SoftBank初のモトローラ端末「RAZR M 201M」を1週間使ってみたので、レビューを書きたいと思います。
SoftBank初のモトローラスマートフォン
MOTOROLA RAZR M 201MはSoftBankとしては初のモトローラ製スマートフォン。ファーウェイの201HWに続き2番目のSoftBank 4Gブランドで展開されているAXGP(TD-LTE)対応スマートフォン。
スペックとしてはディスプレイサイズは4.3インチ、重さは128g、画面解像度は960×540のqHD、CPUはデュアルコアのQualcomm Snapdragon S4 MSM8960の1.5GHz、バッテリー容量は1940mAh、カメラは800万画素、日本国内仕様でNFCの代わりにおサイフケータイのFeliCaも搭載されています。
今回「Best of Google」を実現するために従来のモトローラ機種にあった独自機能が厳選されており、よりGoogleサービスに重心を移したGoogleに買収されたMotorolaらしい機種となっています。
大きさをiPhone 5と比較
サイズ感の似ているiPhone 5と比較。下から見るとRAZR Mの方がやや分厚いです。
下部は先細りしているので薄く見えます。
RAZRシリーズらしく上部が分厚くなっているデザインです。ただ今回は重心が上部に片寄っているという事もなく、持ちやすさに問題は無いと感じました。
並べてみるとiPhone 5とサイズ感がとても似ている事がわかります。小型スマートフォン好きの方にも十分おすすめできるサイズです。
ベゼルを削りコンパクトに大画面を実現
図の通り「全面スマートフォン」がキャッチコピーのRAZR Mは本体の殆どをディスプレイが占めており、ベゼルを狭くする事で4.3インチディスプレイを搭載しながらもコンパクトなボディに収まっています。
特に上部のベゼルは他のスマートフォンと比べてかなり狭くなっており、ディスプレイに対して比較的重心が下に来ているのもこれが理由のひとつです。逆に下部は持ちやすさのためにスペースが設けられており、狭すぎて持ちにくいという事は感じませんでした。
先述したとおりiPhone 5とは似たサイズ感ですが、ディスプレイサイズに関してはRAZR Mが大きくリードしています。
通常操作時はソフトキーが表示されているので実際使えるエリアは少し狭くなりますが、ソフトキーが消える動画鑑賞時などではこの大画面の恩恵を最大限に受ける事ができます。
RAZR Mで動画を再生した所。サイズの割にかなり大きな面積で動画鑑賞ができる事がわかります。
日本限定仕様のこわだりの質感
RAZR Mにはブラックとホワイトの2つのカラーバリエーションがありますが、ブラックで採用されている鋼鉄の5倍の強度のKEVLARファイバーは素材の性質上真っ白なホワイトのカラーにする事ができません。そこで日本版の独自仕様として耐久性の高いPETを代用し、白い背面を実現しています。
今回レビューしているのはホワイト版ですが、背面のPET素材が程よくグリップ感を実現しておりとても持ちやすい質感だと感じました。
金属素材の側面のボタンは円形の凹凸模様になっており、高級感があります。側面むき出しとなっているネジも同様の模様になっており、とても洗練されたデザインだと感じました。
本機はバッテリー内蔵型となっているため裏蓋が無く、SIMスロットとmicroSDスロットは側面についています。SIMカードサイズはiPhone 4Sと同じmicro SIMですが、iPhoneの通常「黒SIM」とは違いスマートフォン用のSIMとなっております。
裏蓋が無く継ぎ目が無いデザインのRAZR Mですが、完全に「防水」にすると本体のデザインを大幅に変える必要があるため今回は「防滴仕様」となっています。なので水没させるのは危険ですが、水がかかった程度では問題無いようです。
遠目だと分かりにくいですが、FeliCaはMotorolaロゴの左上部分についています。
SoftBank 4Gが凄まじく高速
今期のSoftBankスマートフォンから採用されたSoftBank 4Gですが、エリア内に入ると凄まじく高速です。
同社のiPhone 5はFDD-LTEを採用している「SoftBank 4G LTE」なのに対し、本機を含むSoftBankの4GスマートフォンはTD-LTE(AXGP)を採用した「SoftBank 4G」。そもそものSoftBank 4Gユーザーの母数がまだ少ないという理由が大きいかもしれませんが、RBB TODAY SPEED TESTで計測した所60Mbpsを超える数値も確認でき、エリア内であれば20Mbps以上の数字が安定して出ました。
エリアに関してはSoftBank公式サイトのエリアマップを見る限りSoftBank 4G LTEよりかなり狭いようですが、SoftBank 4Gエリアから外れた場合も下り最大42Mbpsの「ULTRA SPEED」に接続できるため、実測値平均20Mbps前後で快適に通信できました。
12月中旬よりテザリングサービスが開始する本機ですが、人気のiPhoneとは分離されたネットワークで快適に利用できるルーターとしても活躍しそうです。
ホーム画面にもモトローラらしさが
ホーム画面にデフォルトで設置されている時計ウィジェットは、縦になぞることでそれぞれアニメーション回転してモード変更が可能。時計はデジタル時計・アナログ時計の切り替え、天気は都市の追加、バッテリー残量はオプションが回転して出現するようになっています。指に追従するアニメーションがとても気持ちよく感じられました。
設定アプリとは別にホーム画面を左へ移動すると直接「クイック設定」の画面が開くようになっており、ホームから直接WiFiなどの設定がトグルできるようになっています。
このためか、RAZR Mの通知領域には各種トグルボタンが設置されていません。
ただしAndroid 4.0から通知領域にサードパーティのトグルウィジェットを設置する事が可能になったため、Power Togglesなどのサードパーティアプリを導入する事によってトグルを設置する事はできます。
なお、RAZR Mは発売時のバージョンはAndroid 4.0で、後日Android 4.1へのアップデートの配信が予定されています。
本体価格も割安
MOTOROLA RAZR M 201Mは本体価格もかなり安く設定されており、機種変更一括30,720円、新規一括23,520円とiPhone 5の約半額の価格帯で購入可能。ソフトバンクオンラインショップでも購入できます。
また、アメリカでは$80(約6000円強)で販売されているMOTOROLAの容量4000mAhの充電バッテリー「MOTOROLA P4000」(画像)を先着1万名プレゼントのキャンペーンも行っており、こちらもスタイリッシュな実用品なので手に入れるなら是非早めに購入して申し込んでおきたい所です。
SoftBank 4Gの使いたさに購入した機種というのが購入に至った正直な事情だったのですが、実際に使ってみると手に収まる持ちやすいサイズでありつつも4.3インチのディスプレイを搭載しており、動作の軽快さとSoftBank 4Gの回線の快適さ、FeliCa決済ができる便利さなどが高いレベルのバランスで詰め込まれており、個人的に今期のSoftBankスマートフォンの中ではベストバイに選びたい機種だと思わせる出来でした。
4.3インチディスプレイと言えば過去の機種ではGALAXY S II、Xperia acro HDなどの人気モデル、今期ではXperia AXなどが思い浮かびますが、RAZR Mはそれらの機種と同じサイズのディスプレイを搭載しつつもこのサイズを実現しているのは高く評価できます。4.3インチディスプレイと言えばSONYのPSPも4.3インチディスプレイですね。
今期Androidスマートフォン界隈はauではHTC J Butterfly、ドコモでは先日SIMフリー版をレビューしたGALAXY Note IIなど5インチの大画面を持ったハイエンド機種が目立ちますが、SoftBankからは大きさでアピールせず確実に手に収まるこのサイズでRAZR Mを出してきたのは素晴らしいのではないでしょうか。