2010年の初代モデルのMacBook Air 11inch (MC505J/A)が店頭で39,800円で特価販売しており、安さに釣られてうっかり手が滑って購入してしまったので使い物になるものか試してみました。
今回入手したのは2010年に発売されたMacBook Air 11インチ(Late 2010)モデル。Core 2 Duo 1.4GHz、メモリ2GB、グラフィックはNVIDIA GeForce 320M 256MB、ストレージは64GBのSSDという構成。現行モデルと比べるとCPUも旧世代、メモリも半分の2GB、ストレージも半分の128GBとかなり低スペックですが、グラフィックボードはオンボードの現行モデルとは違いNVIDIAのGeForce 320Mを搭載しています。
OS X Mavericksを導入
2010年モデルでRAMも2GBしかないMacBook Airは当時のスペック相応のリソース消費のMac OS X 10.6 Snow Leopardのまま使うのが最も快適かもしれませんが、今回はソフトウェアの互換性などを重視しOS X Mavericksをインストール。OS X Yosemiteは最新モデルのMacBook Proでも動作が怪しいので、今回は見送りました。
SSDの速度をチェック
ストレージ読み書き速度のベンチマークであるBlackmagic Disk Speed Testをインストールして速度を計測。結果は書き込み170MB/s、読み込み200MB/sと、5年前のPCとしては優秀な数字なのではないでしょうか。
ストレージの少なさは大容量USBメモリでカバー
今回入手したのは2010年モデルの標準構成のため、内蔵ストレージはたった64GB。最近のMacはアプリの容量も大きく、内蔵ストレージだけではかなり心細い状態となっています。そこで小型大容量のUSBメモリを常用ストレージとして導入する事で乗り切る作戦に出ました。最近はUSBメモリもかなり安くなってきており、64GBのものでも3000円台程度で入手可能。ただ、2010年モデルのためUSB 2.0までの速度しか出せないのが残念なところです。USBメモリに作業ファイルやDropboxなどのクラウドストレージの同期フォルダ、iPhotoライブラリやiTunesライブラリを置く事によって、合計128GBのストレージ容量になり実用性は大幅にアップします。
RAMの少なさはそれほど気にならない
先述したとおり、2010年モデルとはいえMacBook Airは比較的高速なSSDを搭載しています。RAMは2GBしか搭載していないものの、不足した場合はこの高速SSDを代用するためワンテンポ待つ事になるのは仕方ないものの、作業できないレベルでの遅延にはなりません。普段はRAM 8GB~16GBのマシンを使っているため正直「RAM 2GB」の表記には今回かなり警戒していましたが、使い物にならないだろうと思っていたマシンが思いの外使えるレベルでびっくりしました。
困った事
1. キーボードバックライトがない
2. USB 3.0に対応していない
3. Thunderboltに対応していない
意外と気になったのがキーボードバックライト。MacBook AirにMacBook Proのようなキーボードバックライトが搭載されたのは2011年モデルからのため、初代MacBook Air 11inchであるところの2010年モデルには搭載されていません。見た目の違いはほとんど無いものの、実際使ってみると無意識のうちにキーボードバックライトに頼っている面が多かったようで、タイピングしていてふと足元を見失う事がありました。普段はたかがキーボードバックライトと意識していなかったものだけに、意表を突かれました。
2012年モデルで初めてUSB 3.0が搭載されたMacBook Airは2010年モデルの時点ではUSB 3.0に対応しておらず、USB 2.0。USB 3.0は他のWindowsノートパソコンのように端子が青くなるなどの見た目上の違いはないものの、転送速度が大幅にアップするので割と重要な項目です。特に今回64GBという少ない内蔵ストレージをカバーするためにUSBメモリを使っているため、それへのアクセス速度が絞られてしまうのは結構な痛手でした。
また2010年モデルは見た目は同じ形状の端子ではあるものの、2011年モデル以降に搭載されているThunderboltが非搭載で画面出力用のDisplayport端子のみ。Thunderboltを搭載していればMacBook同士でのデータや環境を内蔵SSDにアクセスするのに近い速度で転送できるため、複数のMacを持っていたり、既存のMacから環境を移行したいと思っているのであれば最速のデータ移行方法となっています。これが2010年モデルには搭載されていないため、データの転送手段がWiFiもしくはUSB 2.0のみに限られるのがつらいところ。また、ターゲットディスクモードを使えばThunderboltケーブルで繋いだMacがそのまま外付けドライブとして別のMacにマウントできるなど、Macを複数台使うこなしている人には欠かせないポートとなっています。
スペックこそは今時のモバイルノートと比べて見劣りするものの、フルサイズのAppleのキーボードを搭載し、Macが満足に使えるギリギリのサイズまで落とし込んだノートパソコンとして非常に良くできたマシンだと再認識できました。Thunderbolt端子やキーボードバックライト搭載、総合的なスペックアップや電池持ちの改善などブラッシュアップされているものの、ベースの初代モデルの時点で完成度が高く、中古の相場があまり値崩れしない事も頷けるマシンです。
電池持ちに関しては5年前のモデルで長時間の使用は厳しいものの、以前レビューしたMacBook Air/MacBook Proが充電できるモバイルバッテリーを使う事で実用性はカバーできました。動作は現行モデルと比べると若干重たいものの、アプリをあまり複数立ち上げずシングルタスクを心がければ十分に実用性があります。
Retinaディスプレイ搭載などの噂が流れておりモデルチェンジを控えたMacBook Airですが、現行モデルの中古品も今後十分コストパフォーマンスの高いモバイル機として活躍するマシンであると言えます。自分はiPhotoで写真編集をしてブログの原稿を書くモバイル用の機種として満足出来ました。