Appleが日本時間2022年9月8日2:00から配信した発表イベント「Far out.」にて発表された新製品の情報をまとめていきます。
この記事の目次
今回の発表はiPhone、AirPods、Apple Watchの3デバイス
今回の「Far out.」のイベントは、ユーザーが毎日使っている最も身近な製品であるiPhone・AirPods・Apple Watchの3種のアップデート。それぞれに新製品が登場する格好となりました。
1. Apple Watch Series 8
Apple Watchの最新モデル「Apple Watch Series 8」が発表。
新たに「皮膚温センサー」の機能を搭載しており、本体の背面・ディスプレイの直下の2つのセンサーを搭載することで外部環境による偏りの少ない測定が可能となっています。
従来の転倒検知に加え、新たに「衝突事故検出」を搭載。事故を検出するとユーザーに確認を取り、反応がない場合は緊急通報サービスに電話をかけてくれます。
セルラーモデルは世界中の30キャリアへの海外ローミングにも対応しました。
新しい定電力モードはバッテリー駆動時間を18時間から最大36時間まで伸ばす事ができるとしています。
Apple Watch Series 8は本日より予約受付開始、9月16日販売開始。
2. Apple Watch SE(第2世代)
Apple Watch SEもアップデート。初代Apple Watch SEのS5から最新のApple Watch Series 8と同じ世代のS8 SiPデュアルコアプロセッサになり、性能が20%高速化している他Apple Watch Series 8と同じく衝突事故検出や国際ローミングに新たに対応しています。
Apple Watch Series 8同様、SEも本日より予約受付開始、9月16日販売開始。
3. Apple Watch Ultra
Apple Watchファミリーに新たなラインナップとして「Apple Watch Ultra」が登場。従来の41mm/45mmの2サイズよりも大きい49mmのチタニウムケースを採用しており、カスタマイズ可能なアクションボタンを側面に新たに搭載しています。
大容量バッテリーを搭載する事で従来のApple Watchの2倍となる36時間のバッテリー駆動時間を実現しているほか、ソフトウェアアップデートで配信予定の新しい省電力設定を使えばこれを60時間まで延ばす事ができるとしています。
Apple Watch Ultraは本日より予約が可能で、9月23日に発売予定。日本価格は124,800円。
4. AirPods Pro(第2世代)
AirPods Proも第2世代にアップデート。新たにH2チップを搭載。このH2チップによって、ノイズキャンセリング性能を2倍に引き上げ、外部音取り込みモードは「適応型環境音除去」はH2チップにより車のサイレンや工事の音など大きな周囲のノイズを処理して抑える事ができます。
空間オーディオも進化しており、iPhoneのTrueDepthカメラを使って耳の形状を計測する事によって空間オーディオのパーソナライズプロファイルを作成できるようになりました。
側面のタッチコントロール操作には上下スワイプ機能が追加され、iPhoneやSiriを使わずに音量調整が可能に。
バッテリー駆動時間は1時間半長くなり、最大6時間の再生が可能。ケースを使ってフル充電した分も入れると最大合計30時間の再生を楽しむことができ、こちらは旧モデルから6時間延びています。
充電周りもアップデートされ、従来のMagSafe充電、Qi充電、Lightningケーブル充電に加え、新たにApple Watchの充電器でも充電が可能になりました。
また充電ケースも刷新され、ストラップが装着可能になりスピーカーも搭載。U1チップ搭載iPhoneの「探す」アプリで正確な位置を特定できる新機能に加え、音を出して場所を探せるようになりました。
5. iPhone 14・iPhone 14 Plus
「iPhone 14」は、今年は標準モデル+大画面モデルの2サイズ展開に。名前はiPhone 14、iPhone 14 Plusとなります。
昨年のiPhone 13が5.4インチのiPhone 13 mini・6.1インチのiPhone 13の2サイズ展開でしたが、今年は小型モデルが無くなり代わりに6.7インチの大画面モデルが追加されました。
iPhone 14シリーズはiPhone 13と同じA15 Bionicチップを引き続き搭載していますが、GPUは4コアから5コアにパワーアップ。フロントカメラはオートフォーカスに対応。
電池持ちは19時間のビデオ再生から20時間のビデオ再生に延びており、厚さはiPhone 13の7.65mmから厚くなり7.80mmに。ただし重量は173g→172gにと僅かに1g軽くなっています。
メインカメラはF1.6からF1.5と明るくなっているほか、アクションモードという新機能でGoProのようなアクションカメラで撮ったような手ブレ補正の効いた映像を撮影できるようになりました。
また、今回のiPhone 14シリーズからはアメリカ市場向けのモデルは物理SIMスロットが撤廃され、eSIMオンリーに。
今年からは衛星経由の緊急SOS機能が搭載され、アンテナが衛星に直接接続して携帯電話通信・WiFiの圏外でも緊急通報サービスを利用することができるようになりました。衛星経由の緊急SOS機能は11月に米国とカナダのユーザーに提供され、2年間無料で利用することができます。
iPhone 14の価格は119,800円からで、予約は9月9日午後9時受付開始。発売日は9月16日。
iPhone 14 Plusの価格は134,800円からで、予約は9月9日午後9時受付開始。発売日は10月7日。
6. iPhone 14 Pro・iPhone 14 Pro Max
上位モデルは昨年と同じ構成で、6.1インチのiPhone 14 Proと6.7インチのiPhone 14 Pro Maxの2サイズ展開。チップにはA16 Bionicを採用し、iPhone 14/iPhone 14 Plusと差別化しています。
iPhone 14/iPhone 14 Plusに搭載されたアクションモードや衛星経由の緊急SOS機能に加え、カメラやディスプレイなどの機能がアップデートされています。
今回の目玉は「Dynamic Island」というソフトウェアとハードウェアを組み合わせたデザインで、TrueDepthカメラを小型化して「島」として画面上部中央に置き、通知・操作のUIと一体化させる事によって機能を持たせたもの。
他社製のスマートフォンの画面下のインカメラや格納式などのハードウェア的な手法とは真逆に、インカメラで欠けた部分自体にソフトウェアで機能を持たせてしまうという斬新なアプローチとなっています。
カメラはクアッドピクセルセンサーを採用した4800万画素のメインカメラを新たに搭載し、4つのピクセルを1つにまとめて暗所撮影性能を向上させる事ができるほか、センサー中央の1200万画素を用いて2倍望遠をデジタルズーム無しに実現することも可能。望遠側は引き続き3倍となっており、従来欠けていてデジタルズームするしか無かった中間の2倍望遠が補完された形となっています。
シネマティックモードは新たに30fpsに加えて24fpsの4K撮影が可能に。いわゆる「シネマティックな映像」の演出には24fps撮影が占める割合が大きく、昨年のiPhone 13 Proシリーズで強く要望されていた機能なだけに早速翌年モデルに搭載してきたのは素早い対応に感じます。
ディスプレイは昨年のProモデル同様120Hzの高リフレッシュレートのProMotionに対応しているのに加え、今回は1Hzまで下げることで常時表示ディスプレイ機能を搭載。また屋外のピーク輝度はiPhone 13 Proの2倍の最大2,000ニトまで引き上げられています。
iPhone 14 Proシリーズの価格は149,800円からで、予約は9月9日午後9時受付開始。発売日は9月16日。
今回発表されたiPhone 14シリーズの内容は「1分でわかるiPhone 14」の動画にまとめています。
2倍ノイキャンのAirPods ProとDynamic Islandが個人的目玉
正直なところ今回のAppleの発表会は噂段階では購入は見送りの予定で、Apple Watch Hermès(Series 6)・iPhone 13 mini・AirPods Pro(初代)をそのまま使い続けようと思っていたのですが、実際の発表を見てみるとやはりノイキャン性能が2倍になった第2世代AirPods Pro、新たにDynamic Islandを導入したiPhone 14 Proに関してはかなり購入の確度が高まった内容だと感じました。(Apple Watch Ultraは求めている層にはバッテリーの大幅強化など非常に強烈に刺さる製品だと思いましたが、41mmのコンパクトさを求めている自分にとっては所謂not for meという印象でした)
特にDynamic Islandはハードウェアとソフトウェアを統合して作っているAppleらしさを強烈に感じる機能であり、久々のiOSの新UIなので、かなり気になる部分。動画で見た際のインパクトが非常に大きかったので、是非実機で触って体験してみたいところです。
iPhone 14シリーズ・第2世代AirPods Proの予約受付開始は9日の夜9時スタート。なかなかにそそる内容だったので、開始までどれを買うかじっくり考えたいと思います。
このまとめ記事はAppleの発表をリアルタイムで見ながらYouTubeで実況しつつ書きました。アーカイブはこちら。