本日よりau直営店から発売が開始された国内初のFirefox OS搭載端末「Fx0 LGL25」の展示機に先日au SHINJUKUで触れる機械があったので写真と動画で紹介します。
こちらがFx0。かつてauで発売されたスケルトンボディの携帯電話「X-RAY」を手がけた吉岡徳仁氏がデザインを担当しており、オープンソースにちなんで中身の見える透明なデザインとなっています。HTML/CSS/JavaScriptなどのWeb技術でカスタマイズが可能な「予算度外視のギーク向け端末」という事で、一般向けというより開発者向けの端末といった位置付け。販売はau直営店とオンラインショップでは12月25日より、その他店舗では翌年2015年1月6日からとなっております。
ロック画面は様々なデータを扱ったカスタマイズができ、URLを指定する事も可能。写真では現在地のGoogleの衛星写真を表示するロック画面となっており、ちょっぴり近未来的なFirefox OSの方向性を感じさせます。
ハンズオン動画
実際に動作しているところ。画面の左右端からスワイプする事でマルチタスクが可能で、前後に使ったアプリ間を楽々に移動する事ができます。また、設定から有効化する事で画面下部からスワイプするジェスチャーでホームに戻る事も可能で、同様にホームボタンのソフトキーを有効化する事も可能。ただ、ホームに戻る際のアニメーションが一切無い点は気になります。そういったOSの挙動のアニメーションも自分でCSS/JavaScriptで独自に記述してカスタマイズできれば嬉しいところ。
一般層向けの端末ではなくビジネス抜きに発売するギーク向け端末という事ですが、Android 5.0のMaterial Designなどのアニメーション全盛期にこういった紙芝居OSはギークも少しためらうのではないかと思いました。逆にAndroidのフラッグシップは現在価格が高止まりしており、高価なNexus 6に対抗して開発する楽しみを味わってもらうのであれば、価格をもう少し抑えてもらいたかったところ。本体価格が4万9680円、毎月割が引かれた実質負担額が2万9160円という事ですが、5万円あればNexus 5が買えてしまうので、ホームボタンやスケルトンボディに配慮した設計、通常の40倍のコストをかけた金色のネジなどのコストを徹底的に抑えて一括29,800円程度の価格帯で投入してほしかったところです。
Firefox OS自らがサーバー機能を備え、NFCやWiFi、Bluetoothなどで連携ができるOSである事をアピールするのであれば、複数台購入できる価格・販売方法で臨んでほしかったと思います。Fx0と同等のスペックのAndroid機種と言えばASUSのZenFone 5がありますが、こちらはSIMフリーであり、購入にあたって回線契約も不要。更に価格も3万円を切っています。Fx0もそういった価格と販売形態を目指すべきだったのではないでしょうか。
多少辛口な評価ですが、KDDIのような大手キャリアが「ビジネス抜き」と謳ってこういった機種を発売するのは非常に勇気ある行動だと感じました。今後第二弾、第三弾と続くかは怪しいところですが、一発屋で終わってしまったWindows Phone IS12Tの二の舞に終わってしまうのはあまりに悲しいので頑張ってほしいです。その他hueやWeMoなどIoT分野の家電コンピューティングアイテムの併売もあると開発者的には面白いと思うのですが、まだまだKDDIには出来る事があるのではないでしょうか。余談ですが、個人的にはFx0発表会にて参考展示されたFirefox OS搭載でご飯が炊けるとツイートしてくれる「INFOJAR」の方を真面目に市販してほしいですね。