OPPO R15 Neoレビュー。格安でDSDV対応、自称「常識を超えたコスパスマートフォン」の実力を試す

先日IIJmioで購入したOPPO R15 Neoを実際に使ってみました。


OPPO R15 Neo公式サイトより

OPPO R15 Neoの公式キャッチコピーは「常識を超えたコスパスマートフォン」という事で、メーカー自らコストパフォーマンスの良さを売りにしている機種。実際Amazonでも実売税込価格約2万円ほどで手に入る低価格モデルでありながら、64GBの大容量ストレージ、4230mAhの大容量バッテリー、6.2インチ狭額縁の画面占有率の高いディスプレイ、更にはDSDV (Dual SIM Dual VoLTE、2枚のVoLTE SIMで同時待ち受けが可能)搭載など、実用面で便利なトレンドの機能を多く取り入れたモデルとなっています。

今回ダイヤモンドピンクのモデルをIIJmioのセールで格安で購入できたので、実際に使ってみた所感を取り上げていきます。現行ハイエンドモデルのiPhone XS Maxから格安スマホまで色々なメーカーの製品を使ってきた筆者ですが、OPPOのスマホは今回が初。他のメーカーと比べて気付いた事なども紹介していければと思います。

スペックまとめ

公式サイトより、OPPO R15 Neoのスペックを抜粋・補足してまとめてみました。

CPU Qualcomm Snapdragon 450
RAM 3GB(4GBモデルも有)
内蔵ストレージ 64GB
バッテリー 4230mAh
サイズ 156.2×75.6×8.2(mm)
重量 168g
アウトカメラ1 1300万画素広角 f2.2
アウトカメラ2 200万画素望遠 f2.4
インカメラ 800万画素 f2.2
画面サイズ 6.2インチ
画面解像度 1520×720
OS ColorOS 5.1 (Android 8.1ベース)
SIMスロット デュアルnano SIM
microSDスロット あり (SIMスロットとは別)
GSM対応周波数 850/900/1800/1900MHz
WCDMA対応バンド 1/2/4/5/6/8/19
FDD-LTE対応バンド 1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28
TD-LTE対応バンド 38/39/40/41
DSDV 対応
接続端子 microUSB

今回購入したのはRAM3GBモデル。4GBモデルも販売されていますが、定価が24,800円→39,800円(実売価格約2万円→3万円)と元値を考えるとかなり高くなるため、本機の売りであるコストパフォーマンスを享受するなら3GBモデルが妥当。

バッテリー容量が4230mAhとかなり大容量(iPhone XSが約2600mAh)な一方で、画面解像度1520×720とかなり低く消費電力が少ないため、電池持ちの面で見ればかなり優秀。ハイエンドモデルのような画面の繊細さは無いものの、実用スマートフォンとしての駆動時間が卓越して長い機種となっています。

この価格帯でデュアルSIMかつDSDV対応で2つの番号を同時に電話待ち受けできるのは優秀ですが、デュアルSIMのスマートフォンでよくある2枚目のSIMスロットがmicroSDスロットと共用の排他仕様のためSIM+SIMで使うかSIM+SDで使うか取捨選択しなければいけない仕様ではなく、SIM+SIM+SDで3枚同時利用できるのもポイント。そもそも内蔵ストレージが64GBと潤沢に用意されていますが、足りない場合はそれに加えてmicroSDカードで容量を増設しつつデュアルSIMもしっかり使う事ができます。

スペックを全体的に見た感じとしてはプロセッサもSnapdragon 450を採用してエントリーモデルの構成ではあるものの、Snapdragon 450自体従来のミドルレンジのSnapdragon 625に近い性能とされていたり、単に解像度を落とすだけでなくバッテリー容量を大容量にすることで駆動時間を確保する構成になっていたり、潤沢に64GBの内蔵ストレージ容量が確保されていたり、DSDV+microSD同時利用可能など、限られた予算の中で随所が使い勝手の良い構成に仕上がっている印象を受けました。常識を超えたコスパスマートフォンを自称するだけの事はあります。

スペック的に気になるのは端子がUSB type CではなくmicroUSBな点と、生体認証非対応な点。

2019年現時点で新規に購入するスマホとしてUSB type CではなくmicroUSBなのは周辺機器や充電器の互換性的に不便というのもありますが、4,000mAhオーバーの大容量バッテリーを搭載しながらもUSB type CによるUSB PD(Power Delivery)の急速充電が使えないのはやや心細いところ。

生体認証を搭載しないのも欠点で、UQモバイル専売の上位モデルR17 Neoの売りである画面内指紋認証はおろか、通常の指紋センサーも非搭載。セキュリティレベルの低めな顔認証こそは設定できるものの、現代のスマホで生体認証ハードウェアを一切搭載しないのは少数派。このあたり、価格を抑えるための取捨選択が垣間見れるところです。

参考までにAnTuTuベンチマーク結果。7万点台となっています。

ACアダプタ、クリアケースが付属

OPPO R15 Neoのパッケージに含まれる付属品。ACアダプタ、microUSBケーブル、クリアケースが付属します。

クリアケースは肉厚のソフト系TPUケース。落下時の保護性能に関しての信頼性が期待できそうなもので、しっかり使う前提の実用性の高い同梱品という印象を受けます。

外観

今回購入したのは「ダイアモンドピンク」というカラー。前面はノッチ付きの全面ディスプレイで、ベゼルは黒。最近流行りのデザインとなっています。

先日の購入記事で紹介した製品画像ではローズゴールドっぽいピンクで、自分もそれ目当てで購入したのですが、実機の色味としてはパステルピンクにうっすら模様が入っていて光の加減で見えたり見えなかったり、といった感じ。

OPPO R15 Neo

参考画像。プレス画像のような濃いピンクを想像すると少しがっかりするかもしれません。かなりパステルピンクなので、男性の方はダイアモンドブルーを選ぶのが無難なのではないかと思います。

フレームの質感は光沢系で、低価格帯の光沢フレームとしては決して安っぽく感じない良い質感です。

なお、画面側には出荷状態で保護フィルムが装着されているのも低価格モデルとしては嬉しいところ。ケース・保護フィルム・ACアダプタが全て揃っているので、別途買う必要が無いというのもコストパフォーマンスの高さのうち。全部入りなので、余計な出費を抑えられます。

右側面は電源ボタン。

下部はmicroUSB、イヤホンジャックを搭載。

左側面はデュアルSIM+microSDスロット、ボリュームボタン。

スロットは付属のSIMピンで開くタイプ。

上部は特にインターフェース類はありません。

保証書は電子式、紙の保証書は無くてもOK

OPPO R15 Neoのセットアップが完了してまず目に入ったのが「電子保証書」という画面。デバイスのセットアップ完了時にアクティベートされ、紙の保証書の代わりになるというもの。箱や保証書を捨ててしまい修理サービスが受けられないということが避けられます。これは嬉しいポイント。

「ホーム」「戻る」などをジェスチャにして画面を広く使うことも可能


OPPO R15 NeoはAndroid標準のオンスクリーンキーのほか、Galaxy風の戻るキーの配置を左右逆にした設定、オンスクリーンキーを全て非表示にしてiPhone X風ジェスチャーで操作できる設定などに変更が可能。ベゼルを全体的に狭めにしてある狭額縁デザインのため、ジェスチャー操作にすると画面を使える領域が広がってモダンなスタイルになります。

OPPOゲームスペース

ゲームアプリを起動すると、自動でグラフィックの最適化、バックグラウンド通信アプリの抑制、通知の抑制など快適にゲームに没頭できるように設定を調整してくれます。

試しに定番の3DグラフィックのTPSゲームPUBG MOBILEをプレイしてみましたが、割と普通にプレイできるので驚き。一方音ゲーのデレステは設定や楽曲によってはカクつくのであまりプレイしたくない印象でした。

カメラ作例

OPPO R15 Neoは低価格帯ながらデュアルカメラを搭載しており、1300万画素の広角と200万画素の望遠レンズが利用可能となっています。今回はこれらのカメラで実際に撮影してみた作例を取り上げていきます。

海辺の撮影。オートでしたが、晴れた日の海にも関わらず暗めになりました。

広角・望遠のテストのための比較写真。まずは広角から。

続いて同じ場所から撮影した望遠。200万画素しかない望遠側のカメラですが、白い自動車などの被写体を見るとやはり描写が甘い部分が見受けられます。

こちらはポートレートモードで撮影したもの。思いのほか綺麗にボケてくれているのではないでしょうか。iPhoneシリーズのポートレートモードより比較的広い画角で撮影できるので、ポートレートモード自体の撮りやすさは良好。背景をボカして被写体を浮かばせたい時には積極的に使っていける機能です。

城を撮影。光量が足りていると建築物のシャープな描写もいける感じがします。

魚料理を撮影。みずみずしさは出ている感じはするものの、最近のスマホの味付けにしては寒色系な印象を受けます。

料理の写真をもう一枚。あまり写真の調整には凝っていない感じがします。

カメラの全体的な写りを総括すると、やはり価格相応なハードウェアがついていて、あまり写真も調整されて出てくる感じでは無い様子。望遠もそれほど積極的に使っていきたい画質では無いです。ただポートレートモードは写りも使い勝手も比較的よさげです。

まとめ

今回が初めてのOPPOのスマートフォンでしたが、以前レビューした同価格帯のZTE Blade V6がソフトウェアの作り込みが皆無だったのに対し、本機はゲームへの最適化や設定周りなど、世界シェア上位メーカーだけに比較的ソフトウェアが作りこんであるのを感じました。通知受信時に画面点灯など、iPhoneやファーウェイ端末からの乗り換えユーザーに優しい細かいも用意されており、想像以上にしっかりしていました。

DSDV対応のデュアルSIMスロット+microSDスロットで、複数のSIMカードを使い分けつつ大容量も両立可能と、ハードウェア構成的な使い勝手は分かりやすい強み。USB type CではなくmicroUSBなのは玉に瑕ですが、これ1台であれこれとこなせる良い構成をしています。

1台だけでこなす、という意味ではバッテリー容量の大きさによる恩恵も体感できるレベル。4230mAhというかなり大きな容量のバッテリーを搭載していますが、出先でYouTube動画を見たりSNS系アプリを使ったりと電池を消費していっても充電無しで2日〜3日は使えてびっくりしました。SIMスロットが2つあるため、マルチキャリアで運用するWiFiルーターとして使うのも悪くなさそうです。

カメラに関しては200万画素の望遠は単体ではオマケという感じでしたが、ポートレートモードの使い勝手は良さげ。実質ポートレートモードのために付いているデュアルレンズといった感じです。ファーウェイのP20 Proのようにがっつり遠方の被写体を撮るといった感じではなく、流行りのポートレートモードで背景をぼかすのがこの価格帯で出来る、というのが美味しい所でしょう。

ゲームなどもやってみましたが、Snapdragon 450は中々優秀なようで、フラッグシップモデル並の快適性こそは無いものの、従来のミドルレンジモデル級の快適性は感じました。

低価格帯でありながらハードウェア構成的な利便性はしっかりと確保されており、コスパ良いと言えばコスパは良さそうです。記事作成時点ではダイアモンドブルーが18,080円、ダイアモンドピンクが19,500円と2万円を切っていながら、「普通に使えるスマホ」になっているのではないかと思いました。

なお、筆者が100円で本機を購入したIIJmioのキャンペーンは在庫が無くなるごとに第二弾、第三弾と続き当初3月22日で終了予定だったものが5月8日まで延期されており、まだ格安入手のチャンスはありそうな雰囲気。在庫切れと表示されている場合でも朝10時頃に在庫を補填することもあるようで、狙っている方はページを見張っておくと良いかもしれません。

この価格帯の格安スマホは久々に触りましたが、従来の2万円台のスマートフォンと比べると近年のトレンドを取り入れつつしっかり「使える度」がアップしていて驚き。頭打ちしているフラッグシップよりも2万円台のスマホは年々の進化が感じられやすいかもしれません。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のサイト作りと愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブとカフェ開拓。2022年1月1日からガジェットVtuberとしてYouTubeも始めました!