Galaxyアンバサダー企画で1ヶ月間お借りしたGalaxy S6 edgeの総括レビューをお送りします。
Galaxy S6 edgeはGalaxy S5の後継機であるGalaxy S6の派生モデルで、ドコモ・au・SoftBankの3社から発売されている機種。Galaxy S5からガラスと金属を用いた質感アップを試みたGalaxy S6から更に昨年モデルのGalaxy Note Edgeで片面に実験導入されたエッジディスプレイを両サイドに実装する事によって唯一無二のスマートフォンとなっています。今回はGalaxyアンバサダー企画で1ヶ月お借りして使った中で感じた良い所・悪い所をまとめて紹介していきます。
良い所その1. 持ちやすさ
これぞGalaxy S6 edgeの最も魅力的な点かもしれません。以前「【長編レビュー】GALAXY Note Edgeを1ヶ月間使ってみて感じたエッジスクリーンの使い道」でレビューしたGalaxy Note Edgeは右側のみにエッジディスプレイを搭載し、エッジ部分に多機能なツールを盛り込むといった機種となっていましたが、今回のGalaxy S6 edgeはソフトウェア側よりもハードウェアとしてのこの形状が最も大きな魅力となっています。
Galaxy S6 edgeでは、Note Edgeでは右サイドだけだったエッジディスプレイが両側に搭載された事により、本体を持った際の体感の薄さが同じ分厚さのスマートフォンの約半分ほどなっており、更に手に持った接点の部分からディスプレイのみが浮き出ているため親指が届きやすく、結果として大画面と持ちやすさを両立する事に成功しています。
4インチ台の持ちやすさに5インチ台の大画面を兼ね備えた使い勝手と言っても過言ではないかもしれません。この一つの美点のためにGalaxy S6ではなくGalaxy S6 edgeを買う価値は大いにあると言えます。タッチ&トライイベントにてGalaxy S6とGalaxy S6 edgeを交互に触った際は、edgeがあまりに薄く感じるため、Galaxy S6のフレームが凄まじく分厚く感じてしまいました。
良い所その2. カメラ性能
Galaxy S6/Galaxy S6 edgeに搭載されているカメラの性能はスマートフォン用のカメラとしては非常に良い部類。なおGalaxy S6/Galaxy S6 edgeのメインカメラはソニー製・サムスン製の個体があり、以前紹介した方法でダイアラーから専用ユーティリティを起動する事で確認する事ができます。今回レビューで使用した個体はソニー製のものを搭載していました。
Galaxy S6 edgeで撮影した写真は以下の記事にて詳しく紹介しています。
Galaxy S5では画角が狭く色も不自然な癖のあるカメラといった感じでしたが、Galaxy S6 edgeは嫌な癖をうまく殺してバランスの良いカメラに仕上がっています。
良い所その3. 指紋認証の精度
従来指をスライドさせて認証していたGalaxyの指紋認証ですが、今回からタッチ式に変更。精度も大幅にアップし、指紋認証の際のストレスがほとんどなくなりました。ほとんど失敗しないので、指紋認証だけで1ヶ月使えてしまいGalaxyアンバサダー期間終了で返却前にパスワードを思い出せずに慌てたほど。なお、端末の初期化は指紋認証でも可能となっているのでパスワードを忘れた場合は指紋認証で初期化するという手段があります。
ダメな所その1. 発熱
従来のGalaxyシリーズには無い新しい金属とガラスの素材をふんだんに使ったGalaxy S6/Galaxy S6 edgeですが、ゲームなど負荷のかかるアプリを起動していると背面の発熱がかなり気になりました。ずっとプレイしていると熱くて持てなくなってくるほどなので、これからの夏場でスペックを要求するヘビーな3Dのゲームを遊ぶには以前紹介したネオ・ハイブリッドなど背面を覆うタイプのケースがあると良いかもしれません。なお、エッジディスプレイのお陰で実際に触れる部分の本体の厚みがかなり抑えられているので、ケースを付けてもあまり分厚さを感じさせないのは良いところです。
ダメな所その2. ホームボタン
Galaxy S6/Galaxy S6 edgeのホームボタンは本体からやや浮き出ています。上記の動画のように本体を平面に伏せて背面から二度押しするとカメラが起動する事から、ガワからややボタンが出ている事が確認できます。
ホームボタン二度押しでカメラを起動できるのは確かに便利なのですが、ホームボタンが物理的にやや飛び出ているためにこの機能がポケットの中で頻繁に暴発して起動し、発熱しながら電池を消耗しているケースが大変多くありました。そのためやむを得ずこの機能をオフにする必要がありましたが、他のアプリを使っている最中にホームボタン二度押しでカメラ起動は便利なため、ロック画面では無効、起動中は有効といった設定も欲しいところでした。なお、ロック画面からはカメラアイコンをスワイプでカメラが起動可能なので、ホームボタン二度押しのギミックを使わずともスムーズに起動する事が可能となっているため、こういったソフトウェア側での実用を踏まえた作り込みは今後に期待したいところです。
ダメな所その3. 雑なハードウェアのガワ
Galaxy S6とGalaxy S6 edgeは今までのGalaxyに無い輝きを放つ特殊なコーティングを施された素材を用いて高級感を表現しているものの、その組み上げに関してはあまり美しいとは感じられない出来だと感じました。本体表側の下部のカーブは光沢感のある素材の端がギザギザになっており、美しい素材が雑に組み合わせられたといった感じ。製造技術の制約上の問題かもしれませんが、光が入るたびに美しい素材の端にこのギザギザが見えるのは気になります。
金属フレームのスピーカーグリルが似ているiPhone 5sとの比較。microUSBポート、イヤホンジャック、マイク、スピーカー全てが中心線からズレており、素材は高級感が増しているもののデザインはかなり雑な仕上げに見えます。
前面・背面の光沢かのある素材やフレームに金属を使ったりとGalaxyの弱かったデザイン面でXperiaやiPhoneに追い上げを見せたかと思いきや、その実態としては「素材だけ」と言えるレベル。こういった良い素材を使ったハードウェアを作るのであれば、今後は端子の配置や製造方法などを全体的に見直してほしいところです。
総括
上記で紹介したカメラ性能の他にも、Galaxy Note Edgeに引き続き大画面を活用できるマルチウィンドウ機能を搭載していて動画実況を見ながらTwitterの反応を見るといったPCライクなパワフルな活用が可能だったり、ハイレゾ対応や非ハイレゾ音源のK2HDアップスケーリングなどを更に小さく持ちやすいボディで活用できたりと、総合的に見て非常にパワフルで魅力的なマシンに仕上がっています。以前は使い辛かった指紋認証は飛躍的に実用レベルまで引き上げられており、使い勝手としては現状最強の部類のAndoridスマートフォンと言っても過言ではないところ。
ただし今回力を入れたというデザイン面ではやはりサムスンらしいツメの甘さが随所に露呈しており、デザインの良さは見せかけといった感じ。今回このデザインにするにあたって防水性能とmicroSDスロットを犠牲にしているので、下手にデザイン面に振るよりかは、性能的にこれだけ使いやすいマシンなのであればGalaxyの伝統であるmicroSDぐらいは継続採用しても良かったのではないでしょうか。
Galaxy S6 edgeは現行のAndroidスマートフォンの中では間違いなく強くオススメできる一台に仕上がっており、今期モデルの中でも「買い」でしょう。一方で今回初めて「デザインで他社に勝つ」意気込みで作られた事が感じられるGalaxyであるがために、その試行は未だ発展途上。今後もっと良くなる事が感じ取れます。その発展途上な試行の中でも両面エッジディスプレイは本体の持ちやすさ、薄さ、動画鑑賞の際の迫力とだったりと、ソフトウェア的な活用を抜きにしてもハードウェア的にとても価値がある部分。それを体験できるというだけでも、大きな価値がある端末です。
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