NTTドコモの加藤薫社長は10日、日刊工業新聞の取材に応じ、Apple社のiPhoneについて「互いの契約条件が合えば、ラインアップの一つとして扱いたい」と言及しました。
年々ドコモからのiPhone発売が噂される一方で、ドコモがiPhone販売に踏み切れない理由のひとつとして、Appleがキャリア全体の販売台数に対して高い割合をiPhoneにするというノルマを義務づけており、これにドコモが応じられないという物がありました。
NTTドコモは単に通信回線を提供するだけでなく、携帯電話端末に付加価値をつけて販売する包括的なビジネスモデルをフィーチャーフォンのiモードの頃から続けており、スマートフォンに関してもspモードをはじめ、最新機種ではiPhoneの音声認識サービス「Siri」に対抗する形で「けいおん!」などの人気アニメをはじめとする様々なキャラクターが音声認識してくれる「しゃべってコンシェル」を提供。総合サービス会社としての力を入れています。
国内で最も大きなシェアを誇るNTTドコモは、こういった付加サービスを提供できないiPhoneをAppleの要求通りに販売台数の過半数にするのはビジネスモデル上問題があるため、現在までiPhone導入を見送ってきました。
現状でもドコモは台数自体は少ないものの、AppleのiPhoneと同様に独自Androidアプリが組み込めないRIM社の「BlackBerry」シリーズも販売しており、BlackBerryのメーラー用にspモードメールの@docomo.ne.jpアドレスを解禁している事から、販売するスマートフォン全体に対して一定の割合を越えなければBlackBerry同様に可能なのではないでしょうか。
今回加藤社長は「iPhoneの販売台数が当社の扱うスマートフォン全体の2〜3割なら受け入れ余地はある」と言及しており、今後Apple社との交渉で両社納得のいくラインに落とし込めるかが販売解禁への鍵となります。