本日発表されたiOS 8ですが、新しく搭載された機能の中にある「Continuity」を使えば通話をネットワーク越しに転送できるため、様々な使い方が想定できます。
Continuityを使えばiPhoneの着信をインターネット越しに他のiOSデバイスやMacでFacetime着信のように取る事ができますが、これを応用すれば様々な使い方が可能になるかもしれません。
国際ローミング回避
日本で使っているiPhoneを自宅に置いたまま海外へ行く事で、海外現地のWiFiや現地のモバイルネットワークを使って国内に置いてあるiPhoneの着信を他のiOSデバイスやMacで取る事で、国内通話の料金で国外から通話する事が可能になります。IP電話を使う場合と違い、国内で使っている番号そのままで発着信が可能。海外への渡航時に国内との電話料金を大幅に削減する事ができてしまいます。
格安SIMで節約
自宅のWiFiに繋いだiPhoneをパケット通信せずWiFiのみで自宅に設置し、出先で別のデバイスでMVNOのSIMカード等を使い着信を取る事で音声用の回線とデータ通信用の回線を分ける事によってトータルコストを安く抑える事ができます。最近発表されたauの回線を利用したmineoなら月額980円でフルスピードのLTEが使えて快適に通話できそうです。
通話キャリアと通信キャリアを分離し最強構成に
音声着信を転送できるという事は、音声発着信用の回線とデータ通信用の回線を分けて1台で使う事ができるという事です。例えば音声通話の着信用にドコモのiPhoneを自宅に設置し、auのiPhoneで出先のLTE回線で着信すれば通話はドコモの高音質な通話インフラ、データ通信はauの広域で高速なLTEインフラを利用する事ができ、auのiPhoneの弱点である「着信が来るとデータ通信が切れる」というCDMA2000の規格上の弱点も克服できます。通話はドコモの二つ折りケータイ、スマートフォンはauのiPhoneを使っている筆者なら、ドコモのケータイで取っていた着信を全てiPhoneとContinuityを利用してauのiPhoneに転送してしまえば2台持ちを1台持ちにまとめられる事になります。
今までのスマートフォンには無かった常識破りの「Continuity」機能を発表してきたAppleですが、このようにパケット通信網に音声通話を通せてしまうため、様々なパイプとして活用できてしまいそうです。特に国際ローミングを回避できてしまう件に関しては、世界各国の通信キャリアからクレームが入らないか心配なところ。今回WWDCで行われたデモではiPhoneに届いた着信をiPadもしくはMacで取っていましたが、iPhone同士でも可能かどうか気になるところ。iOS 8が正式に公開されたら実験してみたいですね。