海外のSIMフリースマートフォンを取り扱っているEXPANSYSさんより、日本に先駆けていち早く海外で発売されているZenFone 2の実機を貸し出していただけたのでレビューしていきます。
外観
ZenFone 2はASUSのSIMフリースマートフォン。5.5インチのFullHDディスプレイを搭載しつつも、2万円台の低価格から入手可能。今回貸し出して頂いたストレージ32GB、メモリを4GB搭載したモデルも35,985円で購入可能で、非常にコストパフォーマンスの高いスマートフォンです。日本でもY!mobileや他のMVNOからの投入も告知されています。
背面には2つのSIMスロットとmicroSDスロットを搭載。1つ目のSIMスロットは4G/3G/2G対応な一方で、2つ目のSIMスロットは2Gのみ。国内では2Gは利用できないため、海外渡航時に国内のSIMを2Gのスロットに搭載しローミング、1つ目のスロットには現地のスロットSIMを挿入してLTE/3Gでデータ通信といった使い方が主な活用方法となりそうです。
ベンチマーク
ZenFone 2はCPUにIntel Atom Quad Core Z3580 (2.3GHz), PowerVR G6430を採用し、RAMは4GBの大容量ということですが、実際にAnTuTuベンチマークを走らせた結果は上記のとおり。3万円台の機種としてはGalaxy Note 4に迫る数値は健闘しているのではないでしょうか。
キーのカスタマイズ
右下のマルチタスクキーは設定の「ASUSカスタマイズ設定」からカスタマイズ可能で、長押しでメニューキーを発動したり、スクリーンショットを撮影したりすることができます。物理キーが背面、電源ボタンが上部にあるため、スクリーンショットをよく撮る方にはおすすめの設定です。
ジェスチャー
ロック画面からダブルタップでスリープ解除だけでなく、様々なジェスチャーにアプリを割り振る事が可能。ジェスチャーを覚えておく必要がありますが、直接アプリが起動できるのは良いですね。
片手モード
画面を縮小する片手モードもしっかり搭載。ASUSカスタマイズ設定から「クイックトリガー」を有効にしておくことで、ホームボタンをダブルタップして発動する事ができます。こういった片手モードは大画面端末を発売しているメーカーの多くが採用している機能で珍しくはありませんが、後からユーザーが自分で入れられるアプリではこういった事はできないので地味に重要な機能なのではないでしょうか。
カメラ
カメラは様々なモードがプリインストールされており、サードパーティのカメラアプリが不要なほどにマニュアルフォーカスからエフェクト、GIFアニメやタイムラプス撮影まで一通り揃っています。
技適マークあり
今回お借りしたZenFone 2はグローバルモデルでもソフトウェア上で技適マークの表示に対応。電波法を遵守した合法的な利用が可能です。なお、LTEの対応バンド的には2100MHz(1)、1900MHz(2)、1800MHz(3)、1700/2100MHz(4)、850MHz(5)、800MHz(6)、900MHz(8)、1700MHz(9)、800MHz(18)、800MHz(19)、700MHz(28)ということなので、ドコモ網で使ってもメインのBand 1に加え東名阪のBand 3、LTEプラスエリアのBand 19が利用でき、auで使ってもBand 1とBand 18、SoftBankではメインのBand 1とイー・モバイルから吸収したBand 3、プラチナLTEのBand 8/28も使えるので、どのキャリアでも無難に使うことができそうです。なお、TD-LTE規格のBand 41で運用されているauのWiMAX 2+、SoftBankのSoftBank 4Gに関しては対応していないようです。
各種APNをプリインストール
docomoのmopera.netのAPNの他、IIJmioなどの主要MVNOのAPNをプリインストール。Y!mobileのAPNも入っているようで、挿入されるSIMのキャリアによってAPNが表示されるようになっています。なお、SIMカードは起動中に差し替えても強制的に再起動せず、ホットスワップに対応しているようです。
4GBのRAM
最下位モデル以外は4GBのRAMを搭載しているため、通常時はRAMが2GB以上空いている状態となっています。ただ、「モンスタースペック」かと言われるとそれほど体感出来るレベルの差では無いかもしれません。4GBモデルも2GBモデルも双方コストパフォーマンスの高い機種で悩ましいところですが、個人的には下位モデルの2GBのRAMでも全く問題ないと思います。
総評
昨年MVNO用のSIMフリー端末として国内でもヒットしたZenFone 5からスペックは底上げされていながらも、価格は低価格を維持。ベースモデルでも2万円台、RAM4GB搭載モデルでも3万円台という事でコストパフォーマンスは前年以上のもとなっている事は間違いないでしょう。MVNO各社の提供する低価格SIMカードを「格安SIM」と呼ぶならば、対となる「格安スマホ」の看板を背負うデファクトスタンダードに相応しいモデルがこの「ZenFone 2」と言っても差し支えない機種に仕上がっています。
もちろん細部に目を向けると価格相応に安い部分も多く、先日写真で紹介したGalaxy S6やXperia Z4などの最先端で競っている最高級フラッグシップ機と比べると背面の偽の金属質感やベゼルの細さなど、比較すればするほど安いスマートフォンである事が見えてきます。とはいえ、そういった最上位スマートフォンの半額未満で性能的に近い物を実現していると考えると凄まじいコストパフォーマンスを誇る「格安スマホ」であることは明白。大手キャリアと決別してMVNOを選ぶユーザーにとっては決定打になるモデルとして不足はない一台と言えます。
海外版は国内版と比べてかなり低価格
国内に投入されるZenFone 2はRAM2GB/ROM32GBが35,800円、RAM4GB/ROM32GBモデルが45,800円、RAM4GB/ROM64GBモデルが50,800円。これに対してExpansysで販売されているグローバル版はそれぞれ26,780円、35,985円、42,890円と、モデルによっては1万円近く安く手に入れることができます。送料が別途かかるものの、それを加味しても価格差は大きいので輸入という選択肢はおすすめです。
早速売れ行きも好調のようでExpansysでの在庫状況は今のところ入荷待ちのものも多く、記事公開時点では4GB/32GBモデルのシルバーが3個、2GB/16GBのレッドが4個となっています。