入門ペンタブ「Acepen AP906」レビュー。Androidフォルダブルとの相性も良好

いつかペンタブを買ってデジタルイラストに挑戦してみたいなと思っていたところ、タイミングよくAcepenというメーカーからエントリーモデルのペンタブレット「AP906」を提供頂ける事になったので、レビューしていきます。


Acepenは中国の深圳を拠点としているメーカー。イラスト制作用のペンタブレットを各種取り揃えており、今回提供頂いたエントリー向けの「板タブ」だけでなく、ディスプレイを内蔵した液タブ、PC一体型などの上位モデルまで幅広く手掛けています。

レビュー用に頂いたのは定価6,180円で販売されている「Acepen AP906」で、USBケーブルでWindows、Mac、Androidに接続して使えるエントリーモデルの板タブレット。18.3cm×14.3cmの標準的なサイズで、8192段階の筆圧検知と傾き検知、タブレット側8個&ペン側に2個のカスタマイズ可能なスイッチが搭載されており一通りの機能を網羅しています。

今回は実際にイラスト制作に挑戦しつつ、Acepen AP906をCLIP STUDIO PAINTなどのイラスト制作ツールで使ってみての使用感をチェックしていきます。

また、Acepenさんからは今回レビュー用に提供頂いた一台に加え読者プレゼント用にも一台提供頂ける事になりました。記事の最後にてプレゼントキャンペーンの詳細を掲載しています。

Acepen AP906のパッケージ・外観

こちらがAcepen AP906のパッケージ。グラフィティ調のグラフィックがプリントされており、カジュアル感の演出を感じるデザインとなっています。

背面は分かりやすくスペックがまとめられています。

ペンタブ本体は箱の中で個別包装されています。

マニュアルの他、手の負担軽減用の手袋も付属。

他の付属品はペン本体、USB type A-type Cケーブル、microUSB/USB type CのOTGアダプタ、替用の芯。

こちらがペンタブ本体。描画領域はA5サイズとなっています。

上部のカスタマイズ可能なキーは3つ・2つ・3つと左右対称に並んでおり、右利きでも左利きでも同様に使えるように配慮されています。

背面。四隅には滑り止め、上部にはペンを挿しておけるループが搭載されています。

本体左側面上側に搭載されているUSBポートはtype C。

こちらが付属のペン。2つのショートカットボタンが搭載されています。

付属するUSBケーブルはL字型となっており、側面のUSB type CポートからPCまで取り回しやすくなっています。

ドライバのインストール方法(macOS)

今回はIntel製のCPU搭載のiMac(macOS 11.6 Big Sur)で使ってみましたが、Macへのドライバのインストール方法は少し手順がトリッキーで引っかかりポイントだったので上手くいった手順を説明していきます。

1. 公式サイトからドライバーをダウンロード

まずはAcepen公式サイトのサポートページから「AP 906」という項目を探し、「DOWNLOAD for MAC」をクリックしてダウンロード。記事作成時点での最新版は「Pen-Tablet-Driver_Mac-3.0.0.2-acepen.zip」でした。

これを開くとzipファイルが解凍されてインストーラーのpkgファイルが出てきます。

2. インストーラーを右クリックして開く

ドライバーのインストーラーはダブルクリックで開くと「開発元が未確認のため開けません。」と表示されインストールできないため、右クリックをして「開く」を選ぶ必要があります。

右クリックから開くとダイアログで「開く」が選択できるようになるので、開くをクリックしてインストーラーを起動してインストールします。

3. PenTablet.appを開いてシステム環境設定を変更する

アプリケーションフォルダの「PenTabletDriver」の中に「PenTablet.app」が導入されているので開くと、キー操作の受信のダイアログが出るので、「システム環境設定を開く」を押します。

左下の「変更できないようにするにはカギをクリックします。」をクリックするとチェックが入れられるようになるので、「PenTablet.app」にチェックを入れます。

続いて左側の項目を「入力監視」から「アクセシビリティ」に移動し、同じく「PenTablet.app」にチェックを入れます。

以上の手順でPhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなどのツールでAcepen AP906が認識されペンタブとして利用できるようになりました。

ボタンは柔軟にカスタマイズ可能

PenTablet.appのユーティリティからは各種カスタマイズが設定可能。ペンの設定は本体の2つのボタンの機能を設定できるだけでなく、筆圧カーブも調整できます。

ペンタブ本体側は8つのボタンにそれぞれ機能が設定可能。

ペンとボタンに設定可能な機能はこのとおり。CtrlやShiftなどと組み合わせたキーバインドを設定できるほか、クリック系やペン・消しゴム切り替えなどペンタブ特有の操作も割り振ることができます。

Androidはドライバのインストール不要で利用可能

付属のUSB type C(あるいはmicroUSB)の変換アダプタを使うことで、Androidスマートフォン・タブレットと接続してペンタブとして使うことが可能。ドライバのインストールなどは特に不要で、対応のアプリを使えばそのまま筆圧・角度を検知してくれます。

これを使うと手元のAndroidスマートフォン・Androidタブレットでそのまま使う事ができるため、パソコンが無くてもお絵描きの環境を作る事ができます。

今回は2つ折りのフォルダブルAndroid端末「Galaxy Z Fold2」にCLIP STUDIO PAINTをインストールして試してみましたが、相性は抜群。フォルダブルの大画面を活かしつつ、ペンタブで快適に線を引く事ができました。

後継機のGalaxy Z Fold3では筆圧対応の「Sペン」に対応していますが、画面中央に折り目があるため中央に跨った線を引くには不向き。Galaxyに限らず、フォルダブル端末でのイラスト制作はこの折り目が難点となっています。

一方今回使っているAcepen AP906は板タブのため、画面の折り目を気にする必要は不要。コンパクトに折り畳めるフォルダブルの大画面のメリットを最大限活かしつつ、筆圧対応のペンでお絵描きすることができます。

本体のショートカットキーはAndroidでも使用可能で、使うツールによってカスタマイズも可能。

本体重量も380gと重すぎないので、ペンタブ+Androidを持ち運んでポータブルなイラスト制作環境として持ち運ぶ運用も行けそうです。

なお、ペンタブ側の縦横を回転したい場合は左端・右端のボタンを同時押しで可能。縦置き・横置きどちらでも作業できるのでお好みで変えられるのは嬉しいポイント。

実際にAcepen AP906を使ってオリジナルイラストを描いてみる

実はこのレビュー以前はアナログ含め特にお絵描きなどを日頃した事は無かったのですが、せっかく製品提供のお話を頂いたのでしっかりやろうと思い、色々とやり方を調べて挑戦してみました。こちらの経緯の詳細は「お絵描き素人が1枚のファンアートを描くために歩んだ全ての工程を解説する」というnoteの記事にまとめています。

上記の1枚目でざっくりとデジタルイラストの流れを掴むことができたので、続いては「Acepen AP906を使ったオリジナルキャラクターのイラスト」を描く事にしました。

今回使ったデバイスはAcepen AP906とiMac(27インチ・2020年モデル)、ツールはCLIP STUDIO PAINT PROを使用。下書きにはiPad miniとApple Pencilを使っています。

まずは「どんなキャラクターにしたいか」をざっくりイメージして、iPad miniでなんとなくのイメージをラフとして下書き。紙でも良いのですが、今回は取り込みの時短のためにiPadのCLIP STUDIO PAINTを使って同期しました。

初心者がいきなり板タブで描くと感覚に慣れなくて上手く形にできない」という壁が最初の入門時にはありがちですが、紙やタッチパネルなどで直感的にラフを描いてから取り込んで板タブで仕上げていくという方法を取れば下書きの上からなぞっていく事になり、デジタルとアナログの感覚の差を埋める事ができるので個人的におすすめ。

ラフをiMacのCLIP STUDIO PAINTに取り込み、Acepen AP906で線を引いて清書していきます。AppleのMagic Trackpadがあるとピンチ操作で回転や拡大縮小ができるので、iPad感覚で作業できて良かったです。

AP906の筆圧検知も素直で、特に違和感なく曲線を引いたり、線の抜き部分の太さ調整も特にストレスを感じることなく作業することができました。

AP906で色を塗って全体を整え、文字入れをして無事完成。初めて描いたオリジナルキャラクターですが中々好みが詰め込めて満足です。

Acepen AP906を使っていて気になった点・デメリット

続いて、実際にAP906を使っていて気になったポイントをピックアップしていきます。

  • Mac用のドライバのインストール手順が難しい
  • ショートカットキー使用後すぐに線が描けない
  • タブ側のショートカットキーの押し心地が固い

まず、最初に感じたのはMac用のペンタブドライバのインストール手順がやや難しかったところ。本記事で解説している手順通りやれば問題ありませんが、環境設定周りがトリッキーで、特にこれに関する説明書も付属していなかったため初心者にはドライバのインストールマニュアルがあると嬉しいのではないかと思いました。

続いて、描いていて気になったのがショートカットキー使用後のタイムラグ。「取り消し」をショートカットキーに設定して「線を引く」→「取り消す」→「線を引く」といった繰り返しをして狙い通りの線が引けるまでやり直す事があるのですが、その際「取り消す」のショートカットを押した後に線が引けるまで少し長いタイムラグがありました。

そのため、ショートカットキーを押してから一呼吸してから線を引く必要があり、ここは慣れが必要なポイント。テンポ良く進められるよう、この辺りのレスポンス速度は上げてほしいところ。

また、タブレット側に配置されている8個のキーの押し心地が固めなのも不満点。押すのにそこそこ力が必要なので、長時間作業中に何度も押したくないと感じました。この辺りも快適な操作性のために調整してほしいポイントです。

PCでもAndroidでも使えるお手頃な入門ペンタブ

Acepen AP906はAmazonで6,180円で販売中。機能が近い他社の競合モデルとしてはWacom Intuos Smallベーシックが挙げられますが、こちらは記事作成段階で8,345円とAcepenより約2,000円強の割高。実機を触ってみた感想としてはWacomは業界デファクトスタンダードなだけあり操作感は上に感じましたが、AcepenはAndroidで使うためのOTGアダプタ2種が付属、より多くのショートカットキーを搭載しているなどのメリットもあり、お買い得感のある機種なのではないかと思います。

実際このペンタブを機に初心者としてデジタルイラスト制作に挑戦してみましたが、十分楽しめる性能を有しており楽しく制作作業に取り組むことができました。

約6,000円で購入できるペンタブで、PCが無くても手持ちのAndroidと組み合わせてお手軽にデジタルイラスト環境が作れるのは最初の入門用としては魅力的。より大きな画面が欲しい場合は1万円未満のFireタブレットなどと組み合わせるのも面白そうです。

より多くを求めるとなると他社製品のような指のマルチタッチ機能もキャンバスの回転・拡大・縮小に欲しいところはありますが、ペンタブ自体の感圧部分は精度的に気になる所も無かったので、最初の一枚としては手堅い選択肢なのではないでしょうか。

フォロー&RTでAcepen AP906を読者1名様にプレゼント

今回Acepenさんより、レビューした「AP906」をレビュー用の提供品に加え読者プレゼント用にもう一台プレゼントしていただける事になりましたので、Twitterにてプレゼントキャンペーンを実施します。

PCだけでなくAndroidスマホとも繋いでお手軽に使えるモデルなので、お絵描きが好き・イラスト制作に興味がありAP906でお絵描きがしてみたい方は是非奮ってご応募ください。

プレゼントキャンペーンの参加方法は以下のとおり。

キャンペーン応募期間は2021年11月30日23:59まで。応募期間終了後、リツイートした方の中から抽選で1名様に連絡差し上げます。応募にあたっての注意点は以下のとおり。

  • 非公開アカウントでの応募はできません
  • 抽選時点で応募条件のアカウントをフォローしていない場合、応募は無効になります
  • 当選者への連絡から48時間以内にお返事が無い場合、再抽選を行う場合があります

デジタルイラスト制作は今回自分も新たに挑戦みてとても楽しかったので、最初の一歩を踏み出す方の背中を押す企画になれば良いなと思います。フォロー&RTで応募完了なので、是非気軽に応募してみてください。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。世の中の素敵な製品を見つけるのが楽しみ。趣味は理想のサイト作り。休日の楽しみは愛車の「ロータス・エリーゼ」と「アルファロメオ・ジュリエッタ」でのドライブ。マジックアワーに撮る写真が好き。