AKASO Brave7レビュー。約2万円でリモコン操作でき、レンズカバーも交換できる車載向きのアクションカメラ

購入しやすい価格帯のアクションカメラを多くラインナップしているメーカーのAKASOから、AKASO Brave 7をレビュー用に提供いただいたので紹介していきます。


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AKASO Brave 7とは

AKASOは購入しやすい低価格帯のアクションカメラを多く展開しているアクションカメラのメーカー。

ラインナップを大きく3つに分類すると定価約8,000円の格安エントリーモデルのEK7000シリーズ、1万円台でバッテリー容量などの性能を高めたV50シリーズ、そして今回紹介する、よりハードなアクションシーンの撮影に向けたBraveシリーズが展開されています。

BraveシリーズにはメインストリームのBrave 7、リモコンの画面を省くなどで価格を抑えたBrave 7 LE、より明るいレンズと大きいセンサーを採用した上位モデルのBrave 8などがラインナップされていますが、今回レビューする「Brave 7」はその中でもコストパフォーマンスのバランスが良く売れ筋のモデル。

最大4K/30fpsまでの撮影が可能なアクションカメラで、プレビュー用に前後2画面を搭載。IPX8の防水でレンズカバーも着脱・交換が可能、付属のリモコンでの遠隔操作可能といった仕様で、価格はAmazonにて22,499円

「勇敢」を意味するBraveの名前を冠したカメラだけにアクションシーンを意識した仕様となっており、防水でありながらレンズカバーが交換可能、かつAmazonにて単体で購入可能なので飛び石によるダメージのリスクのあるバイク・車の車載映像の撮影などにも適したカメラとなっています。

今回のレビューでは実際の作例を交えつつ、主に車載映像における映像品質や使い勝手に着目して本製品を紹介していきます。

Brave 7のパッケージ・同梱物一覧

こちらがBrave 7のパッケージ。かつてのGoProのように箱の上半分に透明の窓を作って本体が見えるようになっており、実際のサイズ感が分かりやすくなっています。

パッケージ下部は紙を破って開封するタイプ。一度開封すると元には戻せないため、付属のアクセサリなどを箱ごと保管したいユーザーには少し残念なところ。

パッケージ背面には同梱物のグラフィックが一覧にまとめられています。

今回は純正の64GBのmicroSDを併せて提供いただきました。Brave 7は512GBまでの容量に対応しており、最大64GBの制限がある廉価モデルのBrave 7 LEと差別化されています。

パッケージの外箱を外したところ。本体が装着された台座部分の下の箱にアクセサリが入っています。

中身を並べたところ。

GoProのマウント機材と互換性のある2プロング方式のアクセサリが一通り揃っており、ヘルメットマウントできる両面テープマウント、バイクや自転車のバーを挟んで固定できるマウントなどが付属するため二輪の車載映像撮影であればひとまずこのセットで撮影が開始できる内容となっています。

バッテリー2個と充電器、専用のリモコンが付属し、いずれもUSB type Cで充電する仕様。

なお、取扱説明書はオンラインでPDFでダウンロードする方式のためパッケージには同梱されません。個人的にページ数の多い説明書は紙で参照しながら設定したいので、できれば紙で同梱してほしかったところではあります。

Brave 7本体の外観

こちらがBrave 7。レンズ部分は回転させることで取り外せる着脱式カバーになっています。

レンズの横にはプレビュー用の前面ディスプレイが搭載されており、側面に配置されている上下ボタンの「↓」を長押しする事で前後の画面の切り替えが可能。

左側面にはスライドしてロック解除できる蓋が配置されています。

蓋の中はmicroSDスロットとUSB type Cポートを搭載。

microSDは端子側を上、印刷側を下の方向で挿入する仕様。microSDの差し込み方向を示すグラフィックがプリントされていないので、少し分かりにくいと感じました。

蓋の部分は着脱が可能で、給電しながらの使用も可能。タイムラプスなどの長時間撮影を行う際に便利です。

本体底面も同様にスライダーがあり、開閉できます。

ここに入るのはバッテリーのみ。microSDスロットがバッテリー部分と分かれているのは使いやすく感じるポイントです。

バッテリーを挿入したところ。バッテリーに関しては挿入方向のガイドがプリントされています。

背面にはタッチ操作式のディスプレイとLEDインジケーターが搭載されています。

付属のリモコンがこちら。

電源・撮影・モード切り替えの3つのボタンが搭載されており、撮影・モード切り替えを長押しする事でペアリングが可能。

ディスプレイ部分では現在撮影中の映像の長さが表示され、撮影状態が分かりやすいので便利です。

リモコンは付属のバンドを使う事で腕などに巻いて使う事が可能です。

レンズカバーを取り外したところ。水色のパッキンがレンズ周りに配置されており、着脱可能でありながら防水性能もキープ。万が一レンズカバーを傷つけてしまった場合、追加のレンズカバーはAmazonで1,399円で購入が可能。

付属のカメラフレームは装着したままmicroSD・USB type Cポートへのアクセスが可能。

風切り音を防ぐ防風スポンジはカメラフレームの上から装着する事ができ、前面側のディスプレイもそのまま利用可能。背面のディスプレイ、上部の電源&撮影ボタン、側面のmicroSD/USB type Cも切り抜きがあり利用可能。

左側面は装着したままmicroSDの着脱ができ便利。一方で、右側面の上下ボタンは完全にスポンジで覆われるため操作が難しくなります。

Brave 7の機能をチェック

4K 30fps撮影

実際に4K 30fpsで撮影した無編集のデータがこちら。

朝日の逆光に向かって走る画角でありながら健闘しており、格安アクションカメラにありがちな空全体が白飛びするような事もなく、2万円台前半の価格帯を考えると十分なダイナミックレンジが確保できていると感じます。

また4K撮影らしいディテールも保存できており、標識などの文字がくっきりと読み取れる事がわかります。

手ブレ補正はアルゴリズムが車載動画には不向きなシーンも

Brave 7は電子式手ぶれ補正「EIS 2.0」を搭載しているので、オンにして車載映像を撮影してみました。

細かい振動によるカメラの揺れは上手く吸収してくれるものの、車両旋回時の補正が苦手のようで、旋回開始・旋回終了時のカメラワークに角がついて不自然になってしまう場合がありました。

自動車やバイクなど、車載する場合はカメラ本体の手ぶれ補正はオフがおすすめ。よりアルゴリズムの優れたPCの動画編集ソフトやスマートフォンのアプリで編集にて手ぶれ補正を追加したほうが滑らかな映像に仕上がるでしょう。

広域なダイナミックレンジで撮影できるWDR機能を搭載

Brave 7は明暗差の大きい場面での撮影に最適化できるWDR(Wide Dynamic Range)モードが用意されています。広いダイナミックレンジを同時に撮影できる機能はInsta360 X3などでもHDRモードとして搭載されており車載映像に重宝している機能で、特に車の車内と車外を同時に映すようなシーンでは車外が白飛びしてしまう事が多いため、非常に便利な機能となっています。

上記の映像のとおり実際にBrave 7でWDRをオフにした状態とオンにした状態でデータを比較してみたところ、車外の景色をしっかり写したまま、車内の暗い部分がより明るく映っているのが確認できました。

ただ一方で初期設定のまま撮影すると車外の景色に関しては白飛びがWDRオフ・オンいずれも見られるため、出来れば車外の景色の明るさを基準に露出を調整できているとよりWDR機能が活きてきそうです。Brave 7はEV値の調整が可能なため、車内・車外両方を撮影する用途の場合はEV値をマイナス設定にして露出アンダーにした上でWDRをオンにすると良い結果が得られるでしょう。

夜景の撮影に強いダークライトモード

Brave 7に搭載されているダークライトモードはその名のとおり光源が限られている場合の撮影に向いているモードで、シャッタースピードを長くする事で光を多く取り込み、暗所撮影性能を向上させるというもの。

激しい動きには向かない機能ではあるものの、夜間の走行映像の撮影で使ってみると低価格なアクションカメラとしては比較的使える映像を撮る事ができます。ただ作例の中では看板周りの白飛びが確認できたり、シャッタースピード調整の影響かフレームレートが落ちる場面も見られるため、夜間メインでしっかり使うには不向きなのは変わらず。

あくまでBrave7を使った撮影で日が暮れてしまった場合などに、臨時で比較的使える夜の映像を回収できる機能として覚えておく程度が良いでしょう。

アクションカメラ自体夜間の撮影は光量不足で非常に苦手な分野ではあるので、夜間もしっかりアクションカメラで撮影したいのであれば以前紹介したInsta360 Ace ProのようなAIを用いた高機能なモデルでもなければ難しいでしょう。

ドライブモードでドラレコとしても利用可能

Brave 7は設定からドライブモードをオンにする事で、USB電源が供給されるのと同時に録画を開始、供給停止で録画終了といった挙動になり、ドライブレコーダーとして機能させる事が可能。なお、microSDの容量が埋まった場合も古い順に動画を削除していくため、保存しておきたい映像がSD内にある場合はこのモードの利用は注意が必要です。

AKASO Brave 7を使っていて気になったポイント

1. 日本語ローカライズの完成度が不十分

全体的に、カメラを日本語設定で使うとカメラ本体・スマホアプリともに日本語のローカライズの完成度があまり高くない点が気になりました。

翻訳に違和感がある箇所が多いだけでなく、UI上で手ぶれ補正機能の説明など複数の箇所で「□」のように漢字が正常に表示されず四角形として表示されてしまっている箇所があり、日本語での動作確認の不足を感じました。

もし英語に抵抗がない方であれば、英語設定で使った方が違和感が少ないかもしれません。

2. 手ぶれ補正/ダークライトモード/ズームなど併用できないモードが隠れている

Brave7のモードの中には、片方をオンにすると片方が使えなくなる排他仕様の機能がいくつか存在するものの、実際にオンにしてみないと分からず、グレーアウトして使えなくなっている場合は何が理由で使えないかが表示されず、自分でオン・オフを試して調査するしかありません。

例えば手ぶれ補正をオンにしている状態ではダークライトモードはグレーアウトしてオンにできず、ズームボタンも無効化されて使えなくなりますが、手ぶれ補正が原因だとはどこにも表示されないので、あらかじめこの組み合わせが使えない事を知らない場合は設定項目の中を右往左往する事になります。

この辺りのユーザビリティの配慮がBrave7は不足していると感じました。

3. 電源ボタン・撮影ボタンは別に欲しい

AKASO Brave 7は上部の1つのボタンが電源ボタン・撮影ボタンを兼ねており、他のアクションカメラの操作に慣れているとこの点は使いにくく感じました。

特にクイックキャプチャー機能を使う場合気になるところで、クイックキャプチャーをオンにした状態では電源をオフにしたBrave 7はボタン単押しで直接撮影開始、長押しで電源オンとなります。

一般的なアクションカメラではシャッターボタンを長押しでクイックキャプチャー、電源ボタンを長押しで電源オンと操作形態が分かれており、また長押ししなければ撮影も電源も発動しないため、誤作動もしにくくなっています。

Brave 7の場合は単押しで撮影が始まってしまうため他のアクションカメラと比べると間違えて撮影が始まってしまう可能性が高く、できればボタンは電源と撮影で分かれていると安定感のある運用ができると感じました。

AKASO Brave 7の良いポイント

1. 標準で付属の画面付きリモコンが便利

Brave 7は2万円台の価格帯でありながら、「画面付きの」リモコンが標準で付属するのが大きなメリットとなっています。

格安のアクションカメラにもリモコンが付属する製品は多くありますが、画面が付いていると撮影状態が分かったり、カメラの電池残量や残りの撮影可能時間が分かったりと、利便性が格段にアップします。

リモコンのレスポンスも良く、リモコン自体のバッテリーもボタン電池ではなくUSB type Cによる充電式、リモコンを腕や自転車のバーに巻き付けて固定できたりと、トータルの利便性は非常に完成度高くまとまっています。

唯一気になったのはスマートフォンのAKASO GOアプリを接続中は併用してリモコン操作ができない点ですが、アプリ接続中はアプリから撮影操作を行えば特に問題は無いでしょう。

メインとして使う場合はもちろん、サブのカメラとして導入する場合もリモコンの有無は撮影効率に大きく影響するため、この価格帯でしっかりとしたリモコンが付属するのは大きなプラスです。

2. 着脱式レンズカバーがAmazonで簡単に調達可能

Brave7はその名前のとおり勇敢にアクションシーンを撮影するカメラ。レンズ部分にダメージが及ぶような撮影に使う場合でもレンズカバーが着脱式かつ新規に追加購入可能なため、破損リスクのあるアングルでの撮影でも安心して投入する事ができるのは強みです。

また着脱式レンズカバーも直販サイトなどではなくAmazonで手に入るため、Amazonプライム会員であれば送料無料かつ素早く調達できる入手性も高評価ポイント。

サクションカップマウントを用いてスポーツカーのリア側のエンジンの吸気口の凹み部分の中に固定して撮影した作例。このようなローアングルでの撮影は飛び石のリスクが怖いところですが、レンズカバーが交換可能なカメラであれば万が一の場合でも飛び石によるダメージが最小限に抑えられるため、迫力あるアングルでの撮影が実現できます。

3. ジャイロセンサー内蔵でカメラの向きを意識せず使える

車載カメラとして使う際に地味に便利なのが、内蔵のジャイロセンサー。

Brave7は内蔵のジャイロセンサーで90度・180度・270度の回転に応じて映像を正しい方向で記録してくれるので、後から補正する手間が省けます。

車載映像を撮影する場合はドライブレコーダー箇所にマウントしたりと180度回転させて使う場合も多いので、ユーザーが意識する事なく回転させた映像を記録してくれるのは便利。もちろん設定でオフにする事も可能です。

低価格のアクションカメラからはコストダウンのために省かれている事もある機能のため、Brave7はしっかり押さえているのは嬉しいところです。

車載映像の撮影に嬉しい要素が揃った入門アクションカメラ

AKASO Brave 7は先述したとおり日本語のローカライズや組み合わせ可能な設定などが不明瞭な点こそはあるものの、トータルで見ると車載映像の撮影用として優秀なポイントを多く兼ね備えており、費用対効果の高いカメラだと感じました。

車載カメラユーザーとして、良かった点をまとめると以下のとおり。

  • 必要十分な画質
  • 交換可能なレンズカバー
  • 画面搭載の付属リモコン
  • 車内映像に適したWDRモード搭載
  • 車外撮影に適した防風カバーが付属
  • 前面ディスプレイで画角確認が可能
  • ジャイロセンサー内蔵で逆さま設置にも最適
  • IPX8防水

車載映像を撮るにあたって嬉しい機能が一通り揃っており、車旅を映像に残したい方にとってはお手頃かつ手堅い選択肢。価格はGoPro HERO12が定価62,800円なのに対し、約1/3の価格で購入できる事から入門機としてだけでなく、レンズカバー交換可能&リモコン操作が可能なため破損リスクの高いアングルの撮影用に追加するサブカメラとしてもおすすめできる一台です。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。