前後2つのレンズで360度撮影できるアクションカメラInsta360 X3。今回はInsta360公式推奨のX3用のmicroSDカード、実際に撮影で使っているコストパフォーマンスの高いmicroSDカードを紹介しつつ、容量の選び方に関しても解説します。
この記事の目次
Insta360 X3とは
Insta360 X3(レビュー記事)は前後2つの超広角レンズの映像を合成し、5.7Kの360度映像を撮影、アプリで撮影後に自由にカメラワークを編集して書き出す事のできるアクションカメラ。撮影中にカメラの方向を変えられないような場合でも撮影後に任意の方向を映像として書き出す事ができるため、ウィンタースポーツや車載などでも固定カメラで一旦全方位を録画し、後から見どころの方向を切り抜くといった従来のカメラでは難しかった撮影が可能になっています。
実際に撮影した映像の例は以下のとおり。
2つのレンズで同時に前後を5.7Kで録画するため、推奨スペックを満たさないmicroSDカードでは書き込み速度が追いつかず、撮影に失敗する場合があるため通常のアクションカメラよりもmicroSDカードの選定は重要なカメラとなっています。
今回の記事ではInsta360公式の推奨microSDカード、推奨スペックを満たした他社製品の中から実際に撮影に使っているおすすめの物をピックアップして紹介していきます。
Insta360 X3に対応するmicroSDカードのスペック
公式のInsta360 X3 Support(英語)・X3オンラインマニュアル(日本語)のページを確認すると、Insta360 X3が対応するmicroSDカードはUHS-IのスピードクラスV30以上のもの。またUHS-II・UHS-IIIには非対応で、対応する容量は1TBまでとなっています。
Insta360公式の動作確認済みmicroSDカード
Insta360が公式に動作確認している製品は以下のとおり。
製品名 | 容量 |
---|---|
Sandisk Extreme V30 A1 | 32GB |
Sandisk Extreme Pro V30 A1 | 32GB |
Sandisk Extreme Pro V30 A1 | 64GB |
Sandisk Extreme V30 A1 | 128GB |
Sandisk Extreme V30 A2 | 64GB |
Sandisk Extreme V30 A2 | 256GB |
Sandisk Extreme Pro V30 A2 | 1TBB |
Lexar 1066x microSD UHS-I SILVER Series | 64GB |
Lexar 1066x microSD UHS-I SILVER Series | 128GB |
Lexar 1066x microSD UHS-I SILVER Series | 256GB |
これらのうち日本で正規に輸入されたものを買いやすいのはSandisk Extremeで、Amazonにて32GB・64GB・128GB・256GB・512GB・1TBがラインナップされています。価格も正規品でありながら比較的リーズナブルで、128GBであれば2,000円台で推移しています。
上位モデルのSandisk Extreme ProはAmazonでは正規品ではなく並行輸入品が出品されており、正規品をヨドバシカメラなどの家電量販店で購入すると128GBでも17,380円と非常に高額になっています。
Lexarの1066x SILVER Seriesは日本には正規輸入されていませんが、海外パッケージがAmazonに出品されています。512GBで7,980円と比較的リーズナブルですが、Sandisk Extremeの正規品と同じ価格帯のため、国内でもサポートが受けやすいSandisk Extremeを選んだほうが安心です。
以上のことから、日本でInsta360 X3が公式に動作確認をしているmicroSDカードをリーズナブルな価格で手に入れるのであればSandisk Extremeがおすすめ。Amazonではセールも不定期に実施されているので、タイミングが良ければ更に割安になるのも嬉しいところです。
実際にInsta360 X3で撮影に使えた他社のmicroSDカード
続いて、実際に私がInsta360 X3で撮影に使っているmicroSDカードを紹介します。
Samsung EVO Plus 512GB
最近の撮影で愛用しているのが、サムスン電子のEVO Plusシリーズ。Insta360 X3に適合するV30のスピードクラスに対応しつつも価格は512GBでも5,000円台を推移しており、Amazonで購入可能な同スペックのmicroSDの中では割安な部類でありながら国内正規保証が受けられる製品となっています。
黒いプラスチック筐体が多いmicroSDとしては珍しく白を採用しているので、ストレージなどを整理していて見つけやすいのも地味に便利なポイントだったりします。
こちらのmicroSDをInsta360 X3に入れて連泊の旅に何度も持ち出して撮影していますが、撮影に失敗する事もなく安定して使えています。
Team PRO+ 512GB
コスパの良いmicroSDメーカーとして定番のTeam。こちらから出ている「Team PRO+」もInsta360 X3で問題なく使えたmicroSDです。こちらもV30のスピードクラスに対応しており、Insta360 X3で使うに十分なスペックを備えています。カラーリングがInsta360公式microSDに近いのも面白いところ。
価格帯的にはサムスンよりもややお手頃で、512GBのものを約5,000円で購入できました。
容量の選び方は「64GBで1時間」
360度動画は前後のカメラで2つの映像を同時に撮影するという仕組み上、Insta360 X3は撮影環境にもよるものの、ビットレート「高」の標準的な自動設定で1分の5.7K・30fpsの360度動画を撮影すると1分で900MB強の容量になります。これを元に、自分が必要なおおよその容量を算出する事ができます。
Insta360 X3のビットレート設定は約80Mbpsとなる「標準」と約120Mbpsとなる「高」から設定で変更ができますが、360度撮影の全体のデータから一部の画角を切り出す360度カメラの仕組み上、ビットレート設定を下げてしまうと切り出した際の画質低下が普通のカメラより感じられやすくなっています。そのためビットレート設定は妥協せず、高い方のビットレートでの撮影に合わせた容量のmicroSDを確保するのがおすすめです。
また、ファイルシステムの関係でカメラから認識される容量はmicroSD記載の数字より小さくなります。Insta360 X3に手持ちの512GBのmicroSDを挿入したところ、認識したのは464GB。撮影可能時間は8時間47分と表示されました。別の512GBのmicroSDを挿入したところ477GBだったため個体差もあるようです。安全マージンを加味して大体「512GBのmicroSDで約8時間は撮影できる」というのを基準にすると良いでしょう。64GBで1時間なので、覚えやすく計算しやすいかと思います。
必要な容量はInsta360 X3での撮影スタイルにもよりますが、一度の持ち出しで要所要所で短い360度動画をこまめに撮るのであれば、128GB(約2時間)で十分に足りるでしょう。また、万が一出先で容量が不足した場合はスマートフォンのInsta360アプリでアプリ側に撮影データを転送すれば容量を空ける事も可能です。
逆にバイクや車に車載したまま長時間撮影したまま走ったりする場合は256GB(約4時間)以上、できれば512GB以上がおすすめ。
またInsta360 X3は本体に動画データを残したままInsta360アプリから編集して書き出す事ができるので、PC・外付けHDD・外付けSSDなどに都度動画取り込んで移すことをせず、撮ったままInsta360 X3本体にストックしていく使い方も便利。この使い方であれば512GBや1TBのmicroSDを買うのも取り込みの手間が省けて便利です。
まとめると、以下の容量がおすすめです。
- こまめに短い動画を撮影する方:128GB
- 車載など長時間の撮影をする方:256GB〜512GB
- 本体に映像を残していきたい方:512GB〜1TB
Insta360 X3におすすめのmicroSDまとめ
今回は実際の使用感なども交えて、Insta360 X3におすすめのmicroSDカードと容量の選び方を解説してみました。360度カメラは前後同時に撮影するため撮影データの容量も大きくなりがちですが、撮影に必要な容量はある程度推測が可能なので適切な容量を選ぶのがポイントとなります。
ストレージは大は小を兼ねますが、Insta360 X3の場合はストレージだけにお金をかけず幅広い周辺機器で撮影のバリエーションを増やした方が楽しめるカメラなので、容量は適切なものを選定し、浮いた差額をアクセサリに回すのがおすすめの買い方です。
個人的にはリーズナブルでしっかり使えているSamsung EVO Plus推しですが、公式動作確認済みのSandisk Extremeも手堅い選択肢。どちらも容量のラインナップが一通り揃っており、Amazonで適正価格で買えるので買いやすいmicroSDカードです。