中国は政府による政策でTD-LTEを義務化したためFDD-LTEの展開を予定していたChina UnicomとChina Telecomは一旦FDD-LTEを取りやめTD-LTEの導入を強いられている状況ですが、正式サービス前に稼働しているFDD-LTEの電波を今回発見する事ができました。
国内版SIMフリーのiPhone 5sで設定>キャリアからネットワーク検索をかけたところ、460-11という名称不明のキャリアが表示されました。これが実はChina Telecom(中国電信)のPLMN番号で、国内版iPhone 5sで検知しているためFDD-LTEのようです。
また、今回auのSIMカードを挿入した状態で検索した場合460-11が見えましたが、Unicom HKのSIMを入れた状態では見えなかったため、iOSではCDMA2000キャリアのSIMカードがないとCDMA2000キャリアであるChina Telecomは見えない仕様になっているのかもしれません。
続いてiPad Air。iPhone同様、460-11を拾っています。今回利用したのはau版のiPad Airですが、国内版iPad Airは国内キャリア同士ではSIMロックがかかっていて他社のSIMが使えないものの、海外のSIMカードに関してはSIMロックがかかっていないため、国内版iPad Airは海外に持ち出せば現地SIMが使えます。
iPadはiPhoneのように利用できるSIMの条件がシビアではないため、国内でもLTEのみ周波数が対応していて3Gが繋がらないイーモバイルLTEでも通信できた実績があります。もし現地でChina TelecomのLTE契約に対応したSIMカードを入手する事ができれば、国内版のiPad AirでLTE通信ができるかもしれません。
最後に先日レビューした中国移動版のHTC One (E8)でもネットワーク検索をかけてみたところ「China Telecom – 460-11(4G)」とキャリア名までしっかり表示されました。HTC One (E8)が対応しているFDD-LTEは1800/2600MHz。このうちiPhoneとiPad Airも対応している周波数は1800MHzなので、今回発見したChina TelecomのFDD-LTEは1800MHz帯のBand 3で展開されているものと見られます。
現在China TelecomはTD-LTE対応ルーターを販売していますが、これのTD-LTE契約のSIMカードをFDD-LTE機に入れて80Mbps超で通信できたとの報告も。日本で販売されているSIMロック解除可能でBand 3が利用できる端末はドコモの2013年冬モデル以降の殆どの機種や、イーモバイルのGL07SやNexus 5などで、これらを持っている場合、現地でLTE対応SIMを入手してFDD-LTEを利用できる可能性があります。
今後China Telecomが正式にFDD-LTEをサービスインすれば、LTEローミングに積極的なauの端末はCDMA2000に加えローミング用のBand 3、WiMAX 2+用に搭載しているBand 41の2つのLTEがChina TelecomでLTEデータローミングできるようになり、快適に中国渡航時にLTEが使えるようになるかもしれません。