iPhone 16e、16、15を比較しつつ解説。16eは社用スマホとして最適

新しく登場したiPhone 16eを、既存のiPhone 16、iPhone 15と比較してそれぞれのメリットとデメリットを整理してみました。


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iPhone 16eは2025年2月28日から発売される、iPhone 16シリーズのエントリーモデル。iPhone 16から様々な部分を省略する事によって価格を抑えた機種となっており、現在のiPhoneのラインナップの中で最も安い99,800円からという価格になっています。

安価なモデルを購入検討するとなると、発売から時間が経過して安く流通し始めたiPhone 16や先代モデルのiPhone 15との性能差が気になってくるところ。

本記事では3機種の主なスペック上の違いを表で比較しつつ、それぞれの機種を選ぶ際のメリット・デメリットを個別に確認していきます。

3機種の比較表が以下のとおり。


iPhone 16e

iPhone 16

iPhone 15
プロセッサ A18 A18 A16 Bionic
CPU 6コア 6コア 6コア
GPU 4コア 5コア 5コア
画面サイズ 6.1インチ 6.1インチ 6.1インチ
解像度 2532×1170 2556×1179 2556×1179
最大輝度 800ニト 1,000ニト 1,000ニト
ピーク輝度(HDR) 1,200ニト 1,600ニト 1,600ニト
ピーク輝度(屋外) 2,000ニト 2,000ニト
Dynamic Island 非対応 対応 対応
メインカメラ 48MP 48MP 48MP
2倍望遠 搭載 搭載 搭載
超広角 搭載 搭載
マクロ撮影 対応
ストレージ 128/256/512GB 128/256/512GB 128/256/512GB
Apple Intelligence 対応 対応 非対応
UWB 搭載 搭載
DP出力 非対応 対応 対応
カメラコントロール 搭載
アクションボタン 搭載 搭載
重量 167g 170g 171g
WiFi WiFi 6 Wi-Fi 7 Wi-Fi 6
Thread 対応
C1モデム 搭載
1.5GHz帯 対応 対応
ビデオ再生 最大26時間 最大22時間 最大20時間
ワイヤレス充電 最大7.5W
Qi
最大25W
MagSafe
最大15W
MagSafe
価格 99,800円〜 124,800円〜 112,800円〜

概ねiPhone 15→16が順当なスペックの底上げとなっており、iPhone 16→16eはそこから付加価値的な部分を省いてコストダウンした形となっています。続いて、具体的にそれぞれの項目を解説していきます。

3機種の個別項目の比較

1. iPhone 15のみチップが2世代遅れ

iPhone 15はA16 Bionicを搭載しており、他2機種のA18と比べて2世代古いものとなっています。

処理性能が変わってくるのは勿論ですが、それ以上に大きく影響してくるのがAppleの提供するiOSのアップデート配信期間。iPhone 15はA16 Bionicを採用しているため、単純計算でiPhone 16と16eはA18と比べると約2年サポートされる期間が短いと考えられます。

買い替えず長く使いたい場合、iPhone 15は避けるべきでしょう。

2. iPhone 16eのみGPUが4コア

iPhone 16eはiPhone 16と同じくA18チップを搭載していますが、GPUが5コアから4コアに落とされており、グラフィック性能が抑えられています。

iPhoneで3Dグラフィックのゲームを快適に遊びたい場合、iPhone 16eは避けるべきでしょう。

3. iPhone 16eのみ解像度が若干低め(ベゼルが太い)

iPhone 16e・16・15は同じ6.1インチの画面サイズとされていますが、iPhone 16eのみ解像度2532×1170となっており、他の2機種の2556×1179より若干少なめとなっています。これはiPhone 16eの画面周りの額縁(ベゼル)が若干太くなっている事に起因しているようです。

実用性に対してそこまで大きな影響は無いレベルの差ですが、ベゼルが気になる方はiPhone 16eは避けるべきでしょう。

4. iPhone 16eのみ最大輝度は暗め

iPhone 16eは最大輝度が800ニトとなっておりiPhone 16/15の1,000ニトよりも暗く、更にiPhone 16/15のように屋外で2,000ニトまで明るさを上げる機能も搭載されていません。そのため日差しの強い屋外で使う場合は画面の見やすさで劣る場合があります。

屋外での見やすさが重要な場合、iPhone 16eは避けてiPhone 16あるいは15を選ぶべきでしょう。

5. iPhone 16eのみDynamic Island非対応

iPhone 16eは画面上部が通常の切り欠きとなっており、iPhone 16とiPhone 15で採用している画面中央の島状のカメラ・センサー群のDynamic Islandを搭載していません。

ソフトウェアとハードウェアが綺麗に統合されたDynamic Islandを体験したければ、iPhone 16やiPhone 15を選ぶべきでしょう。

6. iPhone 16eのみ超広角カメラ非搭載

iPhone 16eはシングルレンズのカメラとなっており、iPhone 16やiPhone 15に搭載されている超広角カメラが搭載されていません。そのためiPhone 16eは超広角の画角の写真・動画が撮影できないだけでなく、2つのカメラの差分を活用した次世代のポートレートモードやシネマティックモードを利用する事ができないほか、超広角カメラを利用したアクションモードにも対応していません。

カメラの撮影バリエーションが欲しい方はiPhone 16eは避けるべきでしょう。

7. iPhone 15のみApple Intelligence非対応

iPhone 15は世代の古いA16 Bionicチップを搭載しているため、Apple Intelligenceの対応要件を満たしていません。Apple Intelligenceは2025年4月から日本語でも提供予定となっており、提供開始後にApple製のAI機能を活用したい方はiPhone 15は避けるべきでしょう。

8. iPhone 16eのみUWB非搭載

iPhone 16eはUWB(超広帯域無線、Ultra Wide Band)が省かれているため、AirTagで詳細な位置を探す機能などが利用不可となっています。

家の中でよく物を失くして探している方はiPhone 16eではなくiPhone 16や15を選ぶべきでしょう。

9. iPhone 16eのみDisplayPort出力に非対応

iPhone 16eはUSB-C端子からのDisplayPort出力に非対応。XREAL AirシリーズなどのUSB-Cで映像を出力して楽しめるARグラスを使いたい方などはiPhone 16eは避けるべきでしょう。

10. iPhone 16のみカメラコントロール搭載

シャッターキーのように使え、指をなぞらせて様々なカメラ操作が使えるカメラコントロール機能が搭載されているのは3機種のうちiPhone 16のみ。カメラ利用時により幅広い操作ができる物理ボタンが欲しい方はiPhone 16を選ぶべきでしょう。

11. iPhone 15のみアクションボタン非搭載

iPhone 15はアクションボタンではなくスライド式の消音スイッチを搭載しています。消音の切り替え以外にも様々なショートカットを設定して活用したい方はiPhone 16e・iPhone 16を選ぶべきでしょう。

12. iPhone 16eが167gと最軽量

3機種の重量はiPhone 16eが167g、iPhone 16が170g、iPhone 15が171gとなっています。地味ながらiPhone 16eは最軽量となっており、普段使いのスマホに軽さを求める方はiPhone 16eがおすすめです。

13. iPhone 16のみWi-Fi 7対応

iPhone 16はWi-FI 7に対応していますが、iPhone 16e・iPhone 15はWi-Fi 6どまりです。自宅でWi-Fi 7対応の最新ルーターを導入しており、その通信速度の恩恵を受けたい方はiPhone 16を選ぶべきでしょう。

14. iPhone 16eのみC1モデムで長い電池持ちを実現

iPhone 16eは自社製のC1モデムを通信用に搭載しており、iPhone 15の20時間、iPhone 16の22時間を大幅に上回る最大26時間のビデオ再生時間を実現しています。

そのため電池持ちを優先したい場合、iPhone 16eを選ぶべきでしょう。

ただしC1モデムは1.5GHz帯の通信に対応していないため、日本の通信キャリアで利用する場合はエリアが一部狭まる可能性があります。

15. iPhone 16eのみMagSafe非対応

iPhone 16とiPhone 15はMagSafeというマグネットのアクセサリ装着機構&高速なワイヤレス充電を搭載していますが、iPhone 16eは非対応で、通常のQiのワイヤレス充電となっています。

iPhone 16は25W、iPhone 15は15WまでのMagSafeワイヤレス充電に対応している一方、iPhone 16eは7.5Wでしかワイヤレス充電できないので、ワイヤレス充電を短時間で済ませたい方はiPhone 16eは避けるべきでしょう。

なおMagSafeアクセサリの活用だけで言えばiPhone 16eをMagSafeアクセサリに装着できるマグネットリングを搭載したケースは既に発売されているので、充電速度は不要でアクセサリのエコシステムを活用したい方はそういったアクセサリを使うと良いでしょう。

iPhone 12以降採用されたMagSafeは年月を経て便利なアクセサリが十分に充実しており、先日レビューしたMOFT七変化マルチスタンドESRの車載充電ホルダーなどエコシステムが揃っているので、アクセサリまで揃えて便利に使いたい方は是非確認しておくべきポイントです。

中古・新古品の相場

iPhone 15の中古品・新古品相場

iPhone 15はイオシスにて中古が87,800円〜、新古品が102,800円〜となっており、新古品がiPhone 16eの新品価格の99,800円にに近い相場となっています。割安なiPhoneを探しており、予算を抑えつつも超広角カメラやAirTagの詳細な位置の探索機能が使えると便利でApple Intelligenceは特に必要無しという方であればiPhone 15の新古品はおすすめです。

iPhone 16の中古品・新古品相場

iPhone 16はイオシスにて中古が112,800円〜、新古品が119,800円〜となっています。新品の124,800円と比べてそれほど大幅には価格差が開いていないため、まだ新品が強く中古・新古品の旨みは少ない時期かもしれません。

iPhone 16eはシンプルに長く使いたい方におすすめ

iPhone 16eは屋外で見やすい画面・UWBを使ったAirTag追跡・超広角カメラ・MagSafe・映像出力などの付加価値的な機能は削ぎ落とされているものの、長期のアップデートが期待できる最新のA18チップ、自社製C1モデムによる長時間の電池持ちを167gの最軽量の筐体で実現しているため、シンプルにiPhoneを長く使いたい方には非常におすすめです。

特にiPhone 16の22時間から26時間に増えた電池持ちの余力は充電を80%以下にキープするバッテリーマネジメントの機能と組み合わせると強力で、何年も使い続けたい方には最適な機種となっています。

また業務利用を考えると税込99,800円という価格設定は固定資産として計上が必要になる10万円を下回る金額のため、その耐用年数の長さ相まって社員に支給して長く運用する社用スマホや仕事用ツールとして非常に適したモデルだと言えるでしょう。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。