様々な操作を実行してくれるAI端末「rabbit r1」が発表後好評、日本からも購入可能

様々なアプリケーションに対する人間の操作を学習したモデルを用いて人間に代行して操作を行ってくれるAI端末「rabbit r1」が、発表直後に1日で10,000台予約を集める人気となっています。


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rabbit r1はタッチパネル・ホイール・前後に回転するカメラ・プッシュ式ボタン・マイク・スピーカー・WiFi・Bluetooth・LTE・SIMスロット・USB type Cポートを搭載した、コンパクトなモバイルデバイス。 rabbit OSを搭載し、学習した人間の操作を元に様々なアプリケーション上でタスクをこなしてくれるのが特徴。

筐体は以前レビューしたNothing Ear (2)などをデザイン・調音しているteenage engineeringが担当し、カラバリは「leuchtorange」一色のみ。

大規模言語モデル(LLM)により自然言語を解釈できるChatGPTのようなAIのサービスとは異なり、rabbit OSは大規模アクションモデル(LAM)に基づき人間のようにコンピュータを操作できるとしています。

動作速度は多くの音声AIアシスタントと比べて10倍高速で、側面のボタンを押しながら話しかけることで500ms以内に返答してくれるとのこと。

製品デモ

実際の動作はrabbitの発表動画で見る事ができます。

コカコーラの株価を聞くと、画面上にグラフを添えて即座に返してくれます。

映画に出演している俳優も画像付きで返答。

事前に「the rabbit hole」というサービス上でログインしておくことで、Spotify、uber、AmazonなどのWebサービスをrabbit r1上から利用可能。

Spotifyでrabbit r1に音楽を流してもらうと、rabbitのウサギがヘッドホンをかけたて音楽を聴く映像を用いたプレイヤーが画面上に表示されます。

作詞した人間を尋ねたり、rabbitに曲の感想を聞いたりすることもできます。

Uberで自宅への配車を手配してもらう事も可能。また人数を増やしたりといった調整もrabbitにお願いして調整してもらうこともできます。

「人気のトッピングで」宅配ピザを注文してといったお願いも柔軟に対応してくれます。

旅行に行きたい場合も日程を伝えて「大人2人と12歳の子供1人でロンドン旅行、WiFi付きのホテル、クールなSUV」といった具合にリクエストを出すと旅行の計画を立ててくれ、飛行機・ホテル・レンタカーそれぞれの確認ボタンを押すだけで予約が完了。

詳細な旅行プランの内容や必要になる予約の代行なども全て行ってくれる上、内容が気に入らない場合修正も音声でお願いする事が可能。

内蔵カメラの「rabbit eye」を使うと目の前の物に対するアクションもお願いする事が可能。周囲の状況を認識し、リアルタイム翻訳もできるそうです。

冷蔵庫の中身をrabbit r1に見せる事でレシピを考えてくれます。

表のデータを処理してメールで送ってもらうということも可能。

rabbit OSからのメールに返信することで追加の指示を出す事もできます。

PC上で「teach mode」を使ってアプリケーションの操作を一度デモすると、rabbit OSがそれを学習・応用してrabbit r1からの指示で実行する事も可能。デモではPCのDiscordからMidjourneyサーバーにアクセスし、AIによる画像生成を行う操作を一度見せる事でrabbit r1からDiscord経由で画像生成できるようになる様子を見せていました。

rabbit r1はiPhoneを置き換えるものではなく、15年以上前に登場したアプリ主体のスマートフォンとは全く異なるAIネイティブの新世代デバイスであるとのこと。

最後に価格の話になり、アプリ主体のスマートフォンは700〜1000ドルであると紹介。

「あまりスマートではない」旧世代なスマートスピーカーの価格帯も紹介。確かにChatGPTなどのLLM登場以降はこれらのAI音声アシスタントは一気に旧世代に感じるようになってしまったのは否定できません。

AI Pin、Ray-Ban MetaスマートグラスなどのLLM搭載のデバイスの価格帯も紹介。これらはオーバープライスな上サブスクリプションも要求する、とのこと。

最後にrabbit r1の価格を紹介。本体$199の買い切りで、月額使用料も掛からない事を強調しています。

日本からも予約可能、価格は送料込みで31,800円

rabbit r1はアメリカ合衆国・カナダ・イギリス・デンマーク・フランス・ドイツ・アイルランド・イタリア・オランダ・スペイン・スウェーデン・韓国・日本から注文可能で、アメリカ合衆国向けには初期ロットは3月〜4月に発送予定。日本を含むその他の国には2024年中となっていますが、具体的な日程は未定のようです。

日本から注文する場合は本体が29,500円送料が2,300円となっており、合計31,800円で予約できます。

予約は発表初日に10,000台に到達しており、アメリカ合衆国向けの発送も4〜5月予定に。rabbit社の500台売れれば御の字としていた想定を大きく上回る注目度となっているようです。

teenage engineeringの魅力的な筐体デザインはもちろんのこと、既存のAI系のサービスよりも実世界へのアクションが充実しており、teach modeによるPC操作の代行まで含めると出来る事の幅は非常に広く、2024年開始早々かなり面白いデバイスが登場したのではないでしょうか。

日本に来るのがいつになるのか分からないものの、予約したので実際触ってみるのが楽しみです。

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キリカ

ガジェットショットを作った人。本業はUI/UXデザイナー。趣味は理想のデスク環境作り、愛車「エリーゼ」「ジュリエッタ」でのドライブ、車旅を動画・写真に残す事。