iPad mini用MOFT「Snapフロートフォリオ」レビュー。特定の使い方で輝くカバー兼スタンド

iPad mini用のMOFT Snapフロートフォリオを買ってしばらく使ってみたので、レビューしていきます。


当サイト掲載の外部リンクは一部収益化している場合があります。詳細はプライバシーポリシーにて掲載しています。

MOFT SnapフロートフォリオはiPadの背面にマグネットで装着してiPad本体を両面保護できるカバーとして使えつつ、いくつかの高さでiPadを立てられるスタンドにもなるマルチなアクセサリ。様々なガジェットのスタンドを送り出してきたMOFTが2022年11月に発売した新製品となっています。

ラインナップとしては、サイズが以下の3種類。

  • 11インチiPad Pro用
  • 12.9インチiPad Pro用
  • iPad mini(第6世代)用

今回はiPad mini用モデルの3色展開のうち、ミスティグレーというカラーを選んで買ってみました。

Apple純正Smart Folioからの機能強化に購入

今回MOFT Snapフロートフォリオを購入したのは、発売日から愛用している第6世代iPad miniで1年以上使ったApple純正のSmart Folioが、度重なるカフェへの持ち出しで使用感が目立ち始めたから。

Smart FolioのスリムにiPad mini本体を両面保護できる点、別途アクセサリを持ち運ばずとも出先で立てて使える点は大変気に入っていたものの、そのまま同じ物を購入すると2022年7月以降のApple製品の値上げ後の価格になり、カバーの新調に約1万円も掛かってしまう事に。

そこでサードパーティ製の選択肢を検討していたところ、ちょうどMOFTからSnapフロートフォリオという新製品が発売されたのを発見。AppleのSmart Folioのように持ち運び中は両面を保護しつつ、折り紙のように組み立てて複数の高さでiPadを固定できるギミックを搭載。価格も5,680円と純正品の半分近く安く、期待通り動作すればSmart Folioの上位互換が期待できるという事で購入に踏み切ってみました。

MOFT Snapフロートフォリオの外観&ギミック

こちらがSnapフロートフォリオ本体。プレミアムヴィーガンレザーを採用しており、表面は細かい凹凸のテクスチャーが施されたつるっとした質感。各種スタンド形状に折れ曲がるよう特殊な折り目・切り込みが入っています。

内側はマットブラックカラーとなっており、質感はさらっとしています。AppleのSmart Folioはこの内側が起毛素材となっているためiPad本体側に優しい質感ではありますが、MOFTは外出先でスタンド機能を多用しても汚れが付着しにくそうな質感となっており、双方のメリット・デメリットがはっきりとした真逆の素材選定となっています。

実際にiPad miniに装着したところ。この状態では外装側の色が見えません。

折りたたむとミスティグレーの色がはっきり分かります。パープルのiPad miniとの組み合わせも綺麗。

内側に三角に折ると通常のSmart Folioと同じ高さにスタンドできます。AppleのSmart Folioと違って内側に折り込むため、内側の面が接地面に触れて汚れないのもメリット。Smart Folioの「内側の起毛素材がスタンド利用時に外側になるため汚れやすい」というデメリットを克服しています。

更に高さを出したい場合、逆方向に折り返すと少し高さを稼いだ状態で立てることができます。個人的にこれが安定感、設置しやすさ、高さを兼ね備えているお気に入りのポジション。ただし先述のポジションと違って接地面は内側の素材になるので汚れを外側に隔離できるというメリットは失われているので注意。

更に中央の切り込みを折り込むと最も高いポジションへの固定が可能。最も印象的な、製品のギミックを象徴するポジションですが、他の2つと比べると設置が微妙に手間。

また高さが稼げるのと引き換えに安定性は3つの高さの中ではもっとも犠牲になっており、タッチ操作には向かないポジション。動画鑑賞や、キーボード・マウスを繋いだ作業におすすめです。

キーボード&トラックパッドとの相性は抜群

MOFT Snapフロートフォリオとキーボード&トラックパッドを組み合わせると、高さが稼げるため卓上の低い所まで視線を落とさず作業できて快適。画面の小さなiPad miniでもデスクトップパソコンに近いポジションで作業できるのが魅力です。

特に別持ちのスタンドのために荷物を増やすことなく本体の高さを稼げるので、コンパクトなiPad miniを含めたミニマルなセットで持ち出し用の作業環境を作るのに重宝します。

このようにほとんどかさばらないiPad用のカバーの形状でスタンドにもなる一石二鳥のSnapフロートフォリオですが、使っている中でデメリットもいくつか感じたので取り上げていきます。

Snapフロートフォリオの気になったところ

1. 磁力が弱すぎる

この製品最大の問題がこれ。iPad本体に吸着する磁力が非常に弱いので、気を遣わないと外れてしまいます。特にiPad mini用に関しては本体に吸着する面積が少ない事もあり、磁力を過信しているとすぐに外れてしまうため注意が必要です。

一度慣れてしまえば問題にならないよう取り扱って変形できるものの、タッチパネルを多用するような使い方には向かない製品と言えるでしょう。逆に本体をタッチしないでワイヤレスのキーボード・マウス・トラックパッドを繋いでPCライクに使ったり、動画鑑賞したりといった用途であれば支障無く快適に使えます。

ほぼ嵩張らないミニマルなハードウェアで折り紙のように高くiPad miniを立てられるというメリットだけ享受し、磁力に依存した使い方はしないように割り切るのがおすすめ。磁力に期待して使ってしまうと不満に感じますが、強みだけ最大限活用する使い方であれば便利です。

2. 卓上で使うには角度が垂直すぎる

こちらもiPad mini向けモデルならではの問題に感じますが、スタンドで立てた場合の角度が垂直に近すぎるため、欲を言えばもう少し寝かせたいなと実際に使っていて感じました。

11インチ・12.9インチのiPad Proであれば大きさ・高さがあるため角度が視線の方向に向いてくれますが、iPad miniの場合は本体の高さが稼げないため、使う机によっては角度が急に感じてしまいました。

ただし机の高さがあるカフェのカウンター席などとは相性が良く、iPad miniのコンパクトさ・Snapフロートフォリオの薄さと相まって「ミニマルな荷物を持ち込んでコンパクトなカフェのカウンター席で使う」といった特定のシチュエーションにおいては最大限の力を発揮します。

また、角度が立っているので少し距離を置いてMacBookのサブモニターとして使うのも快適。macOSのユニバーサルコントロールを使えばMac側のトラックパッド+キーボードがそのままiPad上で使えるので、MacとiPad両方のアプリを併用したワークスペースを使うにもぴったりの組み合わせです。

逆にゆったりとしたソファー+ローデスクのような環境であればiPad miniよりも大きなモデルのiPadと組み合わせがおすすめで、iPad mini用のモデルはコンパクトな環境向け。iPad miniが活きる環境で活用する事で、Snapフロートフォリオとの相乗効果が期待できます。

3. iPad mini用モデルのみランドスケープモードに非対応

iPadを斜めに寝かせてオンスクリーンキーボードで快適にタイピングできるランドスケープモードですが、SnapフロートフォリオはiPad mini用モデルのみ非対応。物理キーボードを持ち歩かずともある程度のタイピングが快適にできるためApple純正のSmart Folioでは愛用していた機能ですが、こちらの製品では利用できないのはSmart Folioと比べた際の明確なデメリット

このランドスケープモードの状態でオンスクリーンキーボードを使った作業や本体を傾けてApple Pencilを使った作業に関してはApple純正のSmart Folioに分があるので、Snapフロートフォリオには明確な得意・不得意な利用シーンがあることがわかります。

Snapフロートフォリオの良かったところ

1. 一体型でスタンド・カバーの別持ちが不要なので荷物が減る

最大のメリットがこれ。通常iPadを立てて高さまで求めると別途スタンドを持ち歩く必要がありますが、このSnapフロートフォリオは本体のカバーとスタンドを兼ねる上にほとんど嵩張らないため、利便性を保ったまま荷物が極限まで減らせるのが極めて快適です。

単体で持ち運んで動画再生する場合も、MacBookと重ね持ちしてサブディスプレイにする場合も、追加の荷物を持つ必要が全く無いので忘れ物する心配も無く、出来る事の幅に対して荷物がシンプルになるのは実際に使っていて最も大きなメリットに感じる部分です。

2. 高さの使い分けが快適

Snapフロートフォリオが対応している3つの高さはそれぞれの強みがありますが、慣れてくると全てを使い分けられるのが快適に感じてくる製品です。サクッと出して素早く高さと安定感を出して設置したい場合は中段、しっかりと腰を据えて折り紙ギミックを使って最も高い位置に置きたい場合は上段、というように使用シーンに応じて使い分けられるのが楽しい一品です。

3. Apple純正のSmart Folioと比べると格安(9,800円→5,680円)

Apple純正のSmart Folioの9,800円に対してSnapフロートフォリオは5,680円。それぞれ一長一短あるものの、一部は上位互換とも言える類似製品が6割以下の価格で購入できるのはかなりお買い得感があります。

今回純正品の経年劣化に伴い買い足してみましたが、Apple製品の高騰の中で程良いコスパの価格帯なのは大変ありがたく感じました。

iPad miniの用途にハマれば秀逸な一品

「Smart Folioの上位互換」と名高いアイテムだけに期待値の高かったMOFT Snapフロートフォリオですが、実際に使ってみると完全な上位互換と言うよりかは純正とは得意分野が異なるアクセサリでした。

具体的に快適な用途としては、以下が快適。

  • iPad miniを卓上に置いた動画鑑賞
  • キーボード+マウスorトラックパッドを繋いだPCライクな作業
  • MacBookのサブディスプレイ

これらの用途にiPad miniを使っているのであれば、保護ケースとスタンドを兼ねてスマートでミニマルな荷物にまとめられる秀逸な製品だと思いました。

逆にiPadを寝かせた角度で使ったり、指やApple Pencilでタッチパネル操作をした際の安定感を求める方であればApple純正のSmart Folioが断然安定感があっておすすめ。

最後に一点強く要望するとすれば、MOFTさん。次期モデルや製品改良のタイミングがあれば是非磁力を強化してください。お願いします。慣れれば問題無く使えるのですが、これに安心感が追加されるとよりベターです。

次の記事
前の記事
アバター画像

キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。