クラウドファンディングのKickstarterにて入手した超小型タフネススマホ「Unihertz Atom」をレビューしていきます。
Unihertz Atomは超小型のAndroidスマートフォン。同社の端末としては既にJelly Proなどがクラウドファンディングを経て既に日本で普通に購入可能となっており、価格は1.3万円前後とお手頃。今回のAtomに関しては従来のJelly ProなどのUnihertzお得意の「超小型サイズ」はそのまま、他の面を実用的なタフネス系スマホとして仕上げられています。スペックは以下のとおり。
プロセッサ | MediaTek MT6763V/B |
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RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
microSD | 非対応 |
画面サイズ | 2.45インチ |
解像度 | 240×432 |
サイズ | 96×45×18 mm |
重量 | 108g |
メインカメラ | 1600万画素 |
インカメラ | 800万画素 |
バッテリー | 2000mAh |
SIMスロット | Nano SIM x2 |
DSDS | 対応 |
対応バンド | GSM: 850(Band5), 900(Band8), 1800(Band3), 1900(Band2) MHz WCDMA: Band1, 2, 4, 5, 8 TDSCDMA: B34, 39 FDD-LTE: Band1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 20, 25, 26, 28A, 28B TDD-LTE: Band34, 38, 39, 40, 41 C2K: BC0,BC1 |
イヤホンジャック | 搭載 |
USB | USB type C |
防水防塵 | IP68 |
指紋認証 | 対応 |
2.45インチディスプレイの超小型という尖った端末ではあるものの、サイズ以外の点においてはデュアルSIMデュアルスタンバイ対応、イヤホンジャック搭載、microUSBではなくUSB type C搭載、防水防塵対応、指紋認証対応と、実用的なハードウェア構成となっています。microSDスロットによる容量拡張に非対応なのは残念なところ。
パッケージ
今回クラウドファンディングで選んだ構成は本体+専用クリップ。本体の箱は変わらず、別途選んだ専用クリップは別パッケージで付属します。
専用クリップの箱中身は簡易的な紙切れのマニュアルとクリップ本体のみ。
このクリップを使えば色々なところにマウントできるので、活用法が広がりそうです。
こちらがAtom本体の箱、本体が小さいだけあり、非常にコンパクトなサイズ感となっています。
箱を開けるとまずはSIMピンと対面。
付属品としてはACアダプタの他にストラップと純正画面保護フィルムも付属します。
本体外観
こちらがAtom本体の外観。四隅に赤いラインで囲まれたバンパーがあり、アクティブな印象を受けるデザインです。
背面。下部にはストラップホールが配置されています。
上部中央にイヤホンジャックがあるのもこの端末のサイズ感・用途としてはマッチしています。
下部には端子類は無し。中央にはホームボタン兼指紋センサーのボタン、その左右にはタッチ式ボタンが搭載されており、左右のカスタマイズが可能。
本体左側面にはボリュームキーとSIMスロットを搭載。SIMスロットはnano SIMスロット2枚となっており、デュアルSIM・デュアルスタンバイに対応。
右側面はUSB type C端子、PTTボタン、電源ボタンを配置。PTT(Push To Talk)ボタンはプリインストールされているZelloというトランシーバーアプリと連動しており、押す事で音声メッセージを送信できるほか、Zelloを使わない場合は任意のアプリケーションの起動ショートカットとして設定可能となっています。
サイズ感
コンパクトスマホ派に人気のiPhone SEと並べてみたところ。2.45インチという事もあり、小型スマホよりも更に一段と小さいサイズとなっています。一方でこのサイズで2,000mAhのバッテリーを搭載していることもあり、一般的なスマホと比べると分厚さを感じます。
文字入力や一般的なアプリのボタンを押すにはかなり狭い印象で、普通のスマホとして普通に使うには小さすぎるサイズ感ですが、操作不能というほど小さくも無い、そんなサイズです。
ベンチマーク
定番のAnTuTuベンチマークを走らせてみたところ、スコアは84841。現行のSnapdragon 845を搭載したフラッグシップモデルは20万点台後半なので1/3未満程度の処理性能ですが、画面解像度が小さいため動きに引っかかりは感じません。
2.45インチでデレステをプレイ
ゲームがプレイ性能をチェックするために「デレステ」を試してみました。動画は音が出るので注意。
設定はデフォルトの3D標準。解像度が低いためか、一部引っかかりは感じるものの思いのほか3D描画がスムーズに動いています。極小画面ではあるものの、プレイできないほどではないといったところでしょうか。指先の大きさの個人差はあるかもしれませんが、個人的には思ったより普通に遊べて驚きました。ただ、やはり性能が低いだけにロード時間は長めの印象。
ゲームのタイトルによっては解像度が低いがために画面上のボタンを押すのが困難だったりという事はありますが、タイトルによってはログインボーナスを回収したり、ちょっとイベントを回したりといった用途であれば意外と使えそうです。
カメラ性能
あまり期待値は高くないものの、カメラ性能をチェックしてみました。作例は以下のとおり。
ハンバーグを撮影。思ったより悪くないです。
夕焼けを撮影。光量の少ないシーンではディテール感が無く厳しい印象。
明るい昼間の風景。通常モードで撮影したため雲が白飛びしていますが、手動でHDRをオンにすれば多少改善されます。ただカメラのHDRボタンが小さく、とっさに押しにくいのが残念なところ。
動画撮影性能をテスト。かなり手ブレしますが、Android搭載のためツイキャスなどのアプリをインストールしてのコンパクトな実況カメラとして活用できそうな程度には撮れています。
PTTボタンが便利
本体側面に搭載されたPTTボタンは先述したとおりZelloというトランシーバーアプリとの連携が可能。通常のトランシーバー同様押している間喋る事ができるので、画面を見ずにトランシーバーとして使えるのが便利。相手がAtomを持っていればお互いハードウェアボタンでトランシーバーが使えるのはもちろんのこと、アプリさえ入れれば相手が他のAndroidスマートフォンやiPhoneでもトランシーバーとして使えます。
特に用途を決めずにクラウドファンディングで手に入れたAtomですが、公式アクセサリのアームバンドを使ったGPSトラッカー、PTTボタンによるトランシーバーや、コンパクトなボディを活かした実況カメラなど、意外と使い道がありそうな端末でした。解像度が低いため3Dのゲームも思いのほか動き、色々なAndroidアプリを動かして使い方を考えるのが楽しそうな一台です。
クラウドファンディングを終えたUnihertz Atomの市販予定価格は259.99ドル。このサイズでラフに使えてAndroidを搭載しデータ通信もできる端末は活用法が色々とありそうで、良いオモチャになりそうです。