ロータスの放つ2000PSのハイパーEV「Evija(エヴァイヤ)」をJapan Lotus Dayで見てきた話

ロータスの放つ2000PSのハイパーEV「Evija(エヴァイヤ)」をJapan Lotus Dayで見てきた話

馬力2000PSのフル電動ハイパーカー、Lotus Evija(ロータス・エヴァイヤ)の展示を見る機会があったので、写真を中心に紹介していきます。


奥多摩にて撮影した筆者のロータス・エリーゼ

ロータスは軽量スポーツカーを主力とした英国の自動車メーカー。アルミを接着剤で接合したバスタブフレームにFRP製の軽量な外装を組み合わせる手法により、一般的な市販車と比べると圧倒的に軽量で機敏に動くスポーツカーを作る事を得意としています。軽量化においては市販車メーカー随一の強みを持つロータスですが、ハイテクな電子装備などは一切ついておらず、自動運転をはじめとするハイテク化が進む近代の自動車とは対極にいる存在でした。そんなロータスからガソリンの内燃機関を一切持たない電気自動車(EV)、しかも2000PSのハイパーカーが投入されるというのだからビッグニュースです。

今回、富士スピードウェイにロータス車のオーナーが愛車を持ち寄る年に一度の「Japan Lotus Day」にて日本では初となるエヴァイヤの展示があると聞き、9月8日に実物を見るべく富士スピードウェイへ行ってきました。

こちらがそのロータス・エヴァイヤ。ロータスの「ヨーロッパ」「エリーゼ」「エキシージ」など「E」から始まる伝統的命名規則に則り、「最初の存在」「命あるもの」の「Eve」を語源として「Evija」と名付けたそうです。

エヴァイアは4つのタイヤにそれぞれ500PSのモーターを搭載し、合計で2000PSの馬力を発生。800kWの電力を供給可能なバッテリーを搭載することで充電環境さえ実現すれば9分でフル充電でき、最大航続距離は400km。これだけのパワーでありながら車重はたった1680kgに抑えられているのは流石ロータスといったところです。

ロータス車の象徴であるノーズのエンブレムは健在。ロータス創業者コーリン・チャップマンのフルネーム「Anthony Colin Bruce Chapman」のイニシャルのACBCの4文字が組み合わせられたロゴとなっています。通常のロータス車は黄色が背景のエンブレムですが、エヴァイヤには限定車などに用いられるものに近い黒背景のものが採用されていました。

なおロータスのエンブレムは時代に合わせて字体が簡略化された新デザインのものが先日発表されたばかりではありますが、エヴァイヤには旧エンブレムをベースにしたものが搭載されていました。生産は2020年からだそうですが、旧エンブレムのまま市販されるのが地味に気になるところです。個人的に旧エンブレムのクラシカルな雰囲気はとても好きです。

正面から見たところ。ワイパーがありませんが、市販車では搭載されるのでしょうか。

ヘッドライトを起点としてスピード感のあるシャープな曲線で渦を描くラインが特徴的。このスタイルは側面のデザインにも通じています。

こちらがリアビュー。左右の特徴的なテールランプに挟まれながらも、中央の字光式の「LOTUS」の文字は従来のロータス車のスタイルを引き継いでいます。こちらもよく見ると新エンブレムのようなフォントは採用されていません。なお、その直下には充電用のポート類の蓋が配置されています。

テールランプは側面から背面に続く空洞の外周を囲む特徴的なデザイン。従来のロータスのクラシカルな丸目テールランプからは一変、とても未来的な造形となっています。

リアウィングは可変式。今までのロータスであればミニマルに余計なパーツは付けないスタイルからこういった電動パーツのギミックは絶対に見なかった物ですが、今回満を持しての導入。モータースポーツの世界に最初にダウンフォースを発生させる空力パーツを本格的に持ち込んだ事で有名なロータスですが、エヴァイヤにもその血が流れているのを感じます。

エヴァイヤ全体のダウンフォースのためのデザインは側面にも色濃く反映されています。側面の給気口……に見える穴は、先ほど取り上げた穴の空いたテールランプへと続く空力パーツ。従来のミッドシップが特徴のロータス車であればシート後方にマウントされたエンジンに空気を送り込むためのインテークがここにあるわけですが、エヴァイヤは電気自動車。冷やすエンジン自体がそもそもありません

従来のエンジンを後方に置いたミッドシップレイアウトのスポーツカーのデザインを踏襲しながらも、電気自動車として最大限の空力を実現するためのデザインに昇華させたこのエヴァイヤの側面〜後方にかけたデザインは見事だと思いました。

エヴァイヤにはサイドミラーが無く、代わりに側面に格納式のカメラを搭載したミラーレス車。日本でも最近認可されてサイドミラーの代わりにカメラを搭載したレクサスなどが既に発売されていますが、空気抵抗の低減と共にとても近未来的なイメージを感じるギミックです。

車内にはカメラの映像を確認できるモニターが搭載されています。

内装はカーボンやアルカンターラ等の素材やレーシングカーライクなハンドル形状でモータースポーツの世界観がふんだんに表現されており、かつロータスらしくミニマルな印象です。

限りなくロータスらしい電気自動車

ロータス・エヴァイヤのお値段は2億6000万円、限定130台。新車1,000万円未満で買えた今までの多くのロータス車と比べると2桁も価格が違う文字通り桁違いのハイパーカーではあるのですが、単に他のメーカーに対抗した会社のブランドイメージの象徴としてだけでなく、運転手の走る喜びを存分に詰め込んだ結果としてのこのデザインである事を随所から感じ取る事ができました。

実際展示会場で流れていたビデオによれば、コレクターのガレージに飾っておくだけでなく実際に走らせて道路と一体になる喜びを感じるドライバーのための車である旨を英国訛りの英語で熱く語っており、この車を所有して運転できる未来のオーナーが羨ましい限りです。

ガソリンエンジンの車が徐々に電気自動車に置き換わっていく中で、ロータスのような自動車メーカーの運命は今後どうなるのか、という点はファンであれば誰もが気になっていたところ。「ロータスがEVを出すらしいぞ」と最初話があった頃は多くの人が首を傾げたトピックでしたが、蓋を開けてみれば圧倒的な物が出てきてびっくり。是非これを皮切りに新車種を軌道に乗せて電気自動車の時代を切り開いていって欲しいと、いちオーナー、いちファンとして切に願います。

キリカ

キリカ

ガジェットショットを作った人。最近まで学生生活の傍ブログを書いていましたが、今はデザイナーとして働いています。休日は愛車の「エリーゼ」「ジュリエッタ」に乗ってドライブに出かけたり、写真を撮ったり楽しんでいます。