CarPlay/Android Autoをワイヤレス化できる小型USBデバイス「Ottocast 超ミニCube 3.0」

公開:2025.10.16 / 最終更新日:2025.10.17

有線のApple CarPlay/Android Auto対応の車両にUSB接続する事で、ワイヤレスCarPlay/ワイヤレスAndroid Auto接続を可能にする小型のUSBデバイス「Ottocast 超ミニCube 3.0」を評価用にメーカーからご提供いただいたので、実際に使って試してみました。


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Ottocast 超ミニCube 3.0とは

Ottocastの超ミニCube 3.0(英語名:Mini 3.0 Ultra Cube)はUSB接続によるApple CarPlayやAndroid Autoに対応した車用のナビ・ディスプレイオーディオに装着する事で、ワイヤレス化できるアダプタ。

価格は公式ストアにて6,999円となっており、Ottocastのラインナップの中でもAndroidを内蔵したNano AIなどと比べると機能を絞った分、非常にリーズナブルな価格帯の製品となっています。

今回紹介するのはUSB type Aモデルですが、USB type C端子のモデルもラインナップされており、どちらの端子を搭載した車両でもコンパクトに収まる設計が特徴となっています。

パッケージ内容

こちらが超ミニCube 3.0のパッケージ。

パッケージ内容は本体・マニュアルのほか、USB type Aメス→type Cオスのアダプタが付属。いずれの車両にも接続できるようになっていますが、type C端子の車両にはアダプタ無しで接続できるtype Cモデルがおすすめ。

超ミニ Cube 3.0本体は非常にコンパクトな筐体となっています。

車両への取り付けはUSBで繋ぐだけ

超ミニCube 3.0の取り付けはCarPlayに対応したUSB端子に接続するだけ。コンパクトな筐体のため、車内に配線が散らかる事なくUSBポート上の小さなキューブのみでワイヤレス化が完了するのが魅力となっています。

今回はジュリエッタに取り付けたディスプレイオーディオALPINE DA7Zに装着する事で、本来ワイヤレスCarPlay+有線Android Autoのみ対応のところをワイヤレスAndroid Autoも接続可能にしてみます。

多くの場合は車内のUSBポートに取り付けるだけで完結しますが、ジュリエッタのナビ下のUSBポートは周りの段差が干渉して取り付けられなかったので、背面のUSBポートに直接取り付けます。

Apple CarPlayとラベリングされているUSB端子に装着すれば取り付け完了。なお、装着後は本体の物理ボタンを操作する必要も無いため、背面側に装着する場合はそのままインパネ裏に隠してしまっても操作上は問題ありません。

接続は通常のワイヤレスCarPlay/Android Autoと同じ操作

超ミニCube 3.0接続後、カーナビ/ディスプレイオーディオに通電すると自動的にCarPlay接続で超ミニCube 3.0の接続案内が立ち上がります。

この状態でiPhone/AndroidスマートフォンからBluetooth設定を開き、「CAR2-****」という名前のデバイスとペアリングする事でワイヤレスCarPlay/ワイヤレスAndroid Auto接続が開始されます。

Galaxy Z Fold7からワイヤレスAndroid Autoを接続したところ。DA7Zは通常であればAndroid Autoは有線のUSB接続が必要ですが、超ミニCube 3.0を介する事でワイヤレス接続ができています。

接続に関しては非常にスムーズで、通常の内蔵ワイヤレスCarPlayと大きく変わらない程度のスピードでワイヤレスAndroid Autoに接続する事ができました。

ナビ/DA側のBluetooth自動接続はオフ推奨

セットアップの際のポイントとして、一度ワイヤレスAndroid Autoのペアリングが完了した後はカーナビ・ディスプレイオーディオ側のBluetooth設定にて「自動接続」をオフにするのがおすすめ。

機種にもよるかもしれませんが、DA7Zの場合はこの自動接続をオフにしない状態だとスマートフォンが先にディスプレイオーディオ内蔵のBluetoothとBluetoothオーディオ接続してしまい、ワイヤレスAndroid Autoが上手く起動しませんでした。接続中は超ミニCube 3.0のWiFiを介するもののBluetoothは接続開始時のみ超ミニCube 3.0、以後はカーナビ・ディスプレイオーディオ本体側と接続されるため、この設定を行わないとワイヤレスAndroid Autoに上手く入れないようです。

初期化・アップデートなどはブラウザから可能

超ミニCube 3.0本体の初期化・アップデートはブラウザから可能となっており、超ミニ Cube 3.0をUSB充電器などに繋いで通電した状態でWiFiでCAR2-****のSSIDに接続してブラウザ(Safari、Chromeなど)から「192.168.1.101」とIPアドレスをアドレスバーに入力する事で管理画面を開く事ができます。

総評:使用感は抜群にスムーズ、ワイヤレス化目的の場合は最適解

超ミニ Cube 3.0を使用してみた感想としてはセットアップ後の動作は非常にスムーズで、既に使っているCarPlay/Android Autoの有線USB接続の煩わしさを解消したい場合は最適解の製品だと感じました。

Ottocastの他の製品としては以前レビューしたOttocast NanoAIがありますが、NanoAIは自身にAndroidを内蔵する事で自由にGoogle PlayからAndroidアプリを導入して使えるという多機能さを備えている反面、都度Androidが立ち上がるのを待つ必要があるため、どうしても地図などの毎回使うアプリに辿り着くまで十数秒は掛かっていました。超ミニ Cube 3.0であれば既に立ち上がっているiPhone/Androidスマートフォンと数秒で接続できるため、地図・音楽プレイヤーなどにアクセスするだけの用途であれば圧倒的に快適です。

またNanoAIにもワイヤレスAndroid Autoのレシーバー機能はありましたが、NanoAIの場合はスマートフォンからのワイヤレス接続→NanoAI上の受信アプリ→USBのCarPlay規格経由でカーナビへ出力といった具合に多段にステップを踏んでいるためフレームレートが低め・レスポンスが遅めだったのに対し、超ミニ Cube 3.0であればナビ内蔵のCarPlay/Android AutoのWiFiドングル的にそのまま機能するためフレームレートやレスポンスが明らかに良いと感じたのが大きな違いでした。

逆に超ミニ Cube 3.0はYouTube/Netflix/AmazonプライムビデオなどのCarPlay/Android Auto非対応アプリを社内の画面に出力する事はできないため、出先でそういったマルチメディア系のアプリを使いたい方はNanoAIを選ぶのが良さそうです。

個人的なナビの使い方としては車の乗車時に事前にGoogleマップで目星を付けた目的地にそのまま案内してもらえれば十分で、出先で動画を車内で見たいニーズも無いため、乗車後に速やかにスマートフォンとワイヤレス接続してCarPlay/Android Autoが素早く立ち上がる超ミニ Cube 3.0は最も使用感の良いOttocast製品でした。

ワイヤレス接続の場合は当然スマートフォン側の電池残量が減っていくものの、自宅で満充電しておけば余程の長旅でなければ無充電で移動しても電池残量に不安を感じる事も無く、シンプルに生活が楽になった製品だと言えます。

他のOttocast製品と比べて「ワイヤレス化」という単機能に特化しているがゆえにシンプルなセットアップ・高速な接続・6,999円というお手頃な価格を兼ね備えた製品になっており、おすすめ度の高い一台となっています。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はAI業界で働くUI/UXデザイナー。英国育ち。東京、湘南の生活を経て北海道へ移住し、理想の住環境を整えつつ乗り物趣味を満喫するべく試行錯誤中。