Apple Watch Hermèsは1年使っても定価で売れる?常時表示できるSeries 4→Series 5の乗り換えの悩み

昨年購入したApple Watch Hermès(Series 4)を最新モデルのSeries 5に買い換えるか検討中です。


Apple Watch Hermèsはその名のとおり、AppleとHermès(エルメス)のコラボレーションによって販売されているApple Watchの特別モデル。通常モデルの違いとしては昨年のレビューにて紹介しているとおり、Apple Watch Hermèsにのみ配信されている文字盤、専用のレザーバンド、および同梱される専用色のスポーツバンド。それ以外の機能、性能は通常のApple Watchと同一です。

今回iPhone 11シリーズと共に発表されたApple Watch Series 5では、昨年のApple Watch Series 4で刷新された丸みを帯びたデザインはそのまま、有機ELディスプレイのリフレッシュレートを1〜60Hzの間で可変させる事で、バッテリー持ちはキープしたまま文字盤を常時表示できるようになりました。Apple Watchは従来、腕を上げて顔の方に文字盤を向けなければ画面のスリープが解除されず、時間すら分からなかったので大きな改善となっています。

機能的には両手が塞がっていたり、電車のつり革にぶら下がっていて腕が動かせないシーンでも画面の情報を参照できる、といったところで便利になるのですが、Apple Watch Hermèsの場合は魅力はこれに限らないのです。

Apple Watch Hermèsは限定の文字盤+象徴的なバンドの組み合わせによってApple Watchでありながら一目でエルメスと分かる世界観を表現しているデバイス。そのため、スリープで画面が消灯してしまうとその世界観が半分消えてしまうのです。これは一年間Apple Watch Hermèsを使っていて地味に残念に思い続けていた点。

そのため、文字盤を常時表示できるApple Watch Series 5でApple Watch Hermèsは完成すると言っても過言では無いほど重要なアップデートだと感じます。もし昨年購入したのが通常のApple Watch Series 4であれば常時表示のためだけに乗り換えるのは検討しませんでしたが、エルメスモデルに手を出してしまったばかりに、文字通り贅沢な悩みを抱えてしまう事になりました。

「エルメスモデルは中古でも定価で売れる」は本当?

昨年初めてのApple Watch Hermèsを購入するにあたって後押しとなった大きな要素として、「Apple Watch Hermèsはリセールバリューが下がらないので翌年は購入した価格で売却できる」という事を耳にしたのがあります。実際、Apple Watch Hermèsを1年間使い、ほぼほぼ定価で売却できたという話を複数の知人から聞きました。Apple Watch Hermèsはモデルにもよりますが定価が15〜16万円前後。もし1年後に本当に同じ価格で売りぬけるのであれば、1年後型落ちになるや大幅に買取額が値崩れしてしまう通常のApple Watchを買うよりむしろお得なまであります。

そして1年使った今、実際にApple Watch HermèsのSeries 4モデルのオークションの落札価格を見ると、状態問わず10万円前後が多いようです。6割程度でしょうか。純正バンドが抜かれて社外品になっていたりするので、バンド単品の販売価格を差し引けば実質定価と言っても良いかもしれませんが、手放しに定価で売れるとは言えない状況です。

やはり翌年定価で売りたいのであれば、その年を過ぎると手に入らなくなる限定色のバンドで購入、かつそのバンドを美品or未使用のまま保存する必要がありそうです。今年のモデルで言えば、現在予約が集中しているオールブラックのスペシャルエディションあたりがリセールバリューが高くなりそうに見えます。

実際知人のApple Watch Hermèsユーザーに話を聞くと、以前から使っていたエルメスのバンドを引き続き使い、箱に入っていたバンドは未使用のまま保管している、という方も居ました。確かに、そうすればリセールバリューを保ちつつ使う事ができそうです。バンドだけ”エルメス風”の社外品にするのは本物のエルメスバンドと模造品の比較レビューでも紹介したとおり質感や作りが全く異なるのでおすすめしかねますが、他にお気に入りのバンドがあるのであれば出荷時のバンドをリセール用にキープというのはアリな気がします。

ひとまずはSeries 4続投で。

限定バンド+本体であれば満額近くでリセールバリューがつくため、「エルメスモデルは中古でも定価で売れる」はあながち嘘では無いようです。実は春先のwatchOSのアップデートに合わせて販売された春の限定色バンド「ヴォー・スウィフト(ブルー・ラン/クレ/ブルー・デュ・ノール)ドゥブルトゥールレザーストラップ」を追加購入しており、比較的綺麗な状態で保ってはいるため売ろうと思えばセットで売れるのですが、春のwatchOSアップデートで配信されたこのバンド用の文字盤との組み合わせも大変気に入っており、正直手放したくないのが本音。また、購入時に入っていた茶色のほうの二重巻きバンドも購入当初の硬さが柔らぎ、しなやかになった事で簡単に腕に二回巻けるようになったため、良い意味で使用感がついてきて愛着が湧いてしまっています。

使えば使うほど愛着の増すレザーバンドは長く使いたい一方で、本体側は電化製品のため可能な限り最新のハードウェアにアップデートしたいというジレンマ。バンドをキープして本体だけ売却し、差額で新型のApple Watch Hermèsを購入、そのまま未使用のバンドは翌年売却する用に取っておく、といった事もできなくは無いですが、正直2019年モデルのApple Watch Hermèsは発売段階では購入したくなる好みのバンドが無いです。もし昨年同様追って別の色が投入された場合、好みであればそのタイミングでうまくSeries 4→Series 5に乗り換えられればなと思っています。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。