部屋を自動で掃除してくれるロボット掃除機。標準的な機能としてタイマーによる自動掃除は多くの機種で可能ですが、今回は入門機「ルンバ692」を使って人間の位置情報をトリガーに外出中に掃除しておいてくれるよう設定してみました。
この記事の目次
位置情報をトリガーに動かせるロボット掃除機を探す
ロボット掃除機に非対応のGoogle Homeの「ルーティン」機能
まず最初に検討したのが、Google Homeのルーティン機能を使う方法。
スマートホームのハブとなるGoogle Homeアプリには「ルーティン」機能があり、アカウントが紐付けられたスマートフォンが自宅から離れるのをトリガーに「外出モード」にて一括で連携しているスマートホーム機器を操作することができます。
これで設定できればほとんどのWiFi対応のロボット掃除機が操作できるのですが、残念ながらGoogle Homeのルーティン機能はロボット掃除機には非対応。そのため、今回は別の方法でGPS連動でトリガーできるWebサービスとロボット掃除機を探してみました。
IFTTTに対応している「ルンバ692」を選定
Google Home以外のGPS連動方法として使えるのがIFTTT(イフト)というWebサービス。これは複数のWebサービスやスマートホーム機器を繋げて連携させる事に特化したサービスで、無料プランでも5つまでの連携を設定可能。
iPhone/Android向けに提供されているIFTTTアプリを使ってGPS連動したトリガーを作ることが可能で、特定のエリアを出たり特定のエリアに入ったりする事で他のWebサービスや機器の機能を発動させることができます。
ただしIFTTTに対応しているロボット掃除機は少なく、ロボット掃除機最大手のiRobot(ルンバ)やサムスン、SwitchBot S1など数えるほどしか対応メーカーが無く、ほとんどのメーカーのロボット掃除機は連動することができません。
今回はIFTTT×ルンバの連動にもしっかり対応していながらも価格もお手頃なルンバのエントリーモデル「ルンバ692」を導入して設定していくことにします。
ルンバ692とは
ルンバ692はAmazon.co.jp限定モデルとして販売されているルンバの入門機。価格は29,800円とルンバの中では最安となっています。
上位モデルに搭載されている部屋のマッピング機能や水拭き機能などは搭載されていないベーシックなモデルではあるものの、WiFiはしっかりと搭載しており上位モデル同様にiRobotのスマホアプリからの遠隔操作やIFTTTなどのWebサービスとの連動も可能となっています。
実際にIFTTTでアプレットを設定する
IFTTTの自動化設定「アプレット」は、WebサイトあるいはiOSアプリ・Androidアプリからセットアップ可能。今回の設定はスマートフォンのIFTTTアプリの位置情報機能を利用するので、スマートフォンからの設定がおすすめ。トリガーに「Location」の「You exit an area」で位置情報を設定し、アクションに「iRobot」の「Start robot」を設定すると「設定した位置情報周辺のエリアを出た際にルンバが掃除してくれる」ように設定できます。
なお、iRobotアクションの中に「Clean by Room」は部屋ごとに掃除する機能を搭載したルンバの上位モデルのみ利用可能で、今回設定したルンバ692は機能として搭載しておらず選択肢が出てこないので注意。
以上の設定を済ませてスマホのIFTTTアプリの位置情報を「常に許可」にしておけば、スマホ本体を家から持ち出した時に自動でルンバが掃除開始してくれるはずです。
「外に出ている間に床を掃除」にルンバ692は最適
実際今回ルンバ692を用いて「家を出たら自動で部屋を掃除」という自動化を設定してみましたが、試しに何度か家を離れてみたところ問題なく外出を検知して部屋を掃除してくれ、無事目的を達成することができました。
今回使ったルンバ692は上位機能にある高度な機能の多くを省いたAmazon限定のエントリーモデルではあるため部屋の形状のマッピング機能なども搭載しておらず、賢く最短ルートで床を掃除するという事はできません。
ただ実際何台かのロボット掃除機を試したところマッピング機能を搭載したモデルが掃除に要する時間が平均10分程度で、このルンバ692は平均20分程度。マッピング機能を搭載していると約半分の所要時間で掃除でき、これは人間が居る空間では体感として結構大きな差です。
ただ一方で外出時に自動で始動する自宅のロボット掃除機が人が居ない空間で10分で掃除しても20分で掃除しても特に差が無いため、人間が不在の部屋を掃除する際はマッピング非搭載モデルでも全く問題無いと感じました。
人間が不在の部屋をロボット掃除機が這い回るため日頃から床に物を置かないのは勿論のこと、冬季は転倒の恐れのある暖房器具を使わないといった安全面での配慮は必要になってくるため注意が必要ですが、実際今回そういった問題の無い作業部屋で運用してみた感触としては「ちょっと食事に出掛けている間」「気分転換に散歩に出ている間」といった作業を切り上げた隙間隙間のタイミングで毎回床が綺麗になるので、帰ってくるたびにモチベーションが高く維持でき作業部屋自体の性能がぐっと引き上げられたと感じられました。ロボット掃除機のために部屋を最適化してでも導入してみる価値はあるのではないかと思います。
またロボット掃除機の選定基準に関しても今回の件で学びがあり、ルンバ692よりも低価格で高機能なモデルは多く存在するものの、iRobotのWebサービス面での連携の柔軟性は差額の価値が大いにあると感じました。実際手元にAnkerの家電ブランド「Eufy」の高性能モデルなどいくつかのロボット掃除機はあるものの、直接IFTTTと連携できたのはルンバだけ。今回の例ように「他のデバイスと連動して掃除をする」といった自動化が好きな人は入門機でもルンバを選ぶ価値があると言えるでしょう。