ローカルLLMをAppleシリコン上で動かすことで、オフラインでAIアシスタントを使ったテキスト編集ができるエディタ「Amber」のクローズトβ版が有料で配布されています。
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AmberはThreadsのJustin Mitchell氏の開発しているAppleシリコンのMac上で動くリッチテキストエディタ。左サイドバー上のMicrosoft WordのようなUIでページごとにセクションを区切って編集できるほか、右サイドバーでは記事執筆中のメモ(Notes)や、メモと本文を取り込んだAIアシスタントを利用する事ができます。
AIアシスタントはワークスペース内のメモ、セクション内のメモ、ワークスペース全体、選択中のセクションの本文を読み込んで利用する事ができ、誤字脱字のチェックや添削を行う事が可能。AIによる返答はそのままメモとして保存する事ができます。
AIはあくまでアシスタント的な立ち位置となっており、AIで文章を生成するというよりも自分で書いた文章を元にAIの補助を使って文章を広げていく使い方のアプリとなっています。
AIは3つのモデルから選択可能
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AmberはオンラインのGeminiが使えるほか、オフラインで初期設定で3つのオープンソースのLLMから言語モデルを選択する事が可能です。
- Hermes 3B
- DeepSeek R1 7B
- DeepSeek R1 Llama 8B
軽量なHermes 3Bのほか、より大きなメモリを搭載したAppleシリコンのMac向けのDeepSeek R1 7B、DeepSeek R1 Llama 8Bも選択する事が可能。
言語モデルに加えて500文字までのファイル固有のカスタムコンテキストを与える事ができ、「SF小説を書いています」のように前提条件を指定する事でアシスタントの精度を高める事ができます。
これらローカルで動く言語モデルはAppleシリコンのMac本体上で動くローカルLLMのためOpenAIのGPT-4oなどのオンラインのAPIを使用しておらず、インターネットのない環境でオフライン利用できるのが特徴。またマシンスペックによっては高速に動作します。
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またソフトウェアだけでなく、スマートフォン一体型キーボード「Amber kb1」も製作中で、ペアリングした任意のスマートフォンを本体に取り付け、端末に合ったサイズのカバーを取り付ける事でどこでもAmberの執筆環境を持ち運べるとしています。
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Amberは公式サイトでメールアドレスを入力する事でアーリーアクセスの案内を受ける事ができるほか、$5の料金を払う事で有償のクローズドベータプログラムに参加してTestflight経由でインストールする事が可能。
実際購入して触ってみたところM1 MaxのMacBook Pro(メモリ64GB)ではローカルのDeepSeek R1が非常に高速にストレスフリーで動作し、日本語の文章を作成しながらAIに日本語でアシストしてもらう事が可能。
現在はベータ版という事もありAIの入力欄が日本語IMEの変換時に利用するEnterキーで途中送信してしまう日本語圏特有の問題はあるものの、非常に高いポテンシャルを感じるアプリです。