AirTagの「探す」が安価に使える「Anker Eufy Security SmartTrack Link」レビュー

AppleのAirTagのように世界中のApple製品の無線ネットワークを駆使して「探す」アプリで物の場所を特定できるトラッキングタグ「Anker Eufy Security SmartTrack Link」を実際に使ってみたのでレビューしていきます。


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「Anker版のAirTag」

SmartTrack Linkは、Ankerのスマートホームブランド「Eufy」で展開されているトラッキングタグ。SmartTrackには今回紹介するキータグ型の「Link」のほか、クレジットカードサイズのカード型の「Card」がラインナップされています。Cardに関しては別記事でレビューしています。

AppleのAirTag同様、世界中のiPhone・iPad・MacといったApple製品を介した「探す」ネットワークを使った追跡に対応しており、自分のデバイスの電波の届かない場所にあっても周りのApple製品を介して位置を探す事ができます。

AirTagと違いAndroidでもEufy Secuirtyアプリをインストール事で一部機能が利用できるのも特徴。

個人的に2022年末に購入してから使っている上、その利便性から両親の忘れ物防止にもプレゼントしており、自分で使う用にも人に渡すプレゼント用としてもおすすめのアイテム。今回は実際に使った使用感やAirTagとの違い、おすすめの用途などを紹介していきます。

SmartTrack Linkの外観

これがSmartTrack Link。色はブラック1色のみとなっています。

ストラップやキーリングが装着できる穴があり、取り付ける持ち物にぶら下げる事ができます。

背面には音声で探せるスピーカーのほか、発見した人がスキャンして紛失した持ち主からのメッセージを閲覧できる2次元コードが印刷されています。

AirTag同様Appleの「探す」アプリに対応

SmartTrack Link最大の特徴は、AppleのAirTag同様、iPhoneやMacの「探す」アプリに対応しているところ。AirTag同様に探すアプリからデバイスを追加し、世界中のiPhone・iPad・MacといったApple製品の追跡網を使って紛失時にSmartTrack Linkの位置を探すことができます。

また、SmartTrack Linkは「探す」に加えてAnker独自の「eufy Security」アプリも併用する事でAirTagには無い機能を使うこともできます。

Androidでも利用できる「eufy Security」アプリ

SmartTrack Linkで使える「eufy Security」は、Appleの「探す」には無い機能も搭載したAnker独自の管理アプリ。Appleの「探す」との機能の差は以下のとおり。


eufy Security

Apple 探す
持ち物を探す ⚪︎ ⚪︎
位置の特定 ⚪︎
スマホを探す ⚪︎
置き忘れ通知 Androidのみ ⚪︎
デバイス共有 ⚪︎

自分の近くにあるSmartTrack Linkを探す場合は「eufy Security」「探す」どちらのアプリでも行うことができますが、Appleの「探す」ネットワークを用いた位置情報の追跡はApple純正アプリでのみ対応。

また、eufyのアプリはインストールしておく事でSmartTrack Link側からボタン2度押しでスマートフォンを鳴らして探す事ができます。財布や鍵などにつけておけば、スマホが見つからないといった場合に手元のタグから探せるのは便利。

置き忘れ通知に関してはApple純正の探すアプリで対応しているiPhoneでは省略されていますが、Androidで使う場合はeufy Securityアプリで利用可能。競合製品のTile Mateでは置き忘れ通知はTile Premiumの有料会員限定の機能ですが、eufyは追加料金無しに利用する事ができます。

eufy Securityを入れた家族や友人に共有して権限を渡す事ができるデバイス共有機能も搭載しており、家族に一時的に鍵などを渡す際にeufy Securityの機能を複数人で使う事もできるようになっています。

AirTagとSmartTrack Linkの違い

AppleのAirTagとの違いを比較してまとめると以下のとおり。


SmartTrack Link

AirTag
スマホから鳴らす ⚪︎ ⚪︎
スマホを鳴らす ⚪︎
Apple「探す」 ⚪︎ ⚪︎
UWB ⚪︎
Android対応 一部機能
デバイス共有 ⚪︎
NFC ⚪︎
2次元コード ⚪︎
電池 CR2032 CR2032
価格 2,990円 4,780円

Apple本家のAirTagとの最大のハードウェア的な違いは、UWB(Ultra Wide Band)の電波を用いた正確な位置の追跡の対応。AirTagは対応したiPhoneと組み合わせる事によって音を鳴らすだけでなく、UWBで空間上の正確な位置を特定して画面上に表示して探す機能が搭載されていますが、SmartTrack Linkはこれが非搭載。「タグが家の中にあるけど見つからない」といったケースにおいてはAirTagの方が圧倒的に追跡力が高くなっています。

紛失時に他人に発見された際、AirTagはNFCによりスマートフォンをかざす事で持ち主からの紛失メッセージを表示する事ができるのに対し、SmartTrack Linkはこれを2次元コードで代替しています。

バッテリーはどちらも同じボタン電池のCR2032を採用。装着するものによって2つを使い分ける場合でも電池を統一する事ができるのはありがたいポイントです。

逆にAirTagに無いハードウェアとしては、物理ボタン。SmartTrack Linkは本体搭載のボタンを2度押しする事によってスマホ→タグだけでなくタグ→スマホを逆に探す事ができますが、AirTagの追跡は一方的。スマホを家の中などで置き忘れて探したいケースがある際はSmartTrack Linkが重宝します。

ハードウェア的な強みをまとめると、iPhone→持ち物を探したい場合はAirTag、持ち物→スマホを探したい場合はSmartTrack Linkが有利といったところです。

コントロールセンターのBluetoothに「T87B」と表示される場合も

Eufy Security SmartTrack Linkを接続している場合、iPhoneのコントロールセンターのBluetoothの部分に接続中デバイスとして「T87B」が表示される場合がありますが、これはEufy Security SmartTrack Linkの型番「T87B0N11」の頭を取ったもの。

身に覚えのないデバイスが表示されて不審に思うかもしれませんが、これはEufy Security SmartTrack Linkの物だと頭の隅に置いて認識しておけば安心です。

AirTagより安価な「探す」対応タグ

AppleのAirTagは紛失時に強力なApple製品のネットワークで持ち物の位置を探せる上、部屋の中で見つからない場合もUWBで正確な位置を探せるという非常に強力な性能を持ったトラッキングタグ。そのうちUWB部分は省かれているものの、そのApple製品の追跡網という美味しい部分を安価に利用できるのが、今回のSmartTrack Linkです。

ただし完全に下位互換というわけでもなく、SmartTrack Link側からスマホを鳴らして探せる機能や、置き忘れ通知を含めた一部機能のAndroid対応など、AirTagには無い独自機能も搭載しているのが魅力。

AirTagと同じ「探す」アプリでまとめて管理できるため、具体的な位置を探したい鍵などの小さなアイテムにはAirTag、置き忘れの通知・置き忘れた際の位置情報の追跡などで十分なカバンなどの大きなアイテムにはSmartTrack Linkといった具合に用途に応じて使い分けるのもおすすめ。位置情報の追跡に関してはAirTag同等なので、スーツケースのロストバゲージ対策などにも有用です。

また、今回紹介したキータグ型のほかにも同シリーズにはクレジットカードのポケットに収まるカード型も用意されているので、財布はSmartTrack Cardにするのもおすすめの使い分けです。

何より価格的にAirTagの定価4,780円に対して2,990円と割安に購入でき、4個セットの場合1個2,500円を切る上、Tileのような置き忘れ通知の追加の月額料金も不要。置き忘れ通知含めて複数のアイテムにトラッキングタグを導入して管理したい場合はAirTagより総額が大きく抑えられ、非常にコストパフォーマンスに優れた製品です。


鍵、財布、バッグ、スーツケースなどの用途別におすすめの紛失防止タグは「おすすめの紛失防止タグまとめ」の記事で紹介しているので、選定に迷っている方は是非参考にしてみてください。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。