AQUOS PHONE si SH-07Eはドコモ夏モデルの中でも最小の4.3インチクラスでありつつも、F値1.9の1310万画素カメラや最新CPUのSnapdragon 600、NFCやNOTTVなどを搭載したハードウェア的もハイスペックな機種です。発表当時もフォトレビューを書きましたが、しばらく使ってみたので改めて詳しくレビューしたいと思います。
59mmの細さに4.3インチHDディスプレイ
前モデルのAQUOS Phone si SH-01Eの59mmの幅を維持しつつも、4.1インチから4.3インチに大画面化。ベゼルがかなり狭くなっており、本体の端から端ギリギリまでがディスプレイになっています。解像度もqHDの960×540からHDの1280×720になり、オンスクリーンキーが物理キーになったことで画面を大きく使えるようになりました。
解像度だけを見ると5インチの1920×1080のFullHD解像度ディスプレイを搭載した大画面モデルが多い夏モデルですが、実際触ってみると4.3インチのサイズに搭載する解像度としては1280×720のHDで十分といった印象です。
iPhone 5と比較すると本体サイズはほぼ同じなのに対して、画面サイズはしっかり4.3インチ(iPhone 5は4インチ)を確保している事がわかります。
F値1.9・1310万画素のカメラ
小型モデルながら1310万画素F値1.9のカメラを搭載しており、接写で綺麗に背景がボケてくれます。ロック画面からの起動や、ボリュームキーでシャッターを切る事もできるようになっており、取り回しやすいサイズもあってスマートフォンのカメラとしての使い勝手は良好です。
音楽再生用のチップセットを搭載
Wolfson社の次世代音声処理LSIを搭載しており、公称60時間以上の音楽再生が可能に。長時間再生モードの他、ギャップレス再生も可能。Bluetoothオーディオの高音質コーデックであるaptXにも対応し、ワイヤレスで高音質な音楽再生も可能に。また、32GBの内蔵ストレージを搭載しているため音楽ライブラリを本体にたっぷり保存でき、付属のMediaJetを使えばPCとワイヤレスに音楽を同期できます。
災害時にも活躍する省電力機能の「エコ技」
AQUOS Phoneシリーズではおなじみの省電力機能「エコ技」は各種設定の調整だけでなく、各アプリの通信を個別に制御する事でバッテリーライフを延ばす事ができます。また、緊急地震速報を受信した際は上記のスクリーンショットのようにエコ技機能のオンを促す通知が表示されたりと、国産スマートフォンならではの気遣いが感じられます。
2100mAhの大容量バッテリーを搭載しつつも画面サイズが他の大画面モデルと比べると電力をあまり消費しない小型の4.3インチであったり、S-CG Silicon液晶を搭載する事でIGZO同様に静止画表示時に転送を停止する省電力テクノロジーが内蔵されていたり、上記で述べた音楽の長時間再生が可能なチップセットが搭載されていたりと、好条件が重なっている事もあり、バッテリー持ちはとても良い機種です。
NFCロック解除
NFCタグを登録してロック解除ができる機能を独自に搭載。キーホルダ型NFCタグなどのNFCアクセサリを登録しておく事で、タグに本体をかざすだけでロック解除ができます。NFC対応機が増えるにつれてアクセサリも増えているので、好きなロック解除用のアイテムを選ぶ事ができる楽しみがあります。
イルミネーションによる通知
iモードケータイの頃の機種を思い出させるような、綺麗なイルミネーションによる通知ランプを搭載。イルミネーションの色はカスタマイズできます。SH-07Eのカラーバリエーションはオレンジ・ホワイト・ネイビーの3色展開ですが、このホワイトは最もイルミネーションが映える本体色なのではないでしょうか。
押しやすい電源ボタン
上部のスリープキーは小さな本体サイズの恩恵で押しやすいだけでなく、ボタン自体の形状も独特で押しやすい指が引っかかる形状をしています。
総評
機能としておサイフケータイ、NFC、ワンセグ、モバキャス放送のNOTTV、赤外線、防水などを全てカバーしており、スペックとしても32GBの大容量ストレージ、2GBのRAM、クアッドコアCPUのSnapdragon 600 1.7GHzと申し分無く、CPUに関しては“ドコモのツートップ”の一角のXperia Aが採用しているSnapdragon S4 Proより一世代新しいものをであったりと、小型機ながらもフラッグシップ機に劣らない性能の機種に仕上がっています。
小型で取り回しやすいボディに高画質なカメラや長時間再生できるオーディオプレイヤーを詰め込んでいるため普段使いの1台としての使い勝手がよく、長時間オーディオプレイヤーとして使いながら移動中にFeliCaで電車の改札を通ったり、防水機能が必要な水場で使えたりと、通話しやすいサイズであったりと、トータルで携帯電話として見た場合の機動力は抜群です。
一方でディスプレイの解像度は1280×720で物理的なサイズも4.3インチしかないため、当然ながら他の大型機種と比較した場合迫力に欠けてしまいます。また、ワンセグとNOTTVの視聴にはボディが小さいために付属の外付けアンテナケーブルを装着する必要があったりと、動画鑑賞機としてはやや力不足な感じが否めません。
ただ、小型のサイズに一通りの機能とスペックが詰め込まれたバランス感は夏モデルの中でもオンリーワンで、持ちやすい小型の最新モデルを探している方には強くおすすめできる一台です。