先日Apple Storeで販売開始されたApple SIMを購入し、ドコモ版iPad Air 2で使ってみました。
こちらがApple SIM。Apple Storeの店頭にてスタッフにお願いすると、裏から在庫を出してきてくれます。価格は税抜600円。おさらいとして、Apple SIMはiOSから契約情報を書き込めるタイプのプリペイドSIMで、世界各国で利用できるいわゆるジョーカーのようなSIMカード。対応する機種はiPad mini 3、iPad mini 4、iPad Air 2、iPad Proのセルラー版。国内ではauの「LTEデータプリペイド」に対応し、1500円で1GBの通信が可能となっています。また、仕組みとしてはiPadがSIMカードライターの機能を搭載しており、一度iPadで開通したSIMカードは他の機種にも流用可能となっています。
ただし今回はauのiPadではなく、docomoのiPadで使えるか検証してみました。
パッケージの中身は通常のSIM同様、クレジットカードサイズの台座にSIMカードが付いています。SIMサイズはnano SIM。
ドコモ版iPad Air 2で検証
今回検証に使用したのはドコモ版のiPad Air 2。改めて国内版のセルラー付きiPadのSIMロックの仕様をおさらいすると、SoftBank版・au版・docomo版ともに国内他社キャリアのみに対してSIMロックがかかっており、海外キャリアに対してはSIMフリー。そのためdocomo版であればSoftBank・au・Y!mobile以外のキャリアのSIMカードであればSIMロックに阻まれる事なく利用する事ができます。
するとSIMロックによるアクティベーション要求などは発生せず、そのまま設定アプリからモバイルデータ通信の設定が可能に。au版・SIMフリー版でApple SIMを使う際はauとGigSkyが表示されるものの国内ではGigSkyが利用できないというレビューが商用メディアでは書かれていますが、興味深い事にドコモ版に挿入すると「GigSky」「AlwaysOnline」の2つの通信事業者が表示されます。
それぞれの通信事業者の項目をタップして進むと料金プランが表示されます。GigSkyは「40MB/3日(1200円)」「125MB/7日(3000円)」「200MB/14日(4200円)」「500MB/30日(6000円)」の4つのプラン、AlwaysOnline Wirelessは「15MB/1時間(1.99ドル)」「250MB/15日間(17.99ドル)」などのプランが用意されています。まずはGigSkyから契約してみます。
キャリアを手動で選択した場合、NTT DOCOMO以外は圏外表示になってしまうため、GigSkyのNTTドコモローミングで接続している事がわかります。
AlwaysOnline Wirelessは利用不可
同様に日本の住所で登録してAlwaysOnline Wirelessを契約しようとしたところ、利用不可との表示が。
ドコモ版iPadではau版で利用できないGigSkyが利用可能
検証の結果、ドコモ版iPad Air 2ではau版では利用できないと報告されていたGigSkyのサービスが利用できました。一方でAlwaysOnline Wirelessは日本のアカウントでは開通不可、auデータプリペイドに関してはそもそも表示されませんでした。au版ではauとGigSkyが表示されるもののGigSkyは利用できないとの事だったので、キャリアによって使える業者・使えない業者が分かれているのは面白い結果となりました。
テザリングも可能
iOSのインターネット共有の項目はキャリアの設定によって無効化が可能となっていますが、Apple SIMとGigSkyの組み合わせでは特に制限もなく利用する事ができました。iPad一台あれば海外での通信回線をApple SIMにまとめることができそうです。
WiFi環境外でもローミング通信で開通が可能
今回検証していて気付いたのが、Apple SIMはWiFi環境がなくとも現地の通信事業者にローミング接続して開通手続きが行えるということ。海外現地でWiFiのないエリアであっても、iPadとApple SIMさえあればいつでもどこでも開通手続きが行えるのは非常に心強い仕様となっています。
続いて、Apple SIMをiPad以外の端末に挿入して検証してみます。