【レビュー】iPhone 8とiPhone 7のカメラを作例を交えて比較。今年のiPhoneは盛れるカメラ!

世間で非常に高い評価を受けているiPhone 8のカメラ。今回は実際の作例を交えてレビューしていきます。


先日DxOMarkにて世界最高スマートフォンカメラの認定を受けたHTC U11のカメラをレビューしましたが、iPhone 8は早くもその記録を塗り替え、世界最高スマートフォンカメラの座に上り詰めました。iPhone 8のカメラは画素数こそはiPhone 7の1200万画素から据え置きなものの、イメージセンサーを一新してスペックアップしています。今回は比較のためにiPhone 8とiPhone 7を用意。実際の作例を通してその進化を追っていきます。

都内の夜景

iPhone 7

iPhone 8

iPhone 8を買って真っ先に試した夜景。早速違いが感じられるショットになりました。iPhone 8はiPhone 7と比べると鮮やかで精細感のある印象です。手前のオレンジ色の照明に照らされた道路がより鮮やかに写っているのが分かりやすいかと思います。

植物

iPhone 7

iPhone 8

こちらは昼間に撮影した作例。iPhone 8では植物の緑や赤の色がよりはっきりと鮮明に出ている事がわかります。また、左奥のレンガを見るとiPhone 8の描画するディテールの高さが感じられます。

屋内の撮影

iPhone 7

iPhone 8

こちらは屋内で撮影したもの。野外の自然光と手前の照明が複合的に重なっているためバランスが難しいシーンですが、iPhone 8では手前の暖色系の照明の温かみが上手く表現できている印象です。

風景

iPhone 7

iPhone 8

オーソドックスに風景を撮影したところ。iPhone 8はより鮮やかに撮る傾向にありますね。

夜の提灯

iPhone 7

iPhone 8

夜の提灯を撮影したところ。iPhone 7は相対的に青白く写っていますが、iPhone 8では温かみのある暖色系の色がバランス良く表現できています。また、上の木の葉もiPhone 7では暗くて見えづらい写りですが、iPhone 8ではかなり鮮明に撮れていることがわかります。

iPhone 7

iPhone 8

鍋料理を接写したところ。iPhone 8ではこの手の被写体はAndroidスマートフォンによくある料理モードのような味付けで撮るようで、美味しそうに撮れています。

続いては、アップデートされた動画撮影機能をチェックしていきます。

240fpsスローモーション撮影

今回新たに可能になった1080p/240fpsのスローモーション撮影をテスト。従来機では720p/240fpsあるいは1080p/120fpsでの設定しか用意されていませんでしたが、今回から新たに1080pのFullHD解像度で240fps動画を撮影する事が可能になりました。また、4K動画も60fpsで撮影可能に。iPhoneで動画を撮る方には解像度を犠牲にせずとも高フレーム撮影ができるようになったのは朗報ですね。

総評:今年のiPhoneは去年までとは違う、盛れるカメラ

従来のiPhoneと言えば、肉眼に見える被写体を忠実に見え方そのまま写真として保存するような味付けの印象で、必要以上に盛らず、いわゆる「インスタ映え」するような写真は別途アプリで盛る、すっぴんの写真といった感じのカメラでした。しかし今年iPhone 8に搭載されたカメラは一転、被写体を良い感じの写真に盛るチューニングに方向転換したように見えます。風景は鮮やかに、夜景は明るく、料理は美味しそうに撮れます。方向性で言えば最近のGalaxyシリーズに近くなったのではないでしょうか。

今年のiPhoneはTaptic Engineを用いてシャッターを切る際に「ブルッ」と震えるようになったことで撮るのが楽しくなる仕掛けが施されており、簡単に、どんなシーンでも、楽しく映える写真を撮影できるようなカメラになったのではないかと思います。一世代前のiPhone 7からも見ての通り大幅に撮って出しの画が変わっており、旧モデルのiPhoneを持っていて新型のカメラに期待している方はどのモデルからのアップグレードでも満足できる仕上がりだと思います。

ミニコラム:iPhone 8か、8 Plusか、Xか


本記事ではシングルカメラのiPhone 8でのみのインプレッションとなりましたが、今年はそれに2倍望遠レンズを加えたiPhone 8 PlusとiPhone Xがラインナップされています。今回のように広角の撮影だけであればiPhone 8は十分に良く撮れるカメラに仕上がっていますが、望遠(ズーム)を使いたい場合、iPhone 8 PlusやiPhone Xが視野に入ってきます。iPhone 8 PlusとiPhone Xであれば2倍の光学ズームが使えるほか、2つのレンズを使って被写体の背景をぼかす事のできるポートレートモード、ポートレートに任意の照明効果を追加できるポートレートライティングが利用できます。これらの機能はiPhone 8には搭載されていないため、使いたい場合はiPhone 8 PlusかiPhone Xか、という選択肢になってきます。

ポートレートモードについては昨年iPhone 7 Plusデュアルカメラの作例11枚。ポートレートモードの被写界深度エフェクトの実力を試すの記事で作例を上げましたが、非常に楽しい機能なので捨て難いところ。

昨年からiPhone 7 Plusでポートレートモードを使っていて気になったのは、やはり光学手ブレ補正が無いところ。広角レンズ側には搭載されている光学手ブレ補正ですが、iPhone 7 Plus、iPhone 8 Plusの望遠レンズにはこれが搭載されていないため、その分手ブレに弱いカメラとなっています。しかしiPhone Xであれば、望遠レンズ側にも光学手ブレ補正を搭載。安心してポートレートモードや2倍光学ズームの写真を撮っていくことができます。また、iPhone Xはf値2.4の望遠レンズを搭載。f値2.8のiPhone 8 Plusより暗所により強くなっており、積極的に望遠レンズを使いたい場合はiPhone Xを強くおすすめします。

まとめると、

iPhone 8 : ズームはそこまで使わない人
iPhone 8 Plus : ポートレートライティングなどの新機能を使ってみたい人
iPhone X : 望遠レンズで新機能を使ってブレやすい暗所などでも撮影したい人

といったところでしょうか。個人的には望遠レンズ側のスペックがiPhone Xと比べて見劣りするためiPhone 8 Plusは見送りましたが、新しいポートレートライティング機能をいち早く試したい人には最適な選択肢になってきそうです。


iPhoneはiPhone 4以来毎年カメラに注目して比較していますが、今回のカメラのアップデートは歴代のモデルチェンジの中でも最も劇的に進化を遂げたアップデートなのではないかと思います。今回の進化はかつて中央が青く写ってしまう「青カビカメラ」という汚名を被ったiPhone 4からiPhone 4Sへの外観の変わらない汚名返上アップグレードに似た衝撃を感じるもので、個人的な感想としては非常に気に入っています。

iPhone 8は各キャリアのオンラインショップで購入可能。昨年までのモデルと比較すると見た目の進化は大きなインパクトがありませんでしたが、カメラだけで見ても買う価値のある機種だと感じられたのではないでしょうか。購入は以下のリンクから。

次の記事
前の記事
アバター画像

キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。