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iPhone 7 Plusデュアルカメラの作例11枚。ポートレートモードの被写界深度エフェクトの実力を試す

kirica

先日配信開始されたiOS 10.1パブリックベータ版にてiPhone 7 Plusに追加された「ポートレートモード」の被写界深度エフェクトを早速試してみました。


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ポートレートモードはiPhone 7 Plusに搭載された広角レンズ・望遠レンズを組み合わせて使う事で、被写体との距離を計測して背景をぼかす「被写界深度エフェクト」を適用できるモード。ベースとなる写真は望遠レンズを使ったものとなっており、広角レンズを被写界深度計測用に補助的に使う機能となっています。今回あまり天気には恵まれませんでしたが、いくつかのシチュエーションでポートレートモードを使って撮影してみました。

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飲食店の照明を撮影したところ。通常ではほとんどボケない後ろの壁の文字がボケており、印象的な写真になっています。

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カフェで頼んだドリンクを撮影してみたところ。広角レンズを使って被写体の被写界深度を計測してソフトウェアでぼかしている性質上、左側に写っている番号札のスタンドのように細い棒状の物はうまく被写界深度が計測できず、正確なぼかし効果が得られていない事がわかります。また、グラスの左上部分もグラスがぼかされてしまっており、うまく被写界深度が取れていなかったようです。

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スパゲティの皿を撮影したところ。食べ物が被写体の写真においては背景をぼかして主役をうまく引き立てており、効果的に使えそうです。また、先程のスタンドのような棒状の物もなく被写体の被写界深度が大きなブロックでまとまっているため、被写界深度エフェクトが的確に反映されています。こういった料理の撮影には向いているようです。

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やや薄暗い露店で撮影したところ。背景は綺麗にぼけていますが、光量の足りない環境で暗い望遠レンズ側で撮影していることから、ややノイズが目立つ写真になっています。

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喫茶店の看板を撮影したところ。背景の看板の「雅」の文字が水で滲んだような不自然なぼけかたをしている点が気になりますが、概ね綺麗で印象的な写真になっています。

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iPhone SEの店頭の展示機を撮影したところ。こういった形がはっきりしている被写体は特に不自然な点もなくボケてくれるようです。

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ギャラリーに展示されているコンセプトカーを撮影したところ。ポートレートモードは240cm以上離れた被写体に適用する事ができないため、自動車のような大きな被写体だと全体を収める事ができない点が残念。とはいえヘッドライトを切り出したカットとしては被写体がうまく浮かび上がっていて、効果的なエフェクトになっています。

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自動車のカットをもう一枚。やはり大きな被写体を撮影する場合はこのようにワンポイントで切り抜いて撮る使い方に限られそうです。

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車のエンジンのようなメカを撮る場合にも被写体をはっきりさせられて良いかもしれません。

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ポートレートモードという名前だけに、人物を撮影した写真は被写体を明確に際立たせて効果的な写真を撮影する事ができます。ただ望遠レンズは光学手ブレ補正を搭載していないため、手ブレには注意が必要です。

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最後にデザート。食事を撮影するモードとしても非常に効果的な印象ですが、望遠レンズで撮影する特性上、あまり寄って撮影できない点が悩ましいところ。計測してみたところ、寄れるのは実測約35cm程度が最短といったところでした。

注意点

今回撮影していて気付いたiPhone 7 Plusのポートレートモードを使う上での注意点をまとめると、以下の通り。

1. 望遠レンズの最短撮影距離(実測35cm程度)より手前は撮影できない
2. 同様に、240cmより遠いと撮影できない
3. 望遠レンズは光学手ブレ補正を搭載しないため、手ブレに弱い
4. 暗い場所では被写界深度が利用できない
5. Live Photos(動画の撮影音)が使えないため、シャッター音が大音量
6. 被写界深度エフェクトは静止画のみ、動画は現状非対応

まず注意しなくてはいけないのが、ポートレートモードが使えるのはピントを合わせる被写体がカメラから約35cm〜約240cmの間の場合のみ、という点。遠くのものを撮影して背景をぼかしたり、近くのものを撮影して背景のぼかしを強調したりといった使い方はできないため、絶妙な距離感の範囲の中で撮影する事を強いられます。

また望遠レンズ側は光学手ブレ補正を搭載しないため、望遠レンズを撮影用に使うポートレートモードでは光学手ブレ補正が反映されません。また、極端に暗い場所では被写界深度を取得してぼかす機能自体が利用できないため、あまり暗所に強い機能とは言えないところ。ある程度十分に光量のある環境で使う機能となっています。

iPhone 6s以降は静止画の前後の動画を一緒に保存する「Live Photos」機能を使えばシャッター音が静止画のものではなく動画の「ポン」というやさしめの音になっていましたが、ポートレートモードはLive Photosに非対応のため、日本モデルに関してはiPhone 7 Plusのステレオスピーカーで大音量になった静止画のシャッター音が強制的に鳴り響きます。現状iOS 10のバグを利用した裏技でシャッター音を無音化する事ができるものの、このバグがアップデートで修正されてしまった場合は大音量のシャッター音のため使うのを躊躇する機能になるかもしれません。

最後に、被写界深度エフェクトは現状静止画のみ対応。動画で背景をぼかした映像を撮影する事は現状では出来ないようです。デュアルカメラで撮影する被写界深度エフェクト動画に期待していた方は注意が必要です。


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今回iPhone 7 Plusのデュアルカメラを使った新機能「ポートレートモード」に絞って作例を撮影してみましたが、感想としては予想以上の出来といったところ。2つのレンズで被写体との距離を計測してぼかし効果をソフトウェア処理する機種はファーウェイやHTCが既に発売していますが、それらと比べてiPhone 7 Plusの被写界深度エフェクトは頭一つ抜けた完成度といった印象を受けました。大きな違いとしては望遠レンズを主軸に使っているため、被写体との距離や構図が限定されてしまう事をトレードオフに、非常に効果的な写真が撮れるといったところでしょうか。

なお今回の作例は全てβ版である「iOS 10.1 Public Beta」に含まれているβ版のポートレートモードで撮影したものとなっており、正式版では仕様が変わる可能性があるのでその点はご了承を。

ポートレートモードを使う前の時点のファーストインプレッション記事でも望遠レンズがある点が楽しいと書きましたが、デュアルカメラを搭載した事で今回の作例のような今までスマートフォンで撮れなかった写真が撮れるのは非常に楽しく、このカメラのためだけにiPhone 7ではなくiPhone 7 Plusをおすすめしても良いほどだと思います。まだ発売から日も浅くPlusの方の在庫は少ないようですが、デュアルカメラという大きな付加価値がある今年のiPhoneは是非Plusを選んでみて欲しいところです。

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