MacBook Airを外に持ち出してコワーキングカフェや宿泊施設などで作業する事が増えてきたのでフリーWiFiで安全にインターネットに繋ぐためVPNの導入を検討していたところ、VPNサービスを提供しているNordVPNから製品を試用する機会を頂いたので実際に導入してみました。
この記事の目次
フリーWiFiの危険性とVPNの必要性
まずは、フリーWiFiの危険性についてのおさらい。
最近はサービスとしてコンセントやフリーWiFiを提供している店舗も多いですが、そういった外出先のカフェやコワーキングスペース、宿泊施設などにパソコンを持ち込んで作業を行う場合、セキュリティ上の懸念があります。主な懸念点は以下のとおり。
- 暗号化されていないWiFiを使う場合、通信内容が傍受される可能性がある
- 暗号化されている場合でも、WiFi自体がなりすましアクセスポイントの可能性がある
当サイトを含めて現代のインターネット上の多くのサイトは「https://」で始まるURLとなっており、暗号化されていないWiFi上で接続しても傍受は難しいSSLで暗号化されている割合が多くなってはいるものの、まだ一部は暗号化されていない状態。
暗号化されていないフリーWiFi経由で暗号化されていないサイトへ接続した場合、閲覧したサイトの情報だけでなくフォームから送信した情報なども傍受されてしまう可能性がありますが、このリスクを最小化するのに役立つのがVPN。
VPNはVirtual Private Networkの略で、送受信側を仮想のトンネルで繋ぎ通信する仕組み。遠隔の拠点間のネットワーク同士を繋いだり、遠隔地から社内ネットワークのリソースを利用したりと様々な用途のある技術ですが、一般コンシューマー向けに提供されるサービスとして最もメジャーな用途がVPNの暗号化によるインターネット接続の保護。
パソコンからのインターネット接続を全て暗号化したVPNのトンネル経由にする事によって、暗号化されていないフリーWiFiなどのセキュリティリスクのある場所での情報漏洩のリスクを減らす事ができます。
今回メーカーの有償ライセンスの提供によってレビューするNordVPNはそういったコンシューマー向けVPNサービスの中でもきめ細かな機能が揃っている製品で、登録した自宅等の信頼できる場所を除いた公衆のWiFi接続時には自動でVPNへ接続する機能であったり、VPNに接続して安全を確保するまではインターネットを遮断するキルスイッチであったりと、外出先のフリーWiFiでの安全な作業を手厚くサポートしてくれるソフトウェアが備わっているのが魅力。
今回は実際にカフェにMacBook Airを持ち出してNordVPNを使ってみたので、使用感にも触れながらそれぞれの機能をピックアップしていきます。
NordVPNとは
NordVPNは、強制的なデータ保持法がないパナマ共和国に拠点を置いているVPNサービスプロバイダ。60か国に5500台以上のVPNサーバーを保有しており、帯域無制限・高速なVPN接続が売り。
国を指定して接続する事も可能で、以前Twitter Blueが日本でサービス開始する前に登録する方法を解説した記事の時のように、特定のリージョンのみ展開しているWebサービスを使う際にも重宝します。
自ら高速な回線速度を掲げているだけあり、第三者機関のAV-Testの評価によると日本での平均ダウンロード速度は527.1 Mbpsを記録。主要の競合他社と比べての約2倍の実測値を出しています。
マルチプラットフォーム対応も幅広く、1つのアカウントで同時に6台のデバイスが保護可能。Windows・Mac・iOS・Androidといった主要OSだけでなく、ChromebookやAndroid TV、Oculus Questといったデバイスからルーターにインストールして傘下のデバイス全てをVPNに通したりといったことができるようになっています。
VPN接続用のクライアントのソフトウェア側の機能も充実しており、自宅などの普段使うネットワークは例外登録して外出先のみVPNに自動接続したり、外出先ではVPN未接続の状態ではインターネット接続自体を遮断するキルスイッチを搭載するなど、今回の「外出先で安全にフリーWiFiを利用する」という目的に合った機能が揃っています。
NordVPNは外出先のWiFi利用時のみ全自動でVPN接続が可能
NordVPNのクライアントは自動接続機能を搭載しているため、WiFi接続するたびに毎回VPN接続の操作を行うことは不要。また、自宅などは「信頼されたネットワーク」としてホワイトリスト登録して自動接続しないようにも設定できるので、「自宅ではVPN無し・自宅以外では自動でVPN接続」といった使い分けが自動で出来るようになっています。
この機能はPC版だけでなくiOS/Android版のクライアントでも有効で、PCより頻繁に外出先のWiFiを使う事の多いスマートフォンでも操作不要で自動でWiFi接続時に保護してくれるのは便利なところ。
なおフリーWiFi接続時にNordVPNの自動接続が先に繋がってしまってログインや会員登録が上手く行かない場合は一時停止機能もあり、5分間・30分間・1時間VPNの自動接続を止める事ができるので、止めた状態で接続を済ませることもできます。
更に強力な保護のためにVPN切断時はネットも遮断する「キルスイッチ」も搭載
更に強力な保護を行いたい場合、キルスイッチ機能も利用可能。これはVPN接続が切れている状態では自動でインターネット接続を遮断する機能で、VPN接続する前のインシデントを予防する事ができます。
NordVPNの通信速度を実際に外出先&自宅で計測してみた
接続周りの機能性は分かったところで、次に気になるのが実際に使ってみた通信速度。
今回は実際にフリーWiFiを利用できるコワーキング系のカフェの行った際にWiFiに繋いで、NordVPNを繋がない状態・繋いだ状態で回線速度をSpeedtest for Macを使って計測してみました。
VPNを挟んだ状態ではping値のレスポンスは27ms→57msと長くなってはいるものの、通信速度自体は上り下りともに元の40Mbps台から大きく変わらず。実際の使い勝手としても十分実用的な速度に感じました。
また元々の通信速度が速い自宅のドコモ光の環境で何度かVPN無し・VPNありで計測してみたところ、大体の平均としてpingが4ms→8ms、ダウンロードが450Mbps→250Mbps、アップロードが450Mbps→200Mbps程度になったので、NordVPN自体はこの程度の速度まで出せるポテンシャルがあるようです。
速度&便利な接続機能を備えたVPNサービス
NordVPNはその通信速度の速さから自分の周りにも愛用者が居るのは知っていましたが、実際に使ってみると自動接続機能やサーバーの国を選択できる機能などの接続用クライアントの利便性もしっかりと作られており、速度だけでなく使い勝手においても普段から手間なく使えるVPNとして良い製品だと感じる内容でした。
料金プランは「2年プラン」「1年プラン」「1か月プラン」と用意されており、長い契約期間ほど月額換算が安くなる仕組み。最安の2年プランであれば月500円ほどで契約する事ができます。
VPN自体は自宅用WiFiルーターの機能やサブスクリプションサービスの特典など付加価値的に用意されている事も増えてきましたが、NordVPNは普段使いにおける自動接続の利便性や通信速度の速さなど、あえて専用に有償サービスを契約するだけの価値はある内容と言えます。今回紹介した他にも固定IP、遠隔地同士で繋げられるメッシュネットワーク、二重VPN、帯域規制無しのP2P接続用サーバーなど様々な機能が利用可能なので、気になる方はNordVPN公式サイトを確認してみてください。
パソコンを持ち出して外出先のWiFiを使って作業する方には是非検討してみてほしいサービスです。