認証は指のコンディションによって認証成功率・認証時間が左右されるデバイスのため、こういったソフトウェアによるユーザーへのフィードバックは作り込んでほしいところ。




今回のKIWAMI 2の総評としては、まだまだ作り込める余地は残されているなといったところ。以前FREETEL SAMURAI REIをレビューした際はお借りしていたレビュー期間中にアップデートで多くの問題点が改善し、そこから時間を置いて今回のKIWAMI 2を触ってみたところ更に改善した点も多くあるため、FREETEL UIは今後ソフトウェアの改善で伸びるのではないかと思います。掲載の仕方こそは誇張気味ではあるもののハードウェア的にはMediaTekのプロセッサを搭載する事によってベンチマークスコアは確保しており、動作的に処理性能に不満があるといった事はあまりありませんでした。USB type Cを採用する事で今後の充電環境のスタンダードもいち早く先取りしており、ソフトウェアを乗せるハードウェアの土壌としては良いものが整っているのではないかと思います。また先代モデルではハードウェア的な不具合が多く報告されていましたが、今回お借りしたKIWAMI 2には目立った不具合は発生せず、安定性は改善しています。

初代KIWAMIでサポートしていて今回外されてしまった要素に関しては惜しいと思っており、microSDスロットが無くなってしまったのは64GBに収まる人であれば問題無いですが、やはり大画面を売りにするのであれば動画をたっぷり詰め込めるよう外部ストレージは確保した方が良いと個人的には感じます。先述したとおりデュアルSIM・デュアルスタンバイによって複数台で運用しなくてはならなかった構成の契約でも1台にまとめる事が可能になっているため、これ1台に音楽・動画・ゲーム・写真を全て詰め込めるよう外部ストレージに対応する事でより一層DSDS対応が活きてくるのではないでしょうか。同時に発表されたRAIJINに関してはmicroSDスロットを搭載しているので、ハイエンドのポジションのKIWAMI 2としては下位モデルに装備で負けないでほしかったところです。またmicroSDの他に今回削られてしまったNFCは必要かと言われればあまり利用シーンは多くありませんが、NFCでスピーカーとペアリングしたりといった事が当然のように出来てきたAndroidの別機種からの乗り換えで、SIMフリースマートフォン市場の中では決して安くない4万円台という価格帯のモデルでこれが出来なくなるというのは、少し悪い意味でユーザーの期待を裏切る要素なのかなといったところ。このような外部ストレージ非対応・NFC非対応といった点は、音楽・動画ライブラリをmicroSDに詰め込み、NFC対応のBluetoothスピーカーとペアリングして再生する、といったいかにもマルチメディアを満喫している、いわゆるイメージ的にはソニーのXperia的な使い方をしているユーザーへには響かないのではないかと思いました。

シナリオ的には、長年ドコモあるいはソフトバンクで2つ折りケータイで同じ番号を使い続けているため1台にまとめたいが、MVNOで出来るだけ安くスマートフォンを使いたい、視力が落ちてきているので画面は大きい方がいい、動画や音楽のライブラリはあまりスマートフォンに溜め込まない、といった大人のユーザーにはニーズ的に合っているのではないでしょうか。

現時点でのKIWAMI 2の実売価格はAmazonでは42,500円、Amazonで購入フリーテル公式サイトでは53,784円となっており、Amazonで別途端末を購入した方が1万円以上お得となっているので、SIMカードとセットで購入を検討している方は参考までに。

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