毎年iPhoneの発売と共に話題にあがってきたSIMフリー版のiPhoneですが、どうやら全盛期はiPhone 4Sだったのかもしれません。
利用自体は可能
micro SIMから小型化されnano SIMになって互換性が疑問視されていたSIMカードも、micro SIMをカットすれば利用できるとの報告が上がっており、現在「ドコモでiPhoneを使いたい」というだけなら自己責任でSIMカードをカットすれば利用可能です。
XiはiOSのソフトウェア的に未対応
発売前から「ハードウェア的に(ドコモLTEの)Xiに対応している」と期待されてきたSIMフリーiPhone 5ですが、結果的にiPhone 5はAppleが個別に対応したキャリアでなければLTEオプションが現れない仕様で、現状SIMフリーiPhone 5でXiを使う手段はありません。ハードウェア的には互換性があり、ドコモのXiスマートフォンのSIMロックを解除した場合SoftBankのLTEで使えるという報告も上がっているため、JailBreakなどの非正規の方法でSIMフリーiPhoneのXiが解禁される可能性もゼロでは無いと言えます。
FOMAプラスエリア対応はiPhone 4Sが最後
今回LTE対応にあたって通信周りのパーツが一新され、iPhone 3GS・4・4Sで対応していた「FOMAプラスエリア」への対応がiPhone 5で切られましまいました。SoftBank版も900MHz導入でプラチナバンドに対応したため、ドコモでSIMフリーiPhone 5を利用する場合、3キャリア中唯一「プラチナバンドが使えないiPhone 5」となっています。
つまり、ドコモで最も快適にネットワークを利用できるiPhoneは現状iPhone 5ではなく「iPhone 4S」となります。
iPhone 5比較表
au |
SoftBank |
docomo(SIMフリー) |
|
---|---|---|---|
LTE対応 | ○ | ○ | × |
プラチナバンド(FOMAプラスエリア) | ○ | ○ | × (4Sまでは○) |
テザリング | ○ | △ (13年1月15日から) | ○ |
MMS | ○ | ○ | × |
ビジュアルボイスメール(iPhone上の留守番電話) | ○ | ○ | × |
SIMフリーiPhoneはキャリアのサービスが使えない代わりに高品質なインフラとテザリング機能が利用できる事が魅力でしたが、KDDIのMMSやビジュアルボイスメールの対応、KDDI・SoftBank両社によるテザリング対応など続きiPhone 5のFOMAプラスエリア対応打ち切り。SIMフリーiPhoneは国内で利用する分には優位性が見えなくなってきました。
SIMフリー版をあえて国内利用するメリットは薄い
以前SIMフリーiPhoneと言えばSoftBankのインフラと比較し非常に快適に利用でき、しかもその快適なインフラで正規の方法でテザリングする事が可能という、輸入のハードルと月額コストの高さを除けば良い事尽くめで羨望の対象でした。
しかしiPhoneがSoftBankだけの物では無くなり、KDDI・SoftBank両社LTE対応、KDDI版でSIMフリー版の魅力であったテザリング機能を搭載、FOMAハイスピードとエリア・回線速度ともに健闘しているWIN HIGHSPEEDにも対応した事から、SIMフリーiPhoneは5では国内版と比べ優位点が無いどころか劣っている部分が多い立場になってしまいました。
ハードウェア的にはXiの機種がSoftBank 4G LTEで使える事が確認しており、逆にiPhone 5をXiで利用する事も将来的には可能かもしれませんが、本体価格が高騰している今あえて国内版ではなくSIMフリー版を買うのはベストなタイミングでは無いかもしれません。