ソニーから2020年のXperiaのフラッグシップモデル「Xperia 1 II(マークツー)」が発表されました。
Xperia 1 IIは2019年に発売された「Xperia 1」の後継機にあたる新型モデル。
Xperia 1よりソニーのスマートフォンの命名規則はもっとも性能の高いものが「1」、4Kディスプレイ等を削った小型版が「5」、低価格国内モデルが「8」、国内向け機能の無い海外向け低価格モデルが「10」といった形で、「数字が小さいほど高性能」という同社の一部デジタルカメラ製品に近いものとなっています。
そのためXperia 1の次のモデルは「Xperia 2」とはならず、「Xperia 1 II(マークツー)」といった同じくソニーのデジタルカメラ製品に倣ったナンバリングに。例えばソニーのサイバーショットの高性能コンパクトモデルRX100は初代RX100から新型モデルが年々追加され、現在はRX100 M7(マークセブン)までラインナップされており、フルサイズセンサーを搭載したより高性能なRX1シリーズと併売されています。
Xperia 1 IIの特徴をまとめた公式のプロモーション動画は以下のとおり。
プレスリリースに掲載されているXperia 1 IIの特徴をまとめると以下のとおり。
- 5G(Sub6)対応
- 60回/秒のAF/AE演算
- AF/AE追従最高20コマ/秒の高速連写
- 1/1.7型大判センサー搭載
- 4,000mAhの大容量バッテリー
- 90Hzディスプレイ相当の残像低減技術
- ワイヤレス充電(Qi)対応
また、筐体デザイン上部を見ると3.5mmイヤホンジャックが復活しており、有線でオーディオを楽しみたい方や、遅延が気になるゲーマーにも嬉しいポイントです。今年春以降発売予定。
国内投入予定の有機EL搭載Xperia 10 II
ソニーが海外向けに発売し、国内では防水やおサイフケータイを付けて「Xperia 8」として投入していたXperia 10の新型の「Xperia 10 II」も発表。ディスプレイが液晶から有機ELにアップグレードされ、国内専用モデル限定だった防水防塵がグローバルモデルにも採用。またXperia 10では「広角」「超広角」のデュアル構成だったカメラも「超広角」を採用し、トリプルカメラ構成に。
公式のプロモーション動画は以下のとおり。
今回は日本含むグローバルマーケットで発売される事が発表されており、日本では既にXperia 8を取り扱っているY!mobile、UQモバイル、auあたりで取り扱われる事が予想されます。今年春以降発売予定。
5Gのミリ波対応の業務用Xperia PRO
「映像制作などプロフェッショナル向けソリューションにも対応した、5Gミリ波帯対応デバイス」として開発発表されたのがXperia PRO。Xperia 1 II搭載のカメラやディスプレイなどの魅力はそのまま、高速通信できる5Gの「ミリ波」を4方向のアンテナで利用でき、独自の熱を拡散する構造により長時間の使用にも耐えるモデル。HDMI接続にも対応し、映像のプロフェッショナルの現場を想定して開発されています。発売時期は未発表。
要望を取り入れつつ、着実に強みを伸ばしてきたXperia
Xperia 1では従来のXperia XZシリーズから大きくフルモデルチェンジして薄型筐体、映像制作を強く意識したカメラ、映画鑑賞体験に特化した21:9の4Kディスプレイなど一層ソニーらしい製品に仕上がった一方で、筐体に収まり切らなかったワイヤレス充電が廃止されるなど、止むを得ずそぎ落とされた要素もありました。
今回のXperia 1 IIではXperia XZ2シリーズで廃止されたイヤホンジャック、Xperia 1で廃止されたワイヤレス充電が両方復活し、ユーザーからの要望に応えるモデルに進化。カメラもミラーレス一眼のαシリーズで培った技術を投入してオートフォーカス追従連写機能を強化するなど、ユーザー目線を意識しつつもソニーとしての強みにも磨きをかけた機種に。
また先代のXperia 1からホワイトバランスをキャリブレーションして出荷される「Xperia 1 Professional Edition」を発売するなど、強く推し進めてきた映像制作の現場向けの端末としてのポジションは「Xperia PRO」で5G時代に使えるモデルを開発。先代で大きく舵を切った方向性を二代目でしっかり5Gを見据えて深掘りしています。
攻守ともにバランス良く進化させてきたフラッグシップの「Xperia 1 II」に、防水防塵と有機ELを取り入れてランクアップさせたミドルレンジの「Xperia 10 II」の二本立てでコンシューマー向け市場を攻めつつ、「Xperia PRO」で5G時代を見据えた業務用端末のポジションも押さえていくソニー。
昨年のXperia 1世代からガラっと雰囲気が変わった事で久々にXperiaを買った人が自分の周りにも多く居ましたが、今回の発表内容も勢いを感じるので、今年もその好調な流れが続くのか注目です。