GoProキラーの本命「DJI Osmo Action」レビュー。早速GoPro/Osmo Pocketと手ブレ比較、車載等を試す

ドローンやジンバルなどの撮影機材で有名なDJIが満を持して発売したアクションカメラ「OSMO Action」を購入して早速使ってみたのでレビューをしてきます。


Osmo ActionはDJIから新しく発売されたアクションカメラ。公式のPVは以下のとおり。

アクションカメラの代名詞と言えばGoProですが、Osmo ActionはそのGoProの最新フラッグシップモデル「GoPro HERO7 Black」の競合ポジションにあたる製品。GoPro HERO7 Blackのように強力なソフトウェア手ブレ補正の効いた4K動画が撮影でき、様々な場所にマウントして映像を撮影する事ができます。

また、GoProに無い明白な差別化要素として、前面に画角確認用のディスプレイが搭載されています。背面と違いタッチ操作はできないものの、撮影するシチュエーションが幅広いアクションカメラにとってはこの前面ディスプレイは強力な武器。単体の防水性能もGoProを上回っており、ケース無しで11mまで水中に潜る事ができます。

Osmo Actionのパッケージ

パッケージを開封すると、マウント用のケースに挿入されたOsmo Action本体が登場。出荷時の保護フィルムには各ボタンの操作などが書かれています。

同梱品は写真のとおり。バッテリーはmicroSDと一緒に保管できるケースが付属し、その他はマウント用の付属品数個に加えUSB type A – USB type Cケーブルが付属。

Osmo Action本体を確認

こちらがOsmo Action本体。前面にディスプレイがあるのが特徴的です。

Osmo Actionのロゴ下には排熱用のフィンが搭載されており、アクションカメラにありがちな長時間利用での熱問題が対策されています。この手の熱対策としては以前Xperiaにヒートシンクを付けて4K撮影時間を3倍にしたり、同様にヒートシンクで夏のPUBGを快適にしたりと個人でも色々と遊んでいるのですが、この手の排熱フィンは実際に効果が期待できるので、最初から搭載されているのは嬉しいところ。

レンズ部分はペットボトルのキャップのように回して外せるようになっており、後日発売予定となっているNDフィルターに交換して本体直結で固定する事が可能。

側面のQSボタンはモード切替機能のほか、前面と背面の画面切り替え機能も振られています。

上部は電源ボタンとシャッターボタンが左右に並んでいます。指で触って形状が違うので、比較的間違えにくく好感触。GoProと比べて電源オン・シャッター共に圧倒的にレスポンスも良いです。

底面は蓋一体型のバッテリースロット。2箇所のスライダーでロック解除するようになっています。

背面のタッチパネルはGoProと比べるとワイドで大画面、狭額縁となっており、操作性も良好です。

歩きながら・走りながらの手ブレ補正をGoPro HERO7 Black、Osmo Pocketと比較する

手元に以前購入したGoPro HERO7 Black、そしてDJIが昨年末に発表・発売した超小型ジンバル内蔵カメラのOsmo Pocketがあったので、3機種の手ブレ補正効果を比較するためにカメラプレートに3台固定して撮影してみました。

まずは、大きな手ブレが発生するであろう走りながらの撮影。Osmo Pocketはさすが物理的な3軸スタビライザーを内蔵しているだけあり安定しており、他アクションカメラ2機が斜めになっている所も水平が保たれています。

一方アクションカメラ同士の比較としてもOsmo ActionはGoPro HERO7 Blackと比べても目に見えて揺れが少なく感じます。GoPro HERO7 BlackのHyperSmooth手ブレ補正は昨年の発売当初は驚異的に感じましたが、今回のOsmo Actionの手ブレ補正「RockSteady」は更に上を行くレベルだと思います。

続いては歩きながらゆっくり撮影。この程度の手ブレであれば、アクションカメラ2機種の手ブレ補正にそこまで差は感じないのではないでしょうか。一方で色味に関しては3機種とも全く違うテイストとなっており、このあたりは好みも分かれるところ。画角に関してはOsmo Pocketが最も狭く、逆にGoPro HERO7 Blackの広さが際立っています。

Osmo Action、GoProともにアクションカメラでありながら手持ち撮影もここまで安定して撮れるのは流石ですが、用途が手持ち撮影中心であればやはりOsmo Pocketが安定性・画質共に頭一つ抜けていておすすめできます。

車載マウントしてタイムラプス撮影を試す

車にマウントしての撮影性能も試してみました。Osmo Actionは前面ディスプレイが搭載されているので、この写真のように前面からしか確認できない位置に固定しての撮影時はとても重宝します。個人的には購入に至った理由の中でかなり大きいポイント。なお、Osmo Actionの接続部分はGoPro用のマウント機材と互換性があるため、時速240km以上にも対応するGoPro純正サクションマウントなどのGoPro向けのマウントアクセサリを流用する事ができます。

まずはタイムラプス機能を使った撮影を試してみました。

首都高の夜景をタイムラプスで撮影したものがこれ。安定した映像となっており、夜景も綺麗に写っていて想像以上に良く仕上がったと感じました。

続いては、タイムラプスではない通常の4K動画撮影。こちらはフロントガラスに固定して撮影してみました。ガラス面が汚れている点はご愛嬌ということで。

段差で車両が揺れていますが、映像は背景に軸が合っており、画角に対して自車は上下に動いているものの背景はきっちりブレずに写っているあたり、RockSteady手ブレ補正が効いているのを感じる事ができます。昼間と比べると光量が少なく小型カメラには厳しい夜のドライブ動画ですが、綺麗に撮れています。

今回のテストで、タイムラプス、通常撮影ともに車載映像に十分に活躍してくれそうな動画が撮れたと感じました。車載マウントする分には手ブレ補正の差異はそこまで感じません。ただ画角に関してはGoProよりはやや狭いため、「アクションカメラで撮っている感のある迫力」に関してはGoProに劣る印象を受けました。

microSDカードは低速だと再生機能が利用不可

Osmo Actionは高速なmicroSDカードの利用が推奨されていますが、速度が不十分なmicroSDを利用すると警告が表示され、撮影した動画の再生機能が一切利用できません。撮影こそはできるものの、Osmo Action用に購入するのであればUHS-I U3対応microSDカードあたりが安心かと思います。

社外バッテリーも選択可能

Osmo Action純正バッテリーはAmazonにて約2,300円で購入可能ですが、サードパーティからバッテリー×2+充電器のセットも販売されており、コスパ良く長時間撮影する事が可能。こちらのバッテリー&充電器セットは以下のレビュー記事で紹介しています。純正バッテリー同様約1時間弱の4K60fpsの撮影ができるので、長い時間撮りたい方にはおすすめのアクセサリです。

総評:アクションカメラの新王者誕生かも

Osmo Actionを実際に使ってみた総評ですが、総合的に見てGoPro HERO7 Blackの上位互換に感じる面が多くありました。動作速度は圧倒的にOsmo Actionのほうがサクサクで、電源、シャッターともにGoProより快適に操作する事ができました。背面の大きなタッチパネル、前面の確認用サブディスプレイあたりの使い勝手もかなり良好で、とても使いやすいです。手ブレ補正も画角を犠牲にした分、しっかり補正に回されている感じがします。

一方で、残念だと思ったのはGPS非搭載な点。GoPro HERO7 BlackはGPSを内蔵しており、上記スクリーンショットのようにスマホアプリから車載映像に速度計や地図などの情報をオーバーレイして出力する事ができます。車やバイク、自転車などの乗り物にマウントして使う用途であればこれは嬉しい機能。Osmo ActionにはGPSが搭載されていないのが車載アクションカメラの用途では惜しいと思いました。画角に関してもGoProの方が広くて迫力があり、車載カメラとしてはGoPro HERO7 Blackに軍配が上がるかもしれません。使い分けるとしたらメインのアングルの映像にGoProを使ってGPS情報を埋め込み、前面ディスプレイが活躍するシビアなアングルにOsmo Actionを割り振るのが棲み分けとしては良さそうです。

Osmo Actionは44,820円で販売中。カテゴリは違うものの手ブレ補正搭載の小型カメラとしては同じ価格で画質で勝る同社のOsmo Pocket、数千円高いもののGPSを搭載しているGoPro HERO7 Blackと価格帯が近く悩みどころですが、手持ち撮影が中心ならOsmo Pocket、GPSが欲しければGoPro HERO7 Black、といった選び方で良いかなと思います。

総合点では今回のOsmo Actionはアクションカメラ界の新しい王者と言っても差し支えなく、GoProキラーとして申し分ない完成度だと感じる製品でした。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。