日本時間2024年5月7日の23時より、AppleのiPad関連の新製品が発表されるApple Eventが開催されました。
この記事の目次
Apple Eventの動画
Apple Eventの配信のアーカイブはこちらのYouTubeから閲覧可能です。
発表された新製品
1. iPad Air(M2チップ搭載・第6世代)
iPad AirがM1→M2チップに刷新され、従来の10.9インチのワンサイズから11インチ・13インチの2サイズ展開になりました。
通話用のフロントカメラは横向きにした際に中央に来る位置に移動した事で、従来機では横の端から映されていたビデオ通話体験が改善されています。
Apple Pencilに関しては今回新発表となるApple Pencil Pro、廉価版のApple Pencil(USB-C)に対応するものの、先代モデルの第5世代iPad Airまでが対応していた第2世代Apple Pencilには非対応。
カラーはスペースグレイ・ブルー・パープル・スターライトの4色展開。ストレージ容量は128GB・256GB・512GB・1TBから選択可能。
従来モデルに引き続きWiFiモデル・WiFi+セルラーのモデルが選択できますが、今回から物理SIMには対応せずeSIMのみ利用可能となっています。
価格は11インチモデルが98,800円、13インチモデルが128,800円から。
2. iPad Pro(M4チップ・OLED搭載)
有機ELを2枚重ねて輝度を高めるタンデムOLEDテクノロジーを採用したUltra Retina XDRディスプレイを搭載して筐体を薄型化し、今回新発表となるM4チップを採用した新しいiPad Proが発表。
11インチモデルは5.3mm、13インチモデルは5.1mmの薄さとなっており、かつてAppleが発売したiPod nanoよりも更に薄い、Apple製品史上最薄のデバイスとのこと。
Ultra Retina XDRディスプレイは1,000ニトのフルスクリーン輝度、1,600ニトのピーク輝度に対応。
前面のカメラは新しいiPad Air同様横向きにした際に中央に来る位置に変更されており、これに伴ってiPad Air同様にApple Pencil Pro・Apple Pencil(USB-C)にのみ対応し第2世代Apple Pencilには非対応。
Apple Studio Displayなどに採用されていた画面への映り込みを防止するNano-textureガラスがiPad Proでもオプションとして選択可能に。ただし選択するには1TB以上のストレージ容量のモデルを選ぶ必要があります。
新しいiPad Proは5月15日発売で、11インチモデルが168,800円から、13インチモデルが218,800円から。
ストレージは256GB・512GB・1TB・2TBから選択可能で、選択するストレージによってM4チップのCPU/RAMの構成が変化。256GB・512GBモデルを選択した場合は3つの高性能コアと6つの高効率コアを搭載した9コアCPU・8GB RAM、1TB・2TBモデルを選択した場合は4つの高性能コアと6つの高効率コアを搭載した10コアCPU・16GB RAMとなります。
3. Magic Keyboard
薄型化・軽量化してファンクションキーを搭載した新しいMagic KeyboardもiPad Proに合わせて登場。アルミニウムのパームレストと大型のトラックパッドを採用することで、MacBookのような使い心地を実現しているとのこと。
従来Magic Keyboardはエントリーモデルの第10世代iPad用のMagic Keyboard Folioに搭載されているファンクションキーが搭載されておらず、プロモデル用でありながらエントリーモデルに機能的に劣っていたという点が今回のモデルで解消された格好となります。
カラーはホワイト・ブラックの2色展開で、11インチiPad Pro用が49,800円、13インチiPad Pro用が59,800円となっています。iPad Proと同じく5月15日発売。
4. Apple Pencil Pro
新しいiPad AirとiPad Proに対応したApple Pencil Proが新たに登場。
Apple Pencil Proをスクイーズ(指で強く押す)するとセンサーがそれを感知し、ツールパレットを表示する事が可能。
操作に対してフィードバックを与える触覚エンジンを搭載し、スクイーズ・ダブルタップ・図形認識のスナップなどの操作に応じて軽いタップを返す仕組みになっています。
ジャイロスコープも内蔵し、ペン先を回転させる描画表現も可能となっています。
Apple Pencil Proの価格は21,800円となっており、5月15日発売。対応するデバイスは今回発表されたM2チップのiPad AirとM4チップのiPad Proのみとなっており、旧モデルでは使えないので注意。
iPadのラインナップが順当に強化された発表
今回の発表はiPad Air・iPad Proともに順当に新世代のチップに刷新され、旧モデルで課題とされていたビデオ通話時のカメラの位置やMagic Keyboardの機能不足といった部分を一通り解消し、要望の声が多かった大画面モデルのiPad AirやiPad Proへの有機EL採用など、近年のユーザーの要望をしっかりと製品化してきたという印象です。
Apple Pencilは今回の世代で第2世代の物が使えなくなってしまいましたが、カメラ位置を移動させた事で充電機構を変更する必要があったため、より良いiPadのユーザー体験には必要な変更だったと言えるでしょう。
iPad miniに関しては新型の発表は無かったどころか、円安レートの反映で78,800円→84,800円に値上げされており、シリーズの中でもロングセラーなモデルだけに2021年の発売時の59,800円からの値上げ幅が目立つ格好になりました。逆に第6世代モデルを2021年の発売時から長く使っている方にとってはラッキーかもしれません。