2022年3月9日にAppleから発表され、18日に発売された第3世代iPhone SE。端的に言ってしまえば従来筐体に最新チップを搭載した入門モデルという位置付けですが、具体的な部分を掘り下げて魅力を探っていこうと思います。
この記事の目次
iPhone SE(第3世代)で変わったところ
iPhone SEが第2世代→第3世代になって変わった主なポイントは以下のとおり。
- 5Gに対応
- チップがA13 Bionic→A15 Bionicに
- 電池持ちが最大13時間のビデオ再生→最大15時間のビデオ再生に
- iPhone 13と同じガラスを両面に採用
- 重量が148g→144gになり4g軽量化
- カメラがDeep Fusion機能に対応
- iPhone 13で登場したスマートHDR 4に対応
- フォトグラフスタイルに対応
- 1080pスローモーションビデオ(120fps)に対応
それではスペックシートでiPhone SEの第2・3世代、iPhone SEの違いを比較していきます。
iPhone SE 第3世代・第2世代・iPhone 8の比較表
iPhone SE(第3世代) |
iPhone SE(第2世代) |
iPhone 8 |
|
---|---|---|---|
発売年 | 2022年 | 2020年 | 2017年 |
画面サイズ | 4.7インチ | 4.7インチ | 4.7インチ |
チップ | A15 Bionic (iPhone 13相当) |
A13 Bionic (iPhone 11相当) |
A11 Bionic (iPhone X相当) |
メインカメラ | 1200万画素 F1.8 | 1200万画素 F1.8 | 1200万画素 F1.8 |
インカメラ | 700万画素 F2.2 | 700万画素 F2.2 | 700万画素 F2.2 |
カメラ機能 | ポートレートモード スマート HDR 4 Deep Fusion フォトグラフスタイル |
ポートレートモード スマートHDR |
自動HDR |
モバイル通信 | 5G | 4G | 4G |
重量 | 144 g | 148 g | 148 g |
生体認証 | Touch ID | Touch ID | Touch ID |
電池持ち | ビデオ再生 最大15時間 |
ビデオ再生 最大13時間 |
ビデオ再生 最大13時間 |
ワイヤレス充電 | 対応 | 対応 | 対応 |
ストレージ | 64GB 128GB 256GB |
64GB 128GB |
64GB 128GB |
カラー | (PRODUCT)RED スターライト ミッドナイト |
(PRODUCT)RED ホワイト ブラック |
ゴールド シルバー スペースグレイ |
SIM | nano-SIM eSIM |
nano-SIM eSIM |
nano-SIM |
付属イヤホン | – | – | EarPods |
価格 | 57,800円〜 | 44,800円(発売時) | 78,800円(発売時) |
iPhone SEは第3世代になり、iPhone 13で採用されたのと同じ世代の「A15 Bionic」チップを採用。第2世代で採用していたiPhone 11世代相当のA13 Bionicチップと比べると2年分新しくなっています。
カメラ周りの画素数などに変更は無いものの、撮影時の画像処理は最新の物に進化。スマートHDR 4、Deep Fusion、フォトグラフスタイルといったiPhone 13シリーズ搭載の機能が搭載されています。ただしナイトモードに関しては非搭載となっているので注意。
通信面は2022年の新モデルらしく5Gに新たに対応しました。
ストレージは今回新たに64GB・128GBに加え256GBモデルが追加されていますが、第2世代でも発売当初は256GBモデルが存在し、iPhone 13シリーズの発売と同時に終売。半年間姿を消していた容量が復活した格好となっています。
iPhone 13世代に刷新された筐体カラー
筐体サイズ・形状には変更は無いものの、重量は4g軽量化。カラーバリエーションは赤・黒・白の大まかな系統自体は第2世代から続投なものの、色味はiPhone 13シリーズ世代のスタイルにアップデート。
(PRODUCT)REDはより深みのある赤、白系統は8→第2世代SEでグレー系から純白になりましたが、今回スターライトはシャンパン寄りの煌びやかな色に。ミッドナイトは青みのかかった色になっています。
個人的に、今回のカラーバリエーションはかなり魅力的になったと感じました。
単体でシンプルに使える、いわゆる「iPhone Classic」
iPhone SE(第3世代)はiPhone 13世代の最新のA15 Bionicチップを搭載し、筐体カラーもiPhone 13シリーズと同じテイストにアップデート。それ以外の部分はほとんど変わらない、クラシックなiPhoneとなっています。
iPhone 13シリーズと比べると超広角カメラやナイトモードが無かったり、MagSafeによるマグネットのアクセサリ群が使えなかったりと見劣りする部分はあるものの、iPhone単体でシンプルに使う分には案外一番良い機種かもしれません。
かつてAppleが「iPod」の最終モデルを「iPod Classic」と呼んだように、このiPhone SEも最もコアな体験の部分はしっかり押さえつつ、過剰な機能の足し算はしない「iPhone Classic」と呼べるのではないでしょうか。
iPhone 13シリーズは指紋認証のTouch IDではなく顔認証のFace IDを採用しており、Apple Payの決済のたびに顔認証が必要なのは手間。これは別途Apple Watchを購入してApple WatchのApple Payを併用する事で解決できますが、やはり単体でApple Payする分にはTouch IDの利便性が優位だと感じます。
またiPhone 12シリーズ以降で対応しているMagSafeアクセサリは個人的に非常に気に入っており、BelkinのMagSafe車載ホルダーはもはや戻れないほど便利に感じているものの、やはりMagSafeアクセサリの環境を一通り揃えると出費が嵩むのも事実。純正のマグネット充電ケーブルだけでも5,000円近くするので、MagSafeはポテンシャルを引き出すには追加の出費が不可欠。
自分のiPhoneの使い方を振り返ると、マスクありのロック解除(iOS 15.4で改善)やApple Payに不可欠なApple Watchに大きく依存していたりと、iPhone 13シリーズを快適に使うためには周辺機器に頼っている部分が大きいと感じています。
そう考えると、今回のiPhone SEは購入後も長く使えるであろう最新の処理性能や5G対応が盛り込まれていながら、Apple WatchやMagSafeアクセサリなどの周辺機器に手を出すことなく単体でシンプルに使える一つの完成系とも言えるのではないでしょうか。
周りに物を増やさず「iPhoneだけでシンプルに使いたい」という方であれば、このiPhone SE(第3世代)は単なる廉価版以上の価値のある機種になり得る一台です。