「Mu6」レビュー。圧倒的ノイキャン性能でホワイトノイズも無い、1万円台のクラウドファンディング発ヘッドホン

クラウドファンディング発の高性能ワイヤレスヘッドホン「Mu6」をレビュー用に提供頂いたので紹介していきます。


Mu6は2018年冬にクラウドファンディングサイトIndiegogoにプロジェクトとして公開され、人気を集め無事市販化されたヘッドホン。低価格を実現しつつも、低遅延のApt-X LLコーデック、Bluetooth5.0などの最新規格を採用しBoseやSonyなどの有名なメーカーのノイズキャンセリングヘッドホンに引けをとらない高性能な製品を目指して開発されました。公式のプロモーション動画は以下のとおり。

実際価格としては市販バージョンがAmazonで17,690円の価格で販売されており、約4万円で販売されているBose QuietComfort 35 wireless headphones IIの半額以下。価格面では圧倒的アドバンテージがあります。

では性能面ではどうなのか、実際に使ってチェックしてみました。

パッケージ

こちらがMu6のパッケージ。

ヘッドホン本体のほか、持ち運び用の布袋、マニュアル、本体充電用のUSB type Cケーブル、充電スタンド、充電スタンド用のmicroUSBケーブル(マニュアルの筒の中に入っていたので上記写真には写らず)が付属します。

集合写真で撮りそびれたmicroUSBケーブルくん。

袋の金具にはMu6のロゴがプリントされていて高級感があります。

本体の外観

こちらがMu6本体。カラバリは2色展開となっており、今回レビューするのはグラファイト・グレー。もう1色はメダリオン・ブラウンとなっています。

グラファイト・グレーは光沢感のあるピアノブラックにツヤ消しの青みがかったグレーのツートンでクールなイメージ。メダリオン・ブラウンが暖色系で大人なイメージなので、どちらも暗い色を採用しつつも対照的な2色となっています。

左のカップには充電用のUSB type Cポート、電源ボタン(2度押しで接続解除してペアリングモード)、ANC(ノイズキャンセリング)モード切り替えボタンを搭載。

右側はボリューム上下+再生ボタン。再生ボタン2度押しでSiri/Googleアシスタント起動、ボリュームボタン長押しで曲送り・戻しができます。

カップは低反発な素材でできており、長時間疲れにくい仕様。また左側カップ内側には近接センサーを搭載しており、ヘッドホンをつけたら自動再生、外したら一時停止というAirPodsのような便利な機能を実現しています。

アームの部分には充電端子を搭載。付属のスタンドで充電ができます。

マグネット式充電スタンドが付属

Mu6は低価格ながら、充電スタンドが付属するのが嬉しいところ。充電方法もマグネット吸着による電子接点式でスタイリッシュです。

充電スタンド自体はmicroUSB端子を採用。ヘッドホン本体がUSB type C充電なので統一してほしかったところではありますが、このあたりはコスト削減でしょうか。特に頻繁に抜き差しするものでも無いですし、一度セットアップすれば問題無し。

Mu6ヘッドホンを充電器に装着したところ。そのままインテリアとして飾れそうです。

ヘッドホンの充電接点部分。

スタンド上部は充電中は青く柔らかく点滅します。綺麗ですが、欲を言えば少し目立つので就寝時用などに消灯オプションが欲しかったところ。

ノイズキャンセルはオン・オフの他外部音も取り入れ可能

ANCボタンによるモード切り替えはオン・オフだけでなく、外部音を集音して聞く事のできる「トランスペアレンシーモード」も搭載。このあたりはBoseなどの有名メーカーにもひけを取らない機能性です。

また、ボタンによるモード切り替えだけでなく、左のカップに手をかざすだけで一時的に外部の音を聞く事ができるスマートタッチ機能も搭載。電車に乗っていて一時的に車内放送を聞き取りたい時などに重宝する機能です。

Mu6 Connectアプリで最適化


専用のMu6 ConnectアプリもiOS/Android向けに配信しており、各種設定や最適化が可能。

ノイズキャンセリング機能を弱めて周囲の音を危険が無いレベルに聞こえるようにするBus/Trainモードのオン・オフ、近接センサーを使った自動再生停止機能のオン・オフに加え、音楽を再生しないでもスリープに入らずノイズキャンセリング機能のみを使って耳栓代わりに使う「Flight Mode」のオン・オフができます。

Flight Modeはノイズキャンセリング機能を使っていても「サーーーーー」というホワイトノイズがしないMu6ならではの機能。ノイズキャンセリング製品は無再生時のノイズが気になる製品が多い中、Mu6は全くノイズが気にならないので音が気になる場所での就寝などには大活躍しそうです。

Mu6 Connectにはユーザーの聴覚を分析し、補う形で最適化する事で個人に合った音を再生できる機能を搭載しています。テスト内容は一般的な健康診断の聴覚診断のように、左右で音が聞こえている間だけそれぞれのボタンを押すといった形。このテストの結果によってEQを最適化する事ができます。

試しにテストを受けてみた結果。

Mu6の定義する理想的な聴覚の「Mu6ゴールデンカーブ」と、テスト結果のカーブの比較グラフを見る事ができます。この結果によってEQが作成されます。

作成されたEQがこちら。高音を聞き落としたのを補うためか10k付近が持ち上がっており、僅かにシャリシャリした音になりました。

静かな部屋でもう一度チャレンジしたところ、完全にMu6ゴールデンカーブに乗ってグレーのラインが見えなくなりました。

その結果なんとEQが完全にフラットになりました。聴覚が良いと調整はされないため、逆にある程度聴覚に偏りがある人のほうが機能に恩恵を受けられそうです。

後日レビューしたAnkerの「Soundcore Liberty Air 2」も同様の聴力チェック&音質調整機能が付いており、この手の機能は今後のイヤホン・ヘッドホンではトレンドになりそうです。

実際に音楽を聴いてみる

実際の音質はどうなのか、最近リリースされた曲をiPhone XS Maxで聴いてチェックしてみました。音源はiTunes Music Storeで購入したもの。

まずはアグレッシブめの電子音楽で、ストレイライトのTHE IDOLM@STER SHINY COLORS FR@GMENT WING 06より、「Wandering Dream Chaser」。イントロから迫力満点のシンセサイザーの電子音、途中で入ってくる低音もしっかり聞こえ、一瞬音を絞った後に一気に畳み掛ける立ち上がりのメリハリがノイズキャンセリング機能のお陰で際立って聞こえます。ベース音もドコドコ過ぎるという事もなく、適度に曲中聞こえ続けていて好印象。一方、疲れにくいサウンドかもしれませんが、シンセサイザーの高音が少し丸いなとも感じました。

続いて、ReoNaのNullより「Lotus」。先ほどの曲とは対照的な、ピアノのイントロから入る曲。ノイズキャンセリング性能が高いお陰で、こういった曲も電車移動中にも聴きやすいのは嬉しいところです。ピアノから続いて入るReoNaのブレス、ボーカルも分かりやすく、最後のピアノで終わるアウトロもホワイトノイズの無いノイズキャンセリングのお陰で綺麗に締まるのが気持ち良いところ。

価格以上の機能を搭載したヘッドホン

他のワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンには無いMu6特有のメリットをまとめると以下のとおり。

  • AirPodsと同じ自動再生・自動停止機能搭載
  • Boseのようなノイズキャンセリングオン・オフ・外部音取り込みの切り替えが可能
  • 手をかざして一時的に音量を下げ、外の音を聴くジェスチャー搭載
  • ホワイトノイズの無いノイズキャンセリングで、無音でも快適
  • おしゃれな充電器スタンドが付属
  • アプリで個人の耳に最適化した音質調整が可能

一方のデメリットはこんなところでしょうか。

  • 無線接続のみで、有線接続できないため電池が切れたら使えない
  • 音質自体は悪くないが、価格帯相応
  • 充電スタンドが少し使いにくい

Mu6は元々低価格で高価格な他社のヘッドホンに太刀打ちする前提で作られただけあり、価格に対しての機能の充実という点で見れば群を抜いた製品だと感じました。プレミアムなノイズキャンセリングヘッドホンに搭載されているような機能が多く搭載されています。特にノイズキャンセリングは音の打ち消し性能自体が卓越しており、更にジェスチャーやモード切り替えで打ち消しを一時的に無効化する機能の利便性も抜群。ノイズキャンセリングヘッドホンにありがちな無音状態でホワイトノイズが流れるというネガも無く、単純にノイズキャンセリング性能だけで見れば圧倒的にオススメな製品です。

一方、音質で言えば悪くは無いのですが、1万円台後半の価格帯に相応だなと感じるところも。ワイヤレスかつノイズキャンセリングヘッドホンである時点で不利ではあるのですが、同じく1万円台のワイヤレスでノイズキャンセリング機能は無いものの価格に対しての音のコスパが良い1.4万円台で販売されているソニーのWH-H800と比べると解像感に欠ける印象がありました。また、電池切れ時に有線接続できないのもWH-H800に劣る点。ノイズキャンセリングオンで24時間、オフで36時間使えるとの事ですが、使えなくなった際に音楽が一切聴けなくなるというのは気になる人には気になるところだと思いました。

また、充電スタンドの中央の棒の左右のカップを回す形で挿入しなければいけないため、使い勝手が少し悪いなと思いました。どうせ充電に両手が必要なのであれば手間がUSB type C充電と変わらないので、もう少し片手で充電しやすいデザインにしてほしかったところ。

と、デメリットは一通り書いたのですが、総評としては1万円台としては恐るべきノイズキャンセリング性能のヘッドホンだと感じました。Amazonでの実売価格は17,690円ですが、ノイキャンだけ取ってみればBoseやSonyの3〜4万円台のヘッドホンと良い勝負だと思います。


今回本製品を提供頂いた販売店より、Amazonの割引クーポンを頂いています。クーポンコードは以下のとおり。

R5DA2OH9

クーポンの有効期限は2019年12月31日まで。このクーポンをAmazonの注文画面で入力すると1,000円引きになります。


2019年9月19日21時現時点では販売ページで900円オフクーポン、10%オフクーポンが配布されており、上記のクーポンコードを入れる事で3,669円割引になり、17,690円→14,021円で購入可能です。購入は以下のリンクから。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。