本日AppleのWWDC 2015にてiPhone・iPad・iPod touch用の最新OS「iOS 9」が発表されました。
iOS 9は昨年リリースされたiOS 8ぶりのメジャーアップデート。iPhone 4s以降のiPhone、iPod touchの5世代目以降、iPad 2以降のiPadとiPad miniにインストール可能となっています。
1. Windowsライクなマルチタスク
iPad上で複数のアプリを同じ画面で同時に表示させながら実行する事が可能に。右端からスワイプする事でiPhone版のアプリを縦に引き延ばしたような縦長のアプリを一時的に利用でき、さらに境界線をタップする事で画面分割でWindows 8ライクな表示が可能。また、iPad Air 2では画面を中央で2分割してフルサイズのiPadアプリを2つ同時に実行する事ができます。
動画再生に関してはPicture in Picture(PinP)表示が可能に。動画再生中に他のタスクに移動すると動画が縮小表示されてポップアップされます。既にGalaxyをはじめとするAndroidでは定番の機能となっていますが、ようやくiOSでも利用可能になりました。
2. キーボード強化
3. Siriが大幅強化
Siriがコンテキストを理解するように大幅強化されました。メッセージやサイトを表示しながら「これを明日の朝にリマインドして」とSiriにお願いしてリマインダーアプリに予定を入れる事が可能になり、リマインダーからメッセージアプリの中の該当メッセージに直接飛べたりと連携が強化されています。
4. Spotlight検索がSiriで賢く
Spotlight検索に直接試合の結果や天気、株価、単位の変換、連絡先に直接電話・Facetime・メッセージなどの発信などの機能が統合されました。
5. iPhoneが状況を理解して能動的に動作
イヤホンを挿入すると自動的に音楽をサジェストして再生画面を表示したり、予定を入れるメールを受信した際に自動的にカレンダーに予定を追加したりといった、状況に応じた動作が追加されました。
6. Androidからの移行機能
Androidから乗り換える際の「Move to iOS」アプリが登場。連絡先や写真・動画ファイルなどはもちろん、FacebookやTwitterなどの無料アプリは以前と同じものをサジェスト、有料のものはウィッシュリストに追加してくれます。
7. 純正ニュースアプリ登場
なめらかなアニメーションやタイポグラフィでニュースコンテンツを利用できるNewsアプリを新たに搭載。自分の興味分野に合ったものを自動的に収集してくれます。
8. 純正メモアプリが高機能に
プリインストールの純正メモアプリが機能強化。チェックリストや写真、手書きメモ、地図、URLなどが追加可能になり、地図とURLは”はてなブログ”のブログカードのようにサムネイル付きのリッチな表示になります。
9. マップ強化
今まで自動車ユーザー向けの機能に注力していた純正のマップが、今回公共交通機関を利用するユーザー向けに「Transit」機能が追加。路線図マップが利用できるようになりました。また、近くの店の情報なども表示されるようになり、Apple Pay利用の可否も表示されます。
10. Walletアプリ
11. CarPlayがワイヤレスに
今回公開されたiOS 9はWindowsライクな画面分割、Androidライクなポップアップ動画再生やイヤホン挿入で音楽再生など他のプラットフォームの良い所を積極的に取り入れた印象のメジャーアップデートとなっています。メモアプリのURL挿入ははてなブログのブログカード、ニュースアプリはグノシーやSmartNewsなどの流行しているニュースアプリと概ね同じ流れのアプリとなっており、プラットフォームやアプリケーションなど様々な他社の武器をOSに取り入れたといった印象。
iPadに関しては特に今回のアップデートでの恩恵が大きく、今まで非公式な方法でしか出来なかった待望の画面分割が搭載された事によって複数のタスクが並列して出来るようになった上、長年iOSの弱点として言われ続けてきたカーソル移動もようやく搭載、キーボードショートカットにより物理キーボードがあれば画面を触らずともアプリ切り替えが可能になり、Windowsの流れをトレースする事で生産性の高いデバイスに進化したと言えます。
iOS 9は本日よりデベロッパー向けにβ版が配信開始され、一般向けはApple Beta Software Programの登録者に7月より配信予定。正式版は秋に公開となっています。
なお、今回のWWDC 2015の動画は公式ページのApple – Live – June 2015 Special Eventから閲覧可能となっています。