P30 Pro HW-02Lレビュー。50倍ズーム、夜景、超広角も行ける圧倒的ライカカメラ搭載スマホ

ファーウェイのスマートフォン「P30 Pro」のレビュー用の実機をお借りする機会があったので、実際に使ってみました。


P30 Pro HW-02Lは2019年9月13日にドコモから発売されたファーウェイのスマートフォン。Leica(ライカ)監修のクアッドカメラが特徴で、4000万画素の超高解像度メインカメラ・2000万画素の超広角カメラ・5倍光学望遠カメラに加え、深度取得用のToFカメラを搭載。5倍の光学望遠レンズと4000万画素のメインカメラを組み合わせることで10倍ハイブリッドズームができるほか、50倍デジタルズームで月も撮影できると謳っているカメラが売りの機種となっています。

まずはスペックから確認していきます。

スペック

P30 Pro HW-02Lは以下のとおり。

高さ 約158mm
約73mm
厚さ 約8.6mm
重量 約192g
バッテリー 4100mAh
画面種別 有機EL
画面サイズ 6.5インチ
画面解像度 Full HD+(1080×2340)
CPU HUAWEI Kirin 980
RAM 6GB
内蔵ストレージ 128GB
外部ストレージ NMカード(最大256GB)
防水 IPX8
防塵 IP6X
カメラ1 F1.6、約4000万画素、広角
カメラ2 F2.2、約2000万画素、超広角
カメラ3 F3.4、約800万画素、望遠
カメラ4 ToF(深度測定用)
インカメラ F2.0、約3200万画素、広角
光学式手ブレ補正 あり
おサイフケータイ 対応

ファーウェイの歴代機種と同じく、CPUは独自のKirin 980プロセッサを採用。先代モデルにあたるP20 Proからの主な進化としては、バッテリーが3,900mAh→4,100mAhに増量、画面サイズが6.1インチから6.5インチに拡大、超広角カメラが追加といったところ。6GBのRAM、内蔵ストレージ128GBは前モデルから据え置きとなっています。

外部ストレージはファーウェイ独自のNMカードとなっている点は引き続き注意が必要。Amazonで純正品が買えるものの、microSDカードと比べると価格帯が高めとなっています。

処理性能ベンチマーク


処理性能のベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」「Geekbench」の計測結果は上記のとおり。AnTuTuベンチマークは35万点となっており、一般的な高性能スマートフォンのSnapdragon 855シリーズより少し低い程度の数値。先日レビューしたGalaxy Foldは45万点だったのでそれと比べると一歩手前ではありますが、スマートフォンの性能としては高性能な部類に入ります。

続いて、P30 Proの外観を紹介していきます。

外観

今回お借りできたのは「ブリージングクリスタル」というカラー。見る角度によって色が変わるグラデーションカラーとなっています。

背面の文字が横向きにプリントされているのがP30 Proのデザインの特徴。Leica(ライカ)監修スマホでカメラに力を入れているだけあり、実際の「カメラ」を彷彿とさせるデザインとなっています。

クアッドカメラは盛り上がっていますが、比較的出っ張りは控えめ。

FeliCaは先端側の使いやすい位置に配置されているのは好印象です。

下部はフラットになっており、USB type C端子とスピーカー、NMカード/SIMカードのスロットが搭載されています。

左側面はボタン類無し。本体の側面は丸みを帯びた湾曲ボディになっており、持ちやすい形状です。

右側面はボリューム・電源ボタンが配置されており、電源ボタンにはアクセントカラーが入っています。

指紋センサーは画面内に配置されています。

画面上部のノッチは設定で黒枠化可能

P30 Proは画面上部にインカメラのノッチがありますが、設定で隠す事が可能です。

設定でノッチを隠したところ。中央の切り込みが気になり、没入感を重視するのであればおすすめの設定です。

カメラ作例

P30 Proの本題であるカメラで実際に撮った写真の作例を紹介していきます。

都内の風景をP30 Proの超広角で撮影したところ。ファーウェイのSNS映えする写真の味付けと、迫力のある超広角の組み合わせは映える写真が撮りやすそうです。

夜の手持ち撮影性能もP30 Proの強み。ここから望遠性能を試していきます。

まずは10倍ズーム。

からの50倍ズーム。夜間の手持ち撮影でここまで寄れるのは驚異的ではないでしょうか。

月の撮影もこのとおり手持ちで可能。

パーキングエリア夜景もビビッドに味付け。この作例では少し味付けがくどいように感じます。

深度測定用のカメラを別途設けているだけあり、背景ぼかし機能もかなりナチュラル。

料理を撮影した一枚。自動的にマスターAIが食事として認識して「フード」モードにし、色合いを強調しています。

マスターAIをオフにして撮影したもの。オフにした方がナチュラルに撮れて個人的に好みです。

全体的にマスターAIが強めの味付けをする傾向ではあるものの、風景から望遠や夜景、食事など様々なシチュエーションで綺麗に撮れる強力なカメラに仕上がっています。また、味付けが強すぎる場合はマスターAIをオフにして撮影する事もできるので、気に入らなければナチュラルに撮れるのはありがたいところです。

カメラアプリのズームUIは難解

画質的にはとても強力なP30 Proですが、画面のUI的に気になったのは、ズームボタンが中央下部にあるところ。50倍ズームを売りにした端末という事を考えると、スマホカメラ的にはiPhoneのようにもう少し分かりやすく片手ズームできる位置にボタン類があっても良かったのではないかと思いました。なお、左右端を上下にスワイプするとズーム操作が可能ですが、初見では分かりませんでした。

圧倒的カメラ性能だけで持つ価値のあるスマホ

夜景50倍ズームの作例を見ただけでもこのスマホのカメラは他のスマホと比べて別格なのだと感じました。同じくズームを売りにしたOPPO Reno 10x Zoomも持っているのですが、P30 Proの望遠性能はそれと比べても圧倒的。夜景も望遠も強く、流行の超広角も兼ね備えており、カメラ目当てで買うのであればこの機種で間違いないかと思います。

一方で、普段使いのスマホとしては物足りない部分もいくつか。まず、6.5インチでFullHD+のディスプレイは画面サイズに対しての解像度が明らかに不足していると感じました。以前購入して使っていたP20 Proの6.1インチFullHDの時点で画面が粗いと思っていたので、同じ解像度で6.5インチの大画面になると一層感じるポイントでした。カメラが良いだけに、撮った写真を確認する画面がディテール感に欠けるのは残念。

また、ステレオスピーカーもイヤホンジャックもないので音を頼りにしたタイトルの場合はゲームをプレイしたい場合も不便。またKirin 980は多くのゲームで不足は感じない性能ではありますが、Snapdragonと比べると処理性能に劣る事から、今後より高性能を要求するゲームが出てきた時に最前線でプレイできるハイスペック端末が欲しい場合はSnapdragonを採用したモデルの方が良いというのは従来のファーウェイ機種と変わらない状況のようです。

カメラ目当てなら間違いないなと思わせる機種な一方で、フラッグシップのスマホとしては解像度やスピーカーなど、欠けている点もいくつか感じました。ただ、やはりカメラが圧倒的。他のスマホでは絶対に撮れないような写真が撮れる機種なので、欠点を受け入れても持つ価値があると思いました。購入はドコモオンラインショップからどうぞ。お安く中古の白ロムで買いたい方はイオシスも要チェックです。

次の記事
前の記事
アバター画像

キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のサイト作りと愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブとカフェ開拓。2022年1月1日からガジェットVtuberとしてYouTubeも始めました!