iPhone 15レビュー。「今年はProじゃなくても良い」人が増えそうな仕上がりの一台

Lightning端子からUSB-C端子に刷新された、Proでない無印モデルの「iPhone 15」のブルーを購入したところ、質感的にも機能的にも満足度が非常に高い機種だったので、実際の使用感を紹介していきます。


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iPhone 15を買った理由

iPhone 4以来毎年iPhoneを欠かさず買っている筆者ですが、ここ数年のiPhone歴を振り返ると、大画面のiPhone 12 Pro Maxから小型&軽量の紫のiPhone 12 miniに乗り換え、iPhone 13 Pro Maxで大画面に戻り、キャリアの格安2年レンタルでiPhone 13 miniで再度小型化し、カメラに惹かれ重量級のiPhone 14 Pro Maxを使ったのちに軽量&大画面を両立したiPhone 14 Plusに落ち着いています。

振り子のように大型・小型を行き来し、最終的に大型・軽量という新しいポジションを開拓したiPhone 14 Plusに落ち着いて愛用。特に大きな不満も無く気に入っておりiPhone 14 Plusを2年使おうと思っていたので今年は珍しくiPhoneを予約しないまま発売日を迎えました

ただiPhone 15シリーズの実機を触っておきたかったので発売日の夜に家電量販店に足を運んだところ、iPhone 15シリーズの質感が想像以上に気に入り、第一候補だったブルーの色のSIMフリーモデルの在庫もあるとの事だったので、急遽購入する事に

例年大画面モデル・小型モデルを行き来していましたが、通常サイズのモデルはiPhone 12を最後に買っておらず、また小型モデルもiPhone 13 miniを最後に終息してしまった事から、今回のラインナップで最小・最軽量という事もあり数年ぶりに通常サイズのiPhone 15を選ぶ事にしました。

勿論iPhone 15 Pro・iPhone 15 Pro Maxも触ってみましたが、店頭のホットモックは一日の汚れでフレームが汚くなっておりケース無しで使うには気になる状態になっていたのと、今回iPhone 15で採用された「望遠レンズを省いた0.5・1・2倍の構成」は昨年2モデルを使ってみた上で欲しいと思っていたカメラ構成そのものだったので、今回はProではなく通常モデルを選んでみました。

iPhone 15の特徴をおさらい

iPhone 15は2023年9月23日に発表された最新型のiPhoneの標準モデル。昨年のiPhone 14に引き続き、6.1インチのiPhone 15と6.7インチのiPhone 15 Plusの2サイズ展開となっています。また、カラーは今回「ブラック」「ブルー」「グリーン」「イエロー」「ピンク」のラインナップとなっており、ホワイト系が用意されない珍しい年となっています。

「Pro」ではない標準モデルでありながら、昨年のiPhone 14 Proに採用されていた高画素の広角カメラから切り抜いて2倍望遠として使う仕組みや、インカメラ周りの切り抜きをソフトウェアのウィジェット領域として活用するDynamic Islandなどの要素を引き継いでいます。

特徴を要約すると以下のとおり。

  • Lightning端子→USB-C端子に変更
  • Dynamic Islandを採用
  • メインカメラが1200万→4800万画素に
  • メインカメラから切り抜いた2倍望遠が可能に
  • 背面にカラーインフューズドガラスを採用
  • 屋外ピーク輝度が2,000ニトに
  • A15→A16 Bionicチップに(iPhone 14 Pro相当)

続いて、詳細なスペックを昨年モデルのiPhone 14、上位モデルのiPhone 15 Proと比較しながら抜粋して見ていきます。

iPhone 15・iPhone 14・iPhone 15 Proの比較

iPhone 15は、前年のiPhone 14と比べると「Pro」モデルに近い機能がいくつか新搭載されており、例年と比べるとProと比べて選びやすくなっています。昨年のiPhone 14、今年の上位モデルのiPhone 15 Proと並べてスペック的な特徴を抜粋したものが以下のとおり。


iPhone 15

iPhone 14

iPhone 15 Pro
画面サイズ 6.1インチ 6.1インチ 6.1インチ
リフレッシュレート 60Hz 60Hz 120Hz
画面解像度 2,556×1,179 2,532×1,170 2,556×1,179
常時表示 × × ⚪︎
アクションボタン × × ⚪︎
Dynamic Island ⚪︎ × ⚪︎
SoC A16 Bionic A15 Bionic A17 Pro
メインカメラ 4800万画素 1200万画素 4800万画素
2倍望遠 ⚪︎(クロップ) × ⚪︎(クロップ)
3倍望遠 × × ⚪︎(光学)
0.5倍超広角 ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎
マクロ撮影 × × ⚪︎
LiDARスキャナ × × ⚪︎
接続端子 USB-C Lightning USB-C
接続方式 USB 2 USB 2 USB 3
最大輝度 1000ニト 800ニト 1000ニト
ピーク輝度(HDR) 1600ニト 1200ニト 1600ニト
ピーク輝度(屋外) 2000ニト 2000ニト
重量 171g 172g 187g

見た目上の分かりやすい特徴としてはDynamic Islandの採用が最も大きなところ。昨年はPro限定の機能でしたが、今年からは全てのiPhone 15シリーズまで拡大採用されています。これに伴い、画面解像度も昨年のiPhone 14から微増してPro相当に。

一方でProMotionと呼ばれる120Hzのリフレッシュレートは引き続きPro限定となっており、iPhone 15のリフレッシュレートは60Hzに限られています

チップは昨年同様に前年のProと同じ世代の物を採用するパターンに従い、iPhone 14 Proで採用されていたのと同じ世代のA16 Bionicに。また余談にはなるものの、今年のiPhone 15 Proは「A17 Pro」と従来の命名規則から外れて「Pro」というネーミングが与えられているため、来年のiPhone 16に採用されるチップが何になるのか気になるところでもあります。

カメラは昨年のiPhone 14 Proで採用されていた4800万画素のメインカメラの中央の1200万画素を使って2倍望遠撮影をする機能が通常モデルにも採用。0.5倍・1倍の2眼構成のカメラでありながら、0.5倍・1倍・2倍の3つの画角での撮影が可能に。個人的に昨年のiPhone 14 Proで最も気に入っていたカメラ機能なので、通常モデルに採用されたのは非常に嬉しいポイント。

細かい違いを取り上げると、iPhone 15 Proのメインカメラは24mm、iPhone 15のメインカメラは26mmと若干Proモデルと比べると画角が狭くなっており、画素数こそは揃えられているものの違うカメラとなっています。

LiDARセンサーについては引き続きProモデルの特権となっており、通常モデルには非採用。

接続端子は昨年まで採用されいたLightning端子が廃止され、USB-Cに。なおiPhone 15では端子形状こそはUSB-Cになったものの接続方式自体はUSB 2.0のままで、転送速度はLightningの頃から変わらず480Mbps。iPhone 15 ProのみUSB 3.2 Gen 2が採用され、10Gbpsの転送が可能となっています。

画面輝度はProモデル同様の屋外2,000ニトまで明るくなるようになっており、外出時の画面の見やすさが大きく向上しています。

重量は昨年のiPhone 14よりも1g軽い171gとなり、iPhone 15 Proの187gと比べても16g軽量です。

カメラ・画面ともに全体的にProモデルに近づいたハードウェア構成となったiPhone 15。逆にProに劣る主な部分としては120Hz非対応、望遠レンズ非搭載、USB 3.2 Gen 2非採用といったところになります。

それでは、実物のパッケージや付属品を見ていきます。

パッケージ・付属品を確認

こちらがiPhone 15のパッケージ。今年から採用されたDynamic Islandが分かりやすくプリントされてアピールされています。

今回は「ブルー」を購入してみました。パッケージには今年からUSB-C – USB-Cケーブルが付属します。USB-CケーブルはUSB 2.0なものの、チューブが編み込み式で高級感のある素材となっています。

iPhone 15はeSIMに対応しているため対応の通信事業者で使う場合不要ですが、物理SIMトレイを開閉するためのSIMピンは引き続き同梱されています。

ブルーのiPhone 15の外観を確認

続いて、iPhone 15の外観を見ていきます。

こちらが外観。フレームが今回から若干丸みを帯びて持ちやすさが改善。iPhone 12以降のフラットなフレームの基本形状を引き継ぎつつ、iPhone 11以前の角を取った触り心地の良さを復活させており、今までのiPhoneの良いとこ取りのような形状に感じます。

左側面のボタン配置は例年どおりサイレントスイッチ、ボリューム上下がそれぞれ独立しており、SIMトレイも配置。

下部はLightningよりもやや大型のUSB-C端子になったものの、今までのiPhoneの印象は崩さず上手くまとまっていると感じます。

歴代モデルではiPhone XRで端子が背面寄りになって上下非対称になった事もありましたが、iPhone 15はUSB-Cに対応しつつもしっかりとセンターに収めてくれたのは嬉しいところ。

背面は白に近い明るいライトブルーで、今年はホワイトモデルが存在しないものの、各カラバリがホワイトに近い印象の色となっています。

今回から採用された「カラーインフューズドガラス」というガラス自体に色を注入する技術により、背面のガラスの薄い大部分は白に近いライトブルーで、ガラスが分厚いカメラの台座部分のみブルーの濃さが増しています。

質感のディテールを更にチェック

昨年のiPhone 14 Plusと並べると、エッジの丸みが目視でも分かりやすくなっています。実際持ってみると差がしっかりと分かる形状変更となっており、例年光沢感のあった背面がしっとりしたマットな質感になったのも相まって、触り心地良く手に収まります

昨年までのモデルと比べると明らかに指にエッジが刺さらなくなり、背面・フレームの質感変更も相まって触り心地は飛躍的に良くなりました。ただ刺さらないので逆に言えば落下は少し怖いところ。iPhone 12・13・14とケース無し運用をしてきましたが、今年はケース無しで使いたい質感でありながらケース無しで使うのが怖い形状でもあり、悩ましいところです。

フレームのマットな質感は手持ちの機種だとGalaxy Z Flip3に近く、どちらも触り心地の良さでケース無しで持ち歩きたくなる質感だと感じます。

エッジの処理の変更に伴い、ディスプレイ側のガラスもiPhone 12〜14までフラットだったものがラウンド形状に変更されています。そのため、保護フィルムの選定には注意が必要

昨年までは特に深く考える事無く選べましたが、今年はガラス製の場合は縁無しの中央のみ覆うタイプ黒縁ありの全面タイプから選ぶ形に。サイズ的にも合わせがシビアになっているので、ハードルは昨年モデルと比べると上がっています。

保護フィルム無しでもしばらく使ってみましたが、やはり指の滑りが表面加工済みのガラス製保護フィルムと比べると突っかかりを感じる上、SNS上では保護フィルム無しで運用してたところ簡単に擦り傷が入ってしまったという報告もあり、今年のモデルは保護フィルム選びが一つの課題になりそうです。

エッジの処理の変更とカラーインフューズドガラスの採用で、長らく停滞していたiPhoneの外観が一気に垢抜けてレベルアップした印象を受けました。

続いて、カメラをチェックしていきます。

iPhone 15で採用された理想的な2眼カメラ構成

昨年のiPhone 14 Pro Maxを使ってみた際には4800万画素のメインカメラの中央1200万画素を切り出して2倍望遠として扱うカメラは非常に気に入っていた一方で、3倍望遠はそれほど出番が無く、物理的な3倍望遠レンズを省いて高画素メインカメラのセンサー中央を使った2倍望遠だけ残した2眼カメラ構成が欲しいと感じていました。

その後使い始めたiPhone 14 Plusではメインカメラからデジタルズームして1.5〜2倍の画角で撮影する事が大きな割合を占めていたため、Proモデルの2倍望遠の機能が非常に欲しいと感じていました。

これら2機種を使った上で求めていたカメラ構成が、今回iPhone 15で採用されたカメラそのもの。物理的なレンズを増設した3倍以上の望遠は切り捨てて、軽量なボディで0.5・1・2倍の3つの画角を実現しているのは自分のX(旧Twitter)投稿やInstagramストーリーズへの投稿スタイルにぴったりと合致する理想的な組み合わせ

例年の機種を触った上で求めていた理想形を実現しているだけに、実際使ってみると使用感は非常にしっくりきて満足でした。それでは、実際の作例を掲載していきます。

iPhone 15のカメラ作例

0.5/1/2倍の3つの画角が標準モデルで使える嬉しさ

iPhone 12 mini、iPhone 13 mini、iPhone 14 Plusと3世代に渡って2眼カメラの標準モデルを普段使いのメインスマホとして使ってきて「標準モデルのiPhoneは超広角・広角の2画角しか使えない」という制約が当たり前だった身からすると、iPhone 15の2倍望遠が解禁された3画角は一気に構図の自由度が広がって楽しくなりました。

これが昨年のiPhone 14よりも軽量な筐体で実現されているので、軽い望遠のために重たいモデルを持ち運ぶ必要も無くなったというのが今年の大きなポイントに感じます。実際の作例は以下のとおり。

まずは標準の広角カメラで撮ったもの。気持ち良い日の散歩中にそのままカメラを起動して、何も考えずに気持ち良い雰囲気をさっと記録できるのは安定のiPhoneといったところ。

0.5倍の超広角。より高い空の雲まで画角に入るので、空の広がり伝えるにはぴったり。レンズ交換式のカメラで超広角をカジュアルに撮影するのは腰が重いのもあって、手軽さで圧倒するスマホと超広角レンズの組み合わせは個人的にとても重宝すると日頃感じているところです。

そして今回iPhone 15から搭載された2倍望遠。従来iPhone 14までは前の2つの画角しか選べなかったのに加え、この少しだけ圧縮して切り抜く「カメラ的な」画角が追加されたのはカメラ好きだけでなく、SNSに手軽に共有したいカジュアル層にこそ刺さる機能なのではないかと思います。

この撮影場所からだと、個人的には3枚目の2倍望遠が一番好きな画角に感じます。こういった写真が、一番軽く取り回せるモデルで手軽に撮影できるようになったのは本当に嬉しいところ。

2倍望遠で輝くポートレートモード

2倍の画角が選べるようになった事で、被写体の前景・背景をぼかす「ポートレートモード」が一層輝くようになったのも必見のトピックです。1倍の広角で背景がボケている写真より、2倍の望遠画角で背景がボケていた方が圧倒的に「カメラ的な」雰囲気をスマホで出しやすくなっています。

昨年のiOS 16から後ろだけでなく手前の物もぼかせる「前ボケ」に対応した点も、今年2倍望遠が搭載された事で切り抜いた画角によって活用しやすくなっています。

従来の標準モデルのiPhoneでは撮れなかった画角のポートレートモードなので、今までProでないモデルを使っていたユーザーであれば新鮮味は抜群でしょう。

これは使っていて楽しいです。

通常のモードでもポートレート撮影が可能に

2倍望遠の搭載に加えてもう一点大きなトピックが、通常の写真モードでもポートレート撮影が可能になったということ。今まではカメラアプリ内でポートレートモードに切り替えて撮影する必要がありましたが、iPhone 15からは人を認識したりタップでピント合わせをしたりすると右下に「f」ボタンが出現し、これを押す事でポートレートモード同等の撮影が可能に。

また、ボタンを押さなくても被写界深度が保存されるので、後から写真アプリでポートレートモードのエフェクトを追加する事も可能になっています。そのため、カメラアプリの「写真」と「ポートレート」のモードの違いを気にする事なく、普通に撮影していればOKに。

これによってシャッターチャンスを逃す事が圧倒的に少なくなり、咄嗟に撮影した写真も後付けでポートレート効果を追加したりといった従来は不可能だった撮影スタイルも可能になりました。

この辺りは写真を撮るのを楽しくしてくれる良いアップデートに感じました。

2倍望遠はテーブルフォトにも便利

iPhone 15はiPhone 15 Proのように超広角カメラからクロップして接写できるマクロモードのような超近接撮影には対応できないものの、2倍望遠を活用する事で卓上の被写体にピントを当てて大きく写したいシーンにも比較的対応できるのが嬉しいところ。

1倍と比べると撮影者の影も写り込みにくいので、テーブルフォトでは重宝します。

強い光源のゴーストは依然として課題

iPhoneの歴代モデルでは毎年取り上げられている「ゴースト」「フレア」といった強い光源が分身して写り込む現象ですが、iPhone 15も変わらず発生しているように感じました。この例のように夜の撮影で照明が画角に入ると高確率で発生します。

このように動画で見るとより現象が分かりやすいかもしれません。街灯が映り込んでいるのが分かるでしょうか。

こちらはAdobe Lightroom CCの「修復」機能でゴーストを除去したところ。小さな筐体の小さなカメラではハードウェアの光学的にゴーストを除去するのが難しいのであれば、こういったソフトウェア的な後処理のアプローチで対処しても良いかもしれません。

電池持ちを求めるならiPhone 15 Plus

昨年10月から電池持ちが圧倒的に良かったiPhone 14 Plusを使っていたので、通常サイズのiPhone 15にダウンサイジングしてまず感じたのは、相対的な電池持ちの悪さ。iPhone 14 Plus、iPhone 15 Plusは大型の筐体に大容量のバッテリーを搭載していながらProシリーズのように120Hzのディスプレイなどの燃費の悪いパーツを搭載していないため、電池持ちに関してはシリーズ随一。

iPhone 15 Plusに関してはMrwhosethebossのYouTubeチャンネルにて公開されたバッテリーテストで他モデルを大きく引き離して圧勝しており、iPhone 15 Proが9時間20分、iPhone 15が9時間57分、iPhone 15 Pro Maxが11時間41分で電池が尽きたのに対し、iPhone 15 Plusは13時間19分と突出した電池持ちの良さを記録しています。

iPhone 14 Plusを使っていた頃はモバイルバッテリー・充電器を持たずiPhone 14 Plus単体だけ持って出かける事が多く、家に居る間も日中全く充電せず卓上の置きっぱなしだったりと、バッテリー周りに関しては驚くほどストレスフリーでした。

そのため今回は小型化のためにiPhone 15を選んだ結果、当然ながら充電器に繋ぐタイミングはだいぶ早まり、バッテリーをより意識して使う必要があるようになりました。この辺りはサイズとのトレードオフになってしまうのは仕方のないところ。とは言いつつ、こちらもiPhone 15 Proよりは少しだけ長持ちなようです。

Plusモデルのバッテリー持ちのアドバンテージは体感できるレベルで違うので、電池持ちが最重要項目の方であればiPhone 15 Plusの方を強くおすすめしたいです。

Dynamic Island採用でソフトウェアの使い心地も快適に

iPhone 15では、iPhone 14シリーズではProモデルに限られていた「Dynamic Island」が全モデルに拡大。通常モデルにおいても画面上部のインカメラ・センサー類のための切り欠きが排除され、ピル型の穴が画面上部中央をくり抜くように配置されました。

これにiOSのソフトウェアが組み合わさる事によって画面上部のリッチな通知領域・ウィジェット領域として機能し、従来のiOSと比べるとソフトウェア体験がより心地良く感じる内容となっています。iOSの音楽再生やタイマー、ボイスレコーダーといった機能を使う際に画面上部で状態を確認したり素早く操作したりといった事が可能になり、日常のちょっとした操作が楽に行えます。

Face IDのアニメーションもDynamic Islandに統合され、黒い「島」が拡大する心地よいアニメーションで顔認証が実行されます。物理的な画面上の穴であるはずのDynamic Islandが、まるで穴自体が拡大・縮小しているかのように自在に動くアニメーションはiPhone 14 Pro登場時に驚かされましたが、今改めて見ても相変わらず凄い芸当だなと感じます。

初めてiPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxで登場してから1年間を経て細かいアップデートの積み上げでDynamic Islandのソフトウェアも細部の挙動が快適にブラッシュアップされており、今年Dynamic Islandデビューするユーザーはかなり快適になった状態で使い始める事ができるのも嬉しいところです。

また、昨年は6.7インチのiPhone 14 Pro MaxでDynamic Islandを体験してはいたものの、やはり6.1インチの通常サイズのモデルにDynamic Islandがあると指が届きやすく、より活用しやすいのはPlus/Maxより通常サイズの6.1インチモデルだと感じました。

USB-C採用により便利になった事

iPhone 15のアップデート内容として非常に注目度の高いLightning端子→USB-C端子への変更。充電ケーブルがMacBook・iPad・Android端末と共用できるのは当然ですが、他にも色々とメリットを感じたのでいくつか紹介します。

1. XREAL AIRのようなARグラス+ケーブル1本で映画が楽しめる

普通のメガネに近い感覚でARを楽しめる「XREAL AIR」は以前のLightning端子のiPhoneでも利用できましたが、バッテリーを内蔵する事でLightningから映像出力しつつARグラスを給電するための「Nreal Adapter」というボックスを別途用意する必要があり、荷物がやや多くなるのが難点でした。

iPhone 15はUSB-C端子を搭載、更に接続機器に対して4.5Wまでの電源供給も可能となっているため、XREAL AIRがUSB-Cケーブル一本でそのまま映像・音声の出力先として利用できるようになりました。

そのためARグラスを使う際に「ボックスを事前に充電」「ボックスを一緒に持ち運ぶ」という手間を掛ける必要がありましたが、USB-C採用によってどちらも不要に。グラス1つ、USB-Cケーブル1本さえ持っていけばポケットに入る荷物でどこでもシアター環境を楽しめるようになりました。

特に飛行機などの長時間移動では非常に重宝するアイテムなので、機内に持ち込めるコンパクトな荷物にXREAL AIRひとつ入っていると手間無く移動時間を楽しめておすすめ。サングラスひとつ持ち運ぶ感覚でARが持ち運べるので、旅に最適です。

iOSはメディア再生周りの仕様から、出力先にのみ映像を出してiPhoneの画面上は再生操作のみ表示したり、映像出力している最中に画面をロックして再生操作を行う事も可能なので、同様にUSB-C搭載のAndroid端末と比べてもARグラスを用いたメディア鑑賞体験が快適。特に飛行機で移動中に周りの人にミラーリング中の画面が丸見えにならず映像を鑑賞できたり、画面の光が気になる夜間にARで映像を楽しんだりといったシーンではiPhoneの映像出力の快適性が光ります。

2. コンパクトなカードリーダーが使える

以前もLightning端子に接続できるカードリーダーはApple製・社外品ともに選択肢はありましたが、USB-Cになると製品の選択肢が劇的に広がります。個人的に嬉しかったのが、以前から愛用しているAnkerの超小型のUSB-Cカードリーダーがそのまま使える事。これによってミニマルな荷物でもカメラの写真を簡単にiPhoneのAdobe Lightroomに取り込む事ができるようになりました。

iPhone 14まではApple純正のLightning – SDカードカメラリーダーを使っていましたが、これとAnkerのUSB-Cのリーダーではサイズの差は歴然。小型化したいなと常々思っていたので、USB-C化という形で実現したのは嬉しいところです。

もちろんUSB-CケーブルでiPhoneとカメラを直結して取り込む事も可能ではあるので、そちらのスタイルが良い方でも今回のUSB-Cの恩恵は受ける事ができます。個人的には出先で大きなカメラを卓上に出さすことなく、カバンに入れたまま写真を取り込んで編集できるカードリーダーを用いた方法がスマートで気に入っています。

3. AirPods/Apple WatchがiPhoneから充電できる

iPhone 15から採用されたUSB-Cポートは4.5Wの電源供給が可能なので、AirPodsやApple Watchなどの周辺機器がiPhoneから充電できるようになりました。また第2世代AirPods ProはApple Watch充電器でも充電できるようになったので、USB-CのApple Watch充電器を一つ持っておけばiPhoneからApple WatchもAirPods Proも充電可能。いざという時に重宝する上、荷物もコンパクトに収まります。

iPhone 15本体はMagSafeでも充電可能なので、コンパクトにまとめて充電したい時にも捗ります。

MagSafeアクセサリは相変わらず便利

iPhone 15は、iPhone 12から採用されているMagSafe規格に引き続き対応。マグネットで位置合わせして15Wの高速なワイヤレス充電ができるMagSafe充電器が使えるほか、iPhone 12、13、14と採用されてきた数年で選択肢が潤沢に広がったMagSafeマグネットを活用したアクセサリをそのまま使う事ができます。

以前レビューを書いたAnkerの薄型MagSafeモバイルバッテリー「Anker 621 Magnetic Battery」は今でも一番愛用しているMagSafeアクセサリで、ケーブルを持ち運ぶ事無くミニマルな持ち物でiPhoneのバッテリーを延命できるお気に入りアイテム。

自宅での充電はBelkinの3in1充電器、車移動は同じくBelkinのMagSafe車載ホルダーでケーブルを接続せず充電できるので、ほぼ100%ワイヤレス充電で完結しており充電に有線端子を使わない事からiPhone 14以前→15の移行もスムーズでした。

iPhone 14 Pro譲りの性能でゲームも快適

iPhone 15は、iPhone 14 Proで採用されていたA16 Bionicチップを搭載。処理性能的には昨年のPro相当を引き継いでおり、3Dグラフィックを用いたゲームも快適です。

実際「原神」をプレイしてみると、デフォルト設定(高)は快適。設定からフレームレートを30→60に上げると負荷の高いシーンではフレームレートの落下が確認できるものの、他の設定項目を調整する事で安定して60fpsでプレイする事ができました。

またバトロワ系タイトルの「Farlight 84」も試してみましたが、こちらも一戦を通して特に引っかかり無く最後まで快適にプレイする事ができました。

Geekbench 6で処理性能のベンチマークを計測してみると、数値としても同じA15 Bionicを搭載した昨年のiPhone 14 Pro Maxに近いものが出ており、A14 BionicのiPhone 14 Plusよりも一回り大きな数字を記録しています。

120Hzのディスプレイを搭載したProモデルのように高フレームレートでゲームを動かす必要も無いので、本当に性能としては十分に感じます。

iPhone 15で使っているケース&フィルム

1. SwitchEasy超薄型ケース

iPhone 15は手触りの良さから9割ケース無しで使っていますが、どうしても傷が心配なシーンには使用感を損なわない程度の最低限のケースが使いたいと思い、SwitchEasyの超薄型ケースを購入しました。

これは7gという超軽量の薄型ケースでありながら、ボタン部分は独立した立体形状で、本体の持ちやすさとボタンの押しやすさを両立しています。さらさらとしたマットな質感はiPhone 15の雰囲気を崩す事無く、とても良く馴染んでいます。

価格も1,780円とリーズナブルで、落下時の衝撃からの保護性能に重点を置かず、あくまで傷から保護するためと割り切れるのであればおすすめのケースです。

2. NIMASOガラス製保護フィルム(黒縁付き全画面モデル)

iPhone 15シリーズは購入から1日で画面に擦り傷が入ったという報告もSNS上でいくつか見たので、やはり保護フィルムは必須アイテム。普段使いの操作性の良さからガラス製のものにするのは決まっていましたが、iPhone 15は昨年のiPhone 14と違い、画面端がラウンドしているガラスを採用。

そのためiPhone 11以前のように縁無しのガラス製のものを選ぶとカバーできる領域が狭くなってしまうのですが、iPhone 12〜14の間はフラット形状だったため忘れていて今回は完全にそれが盲点となり、NIMASOの縁無しガラスを選んでしまい、貼り付けてから余りの外周の余白に後悔。写真のとおり、かなり外周にスペースを残したサイズとなっています。

そこで改めて買い直したのが、NIMASOの黒縁ありの全面保護タイプ。外周に黒縁パーツを追加することで、外周の湾曲に対応したモデルです。

貼り付けてみるとその差は歴然。かなりエッジに近付く事ができ、端からのスワイプ操作なども非常に快適になりました。内側はiPhone 15のディスプレイの表示領域ギリキリまで黒縁があるので位置合わせがズレると覆い被さってしまうので難しさはあるものの、ガイド用のフレームが付属して合わせやすくなっています。

iPhone 15のデメリットを確認

続いて、iPhone 15のデメリットが実際に使っていてどう感じるかに触れていきます。

1. 画面が120Hzではなく60Hzどまり

Dynamic Islandという大きな特徴がProだけのものでは無くなり、画面輝度もPro同様に屋外で見やすい明るさを実現しているiPhone 15において、残された画面上のProとの差別化の大きな点はフレームレート。iPhone 15は未だ60Hzのディスプレイを採用しており、iPhone 15 Proの120Hzの半分のままとなっています。

124,800円スタートという比較的高額側の価格帯を考慮すると、Androidでは120Hzが当たり前になる金額でありながらProとの差別化要素として60Hzの上限が残され続けているのは、市場を見渡すと価格不相応なポイントに見えます。Androidも併用している方であれば、このフレームレートの落差は気になる所かもしれません。

ただ一方で、60HzのiPhone 15のディスプレイは一台だけで普段使いしている分には全く気にならず、もたついている印象は全く受けません。何台もスマホを持っている方は気になるかもしれませんが、現在の私含め、iPhone一台を持ち歩いて生活している方であればこの点に不快感を感じる事はまず無いのではないかと思います。

余談としてモバイルゲーマー的な視点で言えば昨年までであればApex Legends Mobileのために高フレームレートが欲しかった所ではありますが、残念ながらiPhone 15発売前に短命にサービス終了してしまったので、個人的にはiPhoneのゲーム用の高フレームレートのニーズは無くなってしまいました。同等にハマるタイトルが今後登場したらまた欲しくなるかもしれません。

2. 常時表示非対応で「スタンバイ」の時計が使えない

iPhone 15の画面がProと比べて差別化されているもう一つの点が、常時表示。

iOS 17の新機能で、iPhoneを横向きにセットして充電するとスタンバイ機能で横画面の置き時計的UIを使う事ができますが、Proのような常時表示機能を搭載しないiPhone 15は一定時間だけ操作でき、その後は画面が消灯してしまうためこの機能を最大限活用する事はできません。

機能としては素晴らしく、Proモデルの高度なカメラ機能は必要無い一般ユーザーでも毎日の充電中に十分便利に使える機能だけに、常時表示でフルに使えるのがProユーザーだけなのは純粋に残念なところ。

3. 転送速度がUSB 2.0の480Mbpsどまり

iPhone 15はLightning時代のA16 Bionicチップを使っている事もあり、USB 2.0の最大480Mbpsの有線データ転送速度に縛られています。ただ現在の環境ではiPhoneのバックアップもWiFi経由で、普段iPhoneを使う中でデータ転送はほぼ100%ワイヤレス。たまにPCが無い環境でカメラの写真を取り込む時ぐらいしか有線のデータ転送は行いません。

そのためほとんど使わないUSB 2.0の速度の制約自体は気にならないだろうと思っていたのですが、この速度の制約もあってか塞がれていると思われるのが、iPhone 15 Proシリーズのみ対応する動画撮影時の外部ストレージへの録画機能。この機能に関しては個人的にかなり可能性を感じており、ストレージの小さなiPhoneでも大容量外部ストレージを活用して長時間撮影ができるビデオカメラとして活用できるため、これが通常のiPhone 15では使えないのは残念。

それこそ「Pro」モデル向けの機能だと言われればそれまでなのですが、1年後2年後iPhone 15が型落ちになって新型に乗り換える際、最小容量のiPhone 15でも外部ストレージへの録画が出来れば動画撮影機材としての転用の可能性が大きく広がったのではないかと思いました。

とは言いつつも、現実的に大容量の動画を頻繁にiPhoneで撮影してPCに転送したりといった使い方をする方であればProモデルに行くであろう事を考えると、実際にiPhone 15がUSB 2.0で困る方はかなり少数派なのではないかと思います。昨年のA16 Bionicを採用する事で価格が抑えられているメリットの方が、A16 Bionicを採用してUSB 2.0どまりになっているデメリットよりも明らかに大きいと感じます。

4. 望遠レンズが無い

iPhone 15 Proには3倍、iPhone 15 Pro Maxには5倍の望遠レンズが搭載されていますが、iPhone 15とiPhone 15 Plusは広角・超広角の2つのレンズしか搭載されていません。ただ一方で、その点を補うポイントとして今回のiPhone 15では昨年のProに搭載された4800万画素の高画素な広角カメラと、その中央から1200万画素を切り抜いて2倍望遠カメラとして扱う機能が降りてきています。

正直なところ昨年3倍望遠のレンズのついたiPhone 14 Pro Maxでも一番使っていた画角は2倍でしたし、当時から「2倍さえあれば3倍以降はそれほど必要無い」と感じていたので、iPhone 15に3倍以上の望遠を担う物理的な望遠レンズが搭載されていないのは個人的にあまり不便に感じませんでした。

またレンズを2本に絞る事で本体重量が軽くなっており、トータルでiPhone 15 Proより16gも軽い事を考えると、むしろ使わない望遠レンズを省いて軽くなっているのはメリットとすら感じます。

iPhone 15は例年以上に「Pro」を食いそうな標準モデル

iPhone 15を実際に使ってみて、これ一台で生活してみて感じたのは、このiPhone 15という機種は例年以上に上位モデルのiPhone 15 Proを食いそうな新しい標準モデルだという事でした。

2020年に登場したiPhone 12では従来低解像度な液晶を採用するなど廉価版の印象が強かったiPhone 11から一変、iPhone 12とiPhone 12 Proの差が大幅に縮まり『今年は「Pro」じゃなくても良いかも。』とレビューしたほど印象が改善したのですが、そこから数世代のブラッシュアップを経た今回のiPhone 15では「今年はProじゃなくても良い。」と言える出来に仕上がったと感じました。

iPhone 12以降、Pro系の上位モデルと併用して小型軽量のためにiPhone 12 mini・iPhone 13 mini、軽量大画面と電池持ちのためにiPhone 14 Plusを使ってきましたが、その中で一貫して不満に感じていたポイントが「望遠カメラが無い」という事。

個人的に1.5倍〜2倍辺りの画角を最も良く使うのでこれらの機種では仕方なく広角カメラからのデジタルズームをしていましたが、主な投稿先がTwitter(現X)や24時間で消えるカジュアルなInstagramストーリーズという事でそれほど拡大して見られる事も無いし問題無いなと思う一方で、写真のディテール感には完全には満足できないモヤモヤはうっすら残っていました。

iPhone 15ではカメラのアップデートでこのモヤモヤが完全に払拭されたどころか、新たに搭載された2倍望遠ではポートレートモードも劇的に使いやすく楽しいカメラに仕上がっており、全体像を見ると例年の標準モデルに続きファッショナブルなカラーリングや軽量なボディに加え、Proモデル譲りの高画素&センサー中央を使った2倍望遠、Dynamic Islandも追加され、例年の上下モデル両方の良い部分を良いバランスで掛け合わせた理想的なハードウェア構成になったと感じました。

欲を言えば選択肢としてこのカメラを搭載したiPhone 15 miniが欲しかったと思いますが、持ちやすく扱いやすいスタンダードなサイズ、大画面と卓越したバッテリー性能を持ったPlusのサイズの2択というのはコンテンツ消費が活発な現代のニーズに合ったものとも言えます。特にPlusに関しては14で一年使って十分に実力を感じられたモデルなので、電池持ちを最優先するユーザーには特に強くおすすめできる選択肢です。

大部分のユーザーが満足できる高い水準を満たし、更にProモデルに対して「軽さ」「電池持ち」といったアドバンテージも持っているiPhone 15/iPhone 15 Plus。個人的にも「今年はProではなく普通のiPhone 15で良い」という結論に落ち着いて、質感・機能ともにとても満足して使っているので、今までProモデルを使ってきた方でも是非検討してみてほしいなと思います。

iPhone 15はApple公式サイトで124,800円から、iPhone 15 Plusは139,800円から購入可能。また、各種大手通信キャリアやAmazonなどでも購入可能となっています。購入は以下のリンクから。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。