iPhone・Androidスマートフォン向けに販売されている一体型ゲームパッド・コントローラー「Backbone One」を日本国内で販売している株式会社パワーサポートからの商品提供で頂きましたので、使い勝手をレビューしていきます。
この記事の目次
Backbone Oneとは
Backbone Oneは、iPhone・Androidスマートフォンを中央に嵌め込んでLightning・USBで有線接続することでiOS・Android向けのゲームを楽しめるほか、GeForce NOWのようなクラウドゲーミングやPSリモートプレイ・Steam Linkのようなゲーム機・PCのリモートプレイ端末として使うことが可能。
ラインナップは以下のとおり。
Lightning端子を搭載したiPhone用モデル、USB-C端子を搭載したAndroidモデルがあり、それぞれスタンダードモデルとPlayStation® Editionが用意されており外観・ボタン印字が異なります。いずれも価格は19,800円。
今回ご提供いただいたのはiPhone用(スタンダード)のBackbone Oneで、Xbox配列のボタンと黒い筐体のモデルとなっています。
Backbone Oneのパッケージ・外観
こちらがBackbone Oneのパッケージ。PC/Xbox One/クラウドゲーミングのゲームのサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」の無料特典付きである旨が記載されています。
パッケージを開けると、天井側には最新のiPhone 13 Pro・14・14 Proシリーズ用のカメラの突起対策のスペーサーが追加されています。こちらはBackboneのアプリを起動すると無料手配が案内されるため、同梱されない旧ロットを購入した場合も手に入るようです。
パッケージ内容。バッテリーを搭載していないデバイスのため、特に充電ケーブルなどは必要もなくシンプルな構成。
こちらがBackbone One本体。ゲームパッドとしてはオーソドックスな配置で、左はアナログスティック・十字キー・スクリーンショット・オプションボタンが配置されており、右はABXY・アナログスティック・Backboneボタン・メニューボタンが並んでいます。
右側にはLightning端子が搭載されており、Backbone Oneと接続したままiPhoneをパススルー充電する事が可能。またBlackBone+の有料会員サービスとしてiPad、Mac、PCに接続して使う事も可能です。
左側には3.5mmオーディオジャックが搭載されており、有線で音声を聞く事ができます。
上部にはL1/L2/R1/R2ボタンが搭載。
向かって右側にLightning端子が搭載されており、左側に付属のスペーサーを装着することによってiPhone 14 Proのようなカメラの突起の大きいiPhoneにも対応することができます。
iPhone 14 Pro Maxに装着したところ。引き伸ばすと「BACKBONE」の印字が出現します。なおPlayStation Editionの場合はここはPSロゴになります。
カメラ部分の突起もうまく収まっています。なお、厚み的にほとんどのケースには対応しないためケースを外さなくてはなりません。ケースをつけたまま使いたい場合はFrost Airのような極薄ケースが必要でしょう。
接続するとアプリのインストールを促され、起動すると自動でデバイスを認識します。以後はオレンジのBlackboneボタンでBackboneアプリを起動できます。
Backboneアプリは後述するBackbone+のメンバーシップに加入することで各種ゲームのランチャー機能、Twitch配信、プレイ動画のアップロード機能などが利用できるようになります。
Backbone One特典のサブスクサービス
Backbone OneにはBackbone+とXbox Game Pass Ultimateの2つのサブスクリプションサービスの無料特典が付属します。
Backbone+が1年無料
Backbone Oneのフル機能を使うためのBackbone+のサブスクリプションは1年間無料で、2年目以降は年額3,980円。こちらはBackbone Oneアプリのファームウェアアップデートなど一部を除く機能の利用に必要となっています。
DiscordのNitro会員が3ヶ月無料などの特典、Backboneの新製品&アクセサリが最大50%オフ、iPad/Mac/PCでのプレイ、1080p/60fpsの画面録画&共有、アプリ内音声&テキストチャット、Twitch配信機能などが含まれています。
Blackbone+はiPhone実機・クラウド・リモートプレイ全てのゲームが一箇所に集約され、オレンジのBlackboneボタンから呼び出してすぐ使えたりクラウドゲーミングサーバーのリグの順番待ちの際にバックグラウンドに回しておけたりと様々な細部の使い勝手が良く、他の競合製品と比べてソフトウェア面含めてトータルで使いやすくなるので、本機を使うのであれば是非組み合わせたいところです。
Xbox Game Pass Ultimateが1ヶ月無料
Xbox Game PassはMicrosoftの定額ゲームサービス。PC/Xbox One/クラウドゲーミングで利用でき、様々なタイトルを定額でプレイできるゲームのサブスクで、本機に付属するUltimateのプランは月額は1,210円のサービスです。
XboxやPCのリモートプレイだけでなくXboxのクラウドゲーミングも利用できるので、Blackboneアプリ内からXboxの各種対応タイトルをプレイすることができます。
実際Xbox Cloud GamaingでGTA VをプレイしてみましたがBlackbone Oneとの相性も良く、クラウドゲーミング環境としてはとても快適に感じました。
Backbone Oneの使用感は良好
Backbone Oneを使ってみた第一印象としては、軽くて持ちやすいゲームパッドです。
iPhone一体型のゲームパッドは以前GameSir X2をレビューしていますが、Backbone Oneは約2万円とこちらの倍額以上の価格帯だけあり、手に収まりやすく質感の完成度が高く感じました。
また、GameSir X2はiPhone 14 Pro Maxのようなカメラの突起の大きい機種はスペーサーをDIYしなければいけませんでしたが、Blackbone Oneにはスペーサーが付属するのも好印象です。
地味なマットブラックの筐体ですが、ボタン類は適度なクリック感があり押しやすく、アナログスティックも安定感があり使いやすかったです。ただ気になったのはL/Rトリガーと十字キーの押し心地で、ここだけ個人的にソフトすぎるかなと感じました。もう少し反動強めでクリック感がはっきりとしている方が操作しやすいのではないかと感じます。
iOS版の原神、GeForce NOWのクラウドゲーミング経由でApex Legendsをプレイしてみましたが、シンプルに快適なコントローラーだと感じました。
一体型のためワイヤレスコントローラーのように充電の必要が無く、無線による遅延とも無縁。非常に使い勝手の良い仕様となっています。
またiOS用のゲームでコントローラー対応タイトルを探すのが難しい場合、Backbone公式サイトのページでコントローラーサポートのあるタイトルがまとめられており、配信プラットフォームも分かるため、基本的にここを見れば対応タイトルは簡単に見つかるでしょう。
実際Blackbone公式サイトで新たに探してみたところ、Apple Arcadeで配信されているアメージング ボンバーマンがシンプルな操作感でBackbone oneとの相性が良かったです。バイブレータ連動も綺麗に仕込まれており、Backbone Oneと組み合わせるとかなりゲーム機でプレイしている感覚が強く感じられるタイトルです。
PlayStation® Editionはボタンの処理がPS風
今回はマットブラックの筐体のスタンダードモデルを試しましたがPlayStation® Editionの場合は色・ボタンの印字が変わるだけでなくPS5用DualSenseコントローラーのようにボタンの素材が透明になっています。個人的にはPSエディションの方が好み。マットではなく光沢感のある質感を求める方はこちらがおすすめです。
2万円の値札に納得できればiPhoneのお供に導入したい一台
Backbone Oneは実際にプレイした際の使用感はとても良く、スマホ一体型のゲームパッドの中ではボタンの押し心地やグリップの持ちやすさなど総合的に作りが良く、他社製品と比べてクオリティの高さを感じる製品でした。
Blackboneアプリを使うと対応ゲームへのアクセスが一箇所に集約されるため見た目だけでなく中身までしっかりと専用ゲーム機のような使い勝手になるため、トータルでのゲーム体験が良く練られていると感じます。
この製品の購入を検討する際に一番の壁となるのは価格でしょう。iPhone(あるいはAndroid)専用コントローラーに19,800円はオーバープライス気味で、かつコントローラー以外の追加の機能を全て使うためには年額3,980円のサブスクリプション加入が必須。モノ自体は良いので、このコストに納得できる方がターゲットとなるでしょう。
以前レビューしたGameSir X2と比べると市販価格が2〜3倍するだけありハードウェア面・ソフトウェア面ともに相応の作り込みを感じる製品ではありますが、スマホゲーム&クラウドゲーミングというカジュアル領域の中でハイエンドな専用コントローラーというポジションは言ってしまえば極めてニッチなカテゴリ。
より本格的にプレイしたい場合は先日レビューしたGPD WIN4のようなWindows搭載のポータブルゲーミングPCも選択肢として市場に増えてきている中で、モバイルOSの可搬性や電池持ちを取りつつゲーム体験を追求したいという、刺さる人には刺さる尖った製品だと言えるでしょう。