CarPlayからSiriの音声入力でChatGPTを使う方法

車のカーナビやディスプレイオーディオに接続してiPhoneアプリのナビや音楽アプリなどを車で使う事ができるCarPlayですが、ChatGPTアプリはCarPlayには対応していません。そこで、今回はAppleショートカットアプリとSiriを経由して音声でChatGPTを使えるようにする方法を紹介します。


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車メーカーにも採用が始まっているChatGPT

チャット形式でAIと対話し、様々な活用が可能なChatGPT。AIに対して人間の自然言語で問いかける事で大規模言語モデルからのフィードバックが得られるサービスで、操作が言葉だけで完結するのが特徴。言葉以外の操作を必要としないため文字入力だけでなく「声」のみの入力で操作する事も可能となっており、ChatGPT公式のiOSアプリにも音声会話モードが搭載されています。

ハンズフリーで使えるという性質は車載デバイスには向いている特性で、実際2023年にはメルセデスがChatGPTの組み込みを試験運用していたり、プジョーがChatGPTの技術を組み込んだ音声アシスタントを2024年後半の車両から設定しておくと発表したりしています。

ただChatGPT公式のiOSアプリは現時点でApple CarPlayには対応しておらず、カーナビやディスプレイオーディオにCarPlay接続してもアプリ一覧に表示されません。

そこで、ChatGPTのiOSアプリに搭載されているAppleショートカット連携機能を使い、CarPlay上のSiriから音声入力する事でChatGPTアプリを使う方法を紹介します。

用意するもの

今回の手順に必要なものは以下のとおり。

  • CarPlay・音声入力に対応したカーナビ・ディスプレイオーディオ
  • CarPlayに対応したiPhone
  • ChatGPTアプリ
  • ショートカットアプリ

今回はアルパイン製ディスプレイオーディオDA7Z・iPhone 15の組み合わせで試してみました。

CarPlay上でChatGPTを使う手順

1. ChatGPTアプリをiPhoneにインストール

まず、ChatGPTアプリをApp StoreからダウンロードしてiPhoneにインストールします。

2. ChatGPTアプリを起動してログイン

一度ChatGPTアプリを起動し、ChatGPTアカウントでログインしておきます。ログインが完了すると、AppleのショートカットアプリからChatGPTへのアクセスが可能になります。

3. ショートカットアプリからショートカットを作成

Apple公式のショートカットアプリをインストールし、新規ショートカットを作成します。

こちらがショートカットの全体像。ショートカット名はSiriで呼び出したい名前にします。今回はコマンドとして短くて呼び出しやすい「チャット」としました。

一つ目のアクションには「入力を要求」を挿入します。iPhoneが英語設定の場合は不要ですが、日本語設定のSiriを使っていると日本語の音声読み上げが英語のChatGPTの標準メッセージをカタカナ英語の発音で読み上げてしまう問題が発生するため、日本語環境では利用がおすすめです。

「チャットGPTに何を聞きますか?」のように、ショートカットを発動した際にSiriに読み上げてほしいメッセージを入力します。素早く使いたい方は短くするのもおすすめです。

続いて、2つ目のアクションに「Ask ChatGPT」を挿入します。

入力部分をタップして「指定入力」を選択することで、1つ目のアクションで喋った内容をChatGPTに入力する事ができます。ChatGPTの有料プランであるChatGPT Plusに加入している場合、より高度な言語モデルのGPT-4を選択する事ができます(用途によっては高速なGPT-3.5を設定するのもおすすめです)。

Start new chatをオンにしておく事で新規のチャットを開始させることができ、Continuous chatをオンにしておくと連続して会話する事が可能です。

以上2つのアクションを追加して保存する事で、SiriからChatGPTを使う準備が完了です。

4. CarPlayで車に接続し、Siriでショートカット名を呼ぶ

ChatGPTアプリを入れてショートカットを作成したiPhoneをCarPlayに対応した車両に接続します。

続いて「Hey Siri、チャット」のように先ほど作成したショートカット名を車内のマイクから入力します(Hey Siriではなく車両の音声入力ボタンでも可能)。

するとCarPlay上のSiriが先ほどショートカットアプリで入力した初期メッセージ(例では「チャットGPTに何を聞きますか?」に設定)を読み上げてくれるので、ChatGPTに聞きたい事を続けて喋ります。

以上の手順でCarPlay上のSiriがChatGPTからの返答を読み上げてくれます。

ハンズフリーで呼び出せるAIは助手に最適

Apple CarPlayは安全のため実行できる操作が限られており、基本的に音源の再生・ナビゲーション・通話・音声入力によるメッセージ送信といった基本的な機能しか使う事ができません。ただSiriに関してはハンズフリーで使える上にレスポンスも良く快適に使えるため、そこから更にChatGPTを呼び出せるように設定して出来る事の幅を広げておくといざという時に声だけで調べごとができたりと重宝しそうです。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。