AirTag・カード型・GPS内蔵等、おすすめの紛失防止タグまとめ【用途別】

AirTagをはじめ、身の回り品の紛失を複数の機能で対策できる紛失防止タグ。今回は色々と使ってみた経験から、取り付ける物ごとのおすすめの製品をまとめていきます。


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紛失防止タグの概要と現状

紛失防止タグ(スマートタグ、トラッキングタグ、スマートトラッカーとも)は財布や鍵などの持ち物に取り付ける事で、遠隔で音を鳴らしたり、置き忘れ時に通知したり、最後に接続が失われた位置情報を記録したり、紛失した場所の周りのデバイスや設備を介して位置情報を追跡したりといった機能で紛失を防止する事ができるデバイス。

AppleのAirTagTileMAMORIOといった製品が各社からリリースされており、紛失時には各社独自のネットワークで位置を追跡する事が可能。AirTagはiPhone・iPad・MacなどのApple製品を介して、TileやMAMORIOはそれぞれのアプリを入れたスマートフォンのユーザー網や駅などの公共交通機関に設置されたアクセスポイントを介して位置を追跡する事ができます。

また、AppleのAirTagが使っている「探す」ネットワークは他社の互換製品にも開放されており、AirTag同様のApple製品網を介した位置情報の追跡が可能。これを利用した代表的な製品としてはAnkerのSmartTrack Link(レビュー)、SmartTrack Card(レビュー)などが登場しており、AirTag以外でもこの強力な追跡ネットワークの恩恵を受けることが可能となっています。

ただし「探す」アプリを使うにはiPhone・iPad・Macが必要なため、Androidのみ使っているユーザーであればAirTag系以外のネットワークを使った製品がおすすめ。現時点ではTile Mateなど独自の追跡網で両OSに対応したものが選択肢になってきますが、Googleは2023年5月のイベント「Google I/O」にてAndroidを使った同様の追跡ネットワークの導入を発表しており、TileやChipoloをはじめとしたメーカーがこれに対応したデバイスを順次発売予定となっています。

用途別のおすすめ紛失防止タグ

それでは、実際に取り付ける物ごとのおすすめの紛失防止タグを紹介していきます。

1. 鍵:AirTag

鍵に取り付ける用として最もおすすめなのがAppleのAirTag。世界中のAppleユーザーの製品を介してAirTagを探す事ができるため、(GPS・通信内蔵の物を除けば)紛失防止タグの中では位置の追跡性能はトップクラス。また、実際に紛失した場所でAirTagを探す際もUWBを用いて空間上のどちらの方向にAirTagがあるか高精度に追跡する事ができるため、最優先で探す必要のある鍵のような重要な貴重品には最もおすすめできる製品です。

また、Apple製品らしくケースの選択肢が豊富なのもポイント。毎日持ち歩く鍵に着けるのであれば、無骨な黒いプラスチックタグよりも自分の好みに合ったキーホルダーが選べるのはメリットです。

ただAirTagのデメリットとして、Androidでは利用できません。Androidユーザーの場合はTile MateといったAndroidからも位置情報を追跡できる製品がおすすめです。

AirTagの価格は4,780円と紛失防止タグの中ではやや高めの部類ですが、最も重要な貴重品を紛失から守る手段としてはiPhoneユーザーはひとつ持っておいて良い製品と言えます。

2. 財布:SmartTrack Card

財布用の紛失防止タグとしておすすめなのが、以前レビューでも紹介したSmartTrack Card。AnkerによるAppleの「探す」ネットワーク対応のカード型の製品で、AirTagと同等のApple製品網を使った位置情報の追跡に対応しながらも、クレジットカード2枚分のサイズに収まっています。AirTagのような分厚いタグが収まらない財布にもスマートに収まるのが最大の強み。

AirTagに搭載されているUWBによる空間上の方向の検知はできないものの、AirTag同等の位置情報の追跡や「置き忘れ通知」も利用できる強力な製品。これがあれば財布を落とした際の追跡だけでなく、家に財布を忘れた場合にも通知で教えてくれるため、財布を持たないまま出掛けてしまうといったうっかりを防ぐ事もできて便利です。

こちらも位置情報の追跡にはAppleの「探す」アプリが必要なため、Androidユーザーであれば同じくカード型のTile Slimがおすすめ。ただしこちらは置き忘れ通知にはTile Premiumのサブスクリプション契約が必要です。無料で置き忘れ通知を使いたい場合はMAMORIOシリーズを検討するのも手です。

価格は3,990円と、カード型の紛失防止タグの中では最安の部類なのも嬉しいところです。

3. バッグ:AirTag

普段使いのバッグ用にもAirTagはおすすめ。先述した追跡性能も申し分無いですが、何より様々なケース・ホルダーが流通しているため、自分のバッグに合った装着方法が見つかりやすいのがおすすめポイント。アクセサリー感覚で着けることができます。

また、堂々と外側に装着できると音が聞こえやすいのもポイント。紛失防止タグはバッグの中のポケットに入れてしまえば見栄えは気になりませんが、その場合音を鳴らした時に音量が抑えられてしまうというデメリットがあります。好みの外観にカスタムしやすいAirTagは、その点でも理に適っていると言えます。

Androidユーザーの場合はAirTagに必要なAppleの「探す」アプリが使えないため、Android対応の製品がおすすめ。Tile MateTile Proなどはユニークなカラーがラインナップされているので、バッグ用のアクセサリとして個性を出しやすくなっています。

4. スーツケース:SmartTrack Link

AirTagの登場以来、飛行機で預けたスーツケースのロストバゲージ対策としてAirTagが重宝したというニュースは珍しくは無くなりました。飛行機で預けた荷物がロストバゲージとして行方が分からなくなってしまった場合、AirTagの位置追跡を使って場所を特定できると荷物が戻ってくる可能性が大きく向上する事が期待できます(ただし電源オンのままの預け入れが認可された航空会社でのみ利用可能)。

こういった前例に倣ってAirTagでも良いのですが、スーツケースに仕込んで位置情報を追跡するだけであればAirTagに搭載のUWB機能は不要なので、同じように「探す」アプリで位置情報を追跡できる他社の「探す」互換製品がコスパ良く同等の使い方ができておすすめ。

以前レビューしたAnkerのSmartTrack LinkはAirTagよりも安い2,990円という低価格でありながら、スーツケースに入れて紛失時の位置追跡を行う点に関してはAirTag同等の使い方が可能。世界中のApple製品を介して追跡するため、海外旅行にも通用する製品です。

5. 自動車:まもサーチ3

車の盗難対策として紛失防止タグを導入したいというニーズに関しては、AirTagや「探す」対応製品以外の導入がおすすめ。AirTagは仕様として「持ち主から離れて一定時間経って動かすと音が鳴る」「一緒に移動しているiPhoneに通知する」といった紛失対策や悪用防止対策が施されているため、車の盗難対策で設置した場合は犯人に追跡を知られてしまう仕様となっています。

そこでおすすめなのがGPS・WiFi・モバイル通信を内蔵して単独で位置情報を発信できる「まもサーチ3」という製品。本来子供や高齢者の見守り用に使える強力なデバイスです。

AirTagやTileのような周りのデバイスの仲介で位置情報を探す紛失防止タグと違い、まもサーチ3は内蔵のGPSやWiFiで位置情報を取得し、モバイル通信(ソフトバンク網のLTE-M)で位置情報を送信するため、周りに仲介デバイスが無くても単独で位置を追跡し続けられるのが特徴。

2ヶ月に1回のUSB-C充電が必要ではあるものの、車載用途の場合はカーチャージャーなどで電源を取る事で解決できます。

LTE通信を使うため月額528円または年額5,500円のサブスクリプションが必要なものの、本体価格は5,280円(セール時4,000円前後)と、一般的な紛失防止タグと同等範囲内。通常の紛失防止タグよりも強力な追跡性能を使って車を手軽に監視したい場合にはおすすめです。

AirTag一強ではなく、用途別に使い分けると効果的

紛失防止タグは製品ごとにメリット・デメリットがはっきりしており、用途別に使い分けると効果的。ただ該当製品のアプリを入れているユーザーだけでなく、世界中の第三者のApple製品を仲介して追跡できるAppleの「探す」ネットワークは非常に強力なため、このカテゴリの製品選びは現時点ではiPhoneユーザーが有利な状況となっています。ただGoogleもAndroidでこれに追従予定のため、今後各メーカーの対応状況でこの差は埋まってくる見込みです。

強力なAppleの「探す」ネットワークは2022年頃からラインナップが潤沢に出揃い始めており、詳細な位置を追跡できる本家AirTag、Ankerの財布に入るカード型のSmartTrack Card、安価なSmartTrack Linkなど、AirTag一強ではなく形状や機能、価格などで最適な物を選べるようになっています。

今回は5年ほど紛失防止タグを使った上での個人的な用途別のおすすめをまとめてみましたが、やはりこういった対策を行うと万が一の紛失時に実際に対応できるのは勿論のこと、万が一が無くとも日常生活での不安感を払拭できるのは導入して良かったなと思うところ。

また、紛失はせずとも「家の中で見つからない時に音を鳴らして探せる」「家に置き忘れてしまった時に教えてくれる」機能は思いのほか役に立つケースが多く、物を探している時間を短縮できたり、うっかり財布を忘れて出先で困る事が無くなったりと、普段使いで助けられています。

紛失防止タグは日常の痒い所に手が届いて快適にできるアイテム。家の中で物が見つからない事がある人、外出時に何か忘れ物をしたか不安でそわそわする事のある人は特に検討してみてほしいアクセサリです。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。