SIMフリースマートフォンを取り扱っているExpansysさんから、3倍の光学ズームを搭載したカメラが特徴のZenFone Zoomをレビュー用にお借りしています。
ZenFone ZoomはSIMフリースマートフォンのZenFoneシリーズに3倍光学ズーム機構を搭載したモデル。今回お借りしたのはグローバル版のZenfone Zoom ZX551ML 64GBモデル。
裏蓋は着脱式となっており、下部に取り外し用の溝があります。また、端子はmicroUSB。
プロセッサにIntelのAtomを搭載しており、裏蓋にはロゴがエンボス加工でプリントされています。
ボタン類は右側面に集約されており、横持ちした際に上に来るようになっています。
ボリュームキーはカメラアプリのズームキーに割り当てられており、T/Wの刻印がされているあたりカメラらしさを醸しだしています。
シャッターキーは静止画用のものと動画用のものが2つ搭載されている点も非常にカメラを意識した作り。
横向きに倒された光学ズーム機構が内蔵されており、3倍ズームが可能ながらに厚さは極力抑えられています。
イヤホンジャックは上部に配置。
表から見ると他のZenFoneシリーズと見分けがつきにくく、カメラを意識しながらもスマートフォンの形から逸脱しないZenFoneシリーズの一台である立ち位置を感じさせます。
3倍ズームはどの程度ズームできるのか
街で1倍の状態で撮影し、同じ場所から3倍光学ズームを使ったところ。低価格帯の高倍率特化コンデジでも30倍などを多く見る中で3倍と言うとあまりズームできない印象がありますが、実際に使ってみるとこの程度は行けます。
HDR
他の写真は概ねHDRオンで撮影してみましたが、黒背景にデザートを撮影した写真ではHDRがうまく動かず白飛びしてしまう場合もありました。
夕焼け
夕焼けをバックに逆光の富士山を撮影したところ。結果として黄金に光る印象的な写真になっていますが、肉眼で見た空はオレンジ色の夕焼けだったので、空の色がややおかしくなってしまう印象です。また、3倍ズームの比較の右下の写真でもやや現象が発生していますが、特定の条件下で空の色が水色のネオン色のようになってしまう事があるようです。ASUS好きのZenBlogさんの記事の作例でわかりやすい例がいくつか掲載されています。
光学手ブレ補正はFullHD動画では利用不可能
ZenFone Zoomには光学手ブレ補正が搭載されていますが、動画撮影では720pの撮影でのみ利用可能。今時のスマートフォンは1080pのFullHD以上の解像度を持ったものが多く動画はFullHDで撮影したいところですが、720pでしか利用できないのは非常に残念。
今回Expansysさんにグローバル版をお借りしましたが、ASUS ZenFone Shopなどで国内でも発売されたZenFone Zoom。国内では5万円台から、グローバル版は4万円台で輸入可能といった価格帯になっており、格安のSIMフリースマートフォンよりはやや高めといったところ。
割安デバイスを得意とするASUSのやや高めの本機を買う一番の理由は3倍の光学ズームで、やや分厚めなもののスマートフォンの域を出ないボディに光学ズームが搭載されている点はこの機種の強みとなっています。カメラに特化したAndroid端末といえばサムスンのGalaxy CameraシリーズやPanasonicのLUMIX CM1/CM10がありますが、ZenFone Zoomはそれらと違い、きちんとスマートフォンらしいボディに収まっているため、普段使いのスマートフォンとして使える点が他社の機種とは異質。ベースとなっているZenFoneシリーズの使い勝手に関しては以下のZenFone 2のレビューを参考までに。
一方で画質面では格安スマホのZenFoneシリーズの1300万画素のカメラに3倍の光学ズームが搭載されただけという印象から抜け出す事ができない出来となっており、写真のクオリティを求めて買う機種ではないと断言できます。スマートフォンで特別な外付けの機材を用意する事なく3倍の光学ズームが使え、そのまま内蔵のLTE回線でSNSに素早く投稿できるといった点にメリットを見出だせなければこの機種に価値はありません。SIMフリースマートフォンとしてもコンデジとしても、性能の割に割高です。
いつでもどこでも3倍光学ズームで少し離れた被写体のシャッターチャンスをの逃さず、すぐにでもInstagram、Facebook、TwitterなどのSNSに投稿したいといった用途であればこの機種はバッチリ。それを一台のスマートフォンにまとめたいという欲張りな方のための一台なのではないでしょうか。