本日発表されたiPhone 16eを良い所・悪い所に分けて整理していきます。
この記事の目次
iPhone 16eの発表動画
今回発表されたAppleのiPhone 16e公式紹介動画がこちら。iPhone 16ファミリー追加されたエントリーモデルといった位置付けの機種になっています。
iPhone 16eの良い所
まず、iPhone 16eの個人的に良いなと思った点をピックアップしていきます。
Apple Intelligence対応
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iPhone 16eは廉価モデルながらA18チップを採用し、Apple Intelligence対応となっています。
米国向けに昨年先行でスタートしたApple Intelligenceですが、4月から日本でのサービス開始も予定されており、画像生成や文章の添削などiPhone上でのAI機能を活用する事ができるようになる予定。
iPhone 15はA16チップでApple Intelligence非対応となっていたので、低価格で入手できるiPhone同士で比較すると旧型で安くなっているiPhone 15よりも新型の廉価モデルであるiPhone 16eを選ぶ理由の一つとなってきます。
シングルカメラのミニマルなデザイン
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iPhone 16eはシングルカメラ構成となっているため、最近の2カメラ構成の通常モデル・3カメラ構成のProモデルと比べると非常にシンプルでミニマルな外観に仕上がっています。
Apple本来のミニマルなスタイリングを好む方にはiPhone 16eは上位モデルと比較しても有力な選択肢になりそうです。
カメラの突起が小さい
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iPhone 16eはシングルカメラなだけでなく、カメラの突起が非常に小さくなっています。特にケース無しで持つ場合は卓上でのガタつきが最も少ないモデルになりそうです。
シングルカメラで2倍望遠画角で撮れる
iPhone 16eは現行のiPhoneシリーズでは定番機能となった、4800万画素のメインカメラの中央の1200万画素を2倍望遠として使う機能が搭載されています。
これが非Proモデルに搭載されたiPhone 15でレビューしたとおり、望遠カメラのために専用でレンズを搭載せず高画素なメインカメラから切り出す方式は使用感が良く、性能の高いメインカメラのレンズの中央の最も解像する部分を使うため画質面でもメリットのある方式となっています。
従来のiPhone SEシリーズなどのシングルカメラモデルでは遠くの被写体を撮るのが難しかった所、iPhone 16eでは2倍望遠が使えるのはシングルカメラ廉価モデルの枠で見れば大きな進化と言って良いでしょう。
有機EL採用
iPhone 16eは有機EL(Super Retina XDRディスプレイ)を採用しており、液晶を採用していた従来のiPhone SEシリーズと比べると画質面で大きく進化しています。
マクロモード非搭載でメインカメラで撮れる
上位のiPhone 16シリーズは高性能化したメインカメラの最短焦点距離が遠いため、被写体に寄った場合は超広角レンズから切り出すマクロモードに切り替わります。
Proシリーズでの正直な使用感としてこのマクロモードはメインカメラで撮りたい被写体も勝手に画質の悪い超広角レンズに切り替わってしまって不便だったので、超広角を搭載せずメインカメラである程度寄ってそのまま撮れるiPhone 16eは使い勝手の面で良さそうです。
Apple C1モデム搭載で電池持ちが良い
iPhone 16eは通信にApple C1モデムを採用しており、省電力性能が向上したことからiPhone 16よりも電池持ちが良く、iPhone SEよりも12時間長く使えるとされています。
従来電池持ちのためにはPlusやPro Maxの大型モデルで物理的なバッテリー容量を確保しなくてはならなかったため、通常サイズのモデルで電池持ちも両立できるのは他のモデルには無いメリットです。
USB-C対応
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iPhone 16eは他のiPhone 16シリーズ同様、USB-C端子を採用しています。充電環境が他の多くのUSB-C採用デバイスと統一できるほか、アクセサリなどの幅も広がるのでLightning端子搭載のiPhone 14以前のモデルやiPhone SEシリーズからの乗り換えだと便利さを感じるポイントになりそうです。
iPhone 16eの悪い所
続いて、iPhone 16eの悪い所として気になった所をピックアップしていきます。
「mini」「Plus」サイズが無い
iPhone 16eは通常のiPhone 16相当のシングルサイズとなっており、小型モデル・大型モデルはラインナップされていません。廉価モデルとしてはバリエーションを可能な限り抑えて流通コストを下げているのは納得感があるものの、小型なサイズ目当てでiPhone SEシリーズを使っていたユーザーにとっては大きなモデルとなり、逆に性能はそれほど求めないものの大画面が欲しいユーザーはiPhone 16 Plusに行くしか無い状態となっています。
Touch IDが無い
こちらも廉価モデルのiPhone SEシリーズの置き換え的ポジションであると考えた場合のデメリットになりますが、iPhone 16eはiPhone SEシリーズまで搭載されていたTouch IDではなく、他のラインナップと同様のFace IDにようやく移行しています。
個人的にiPhoneはFace IDで特に不満を感じていないものの、Touch IDにこだわってiPhone SEシリーズを使っていたユーザーにとっては移行先が途絶えた形となっています。
サイレントスイッチが無い
iPhone 16eはiPhone 16同様、従来スライド式のサイレントスイッチがあった部分がアクションボタンに切り替わっており、消音モードの切り替えだけでなく様々な機能を割り振る事ができるようになっています。
便利な機能ではあるのですが、アクションボタン採用モデルを実際に使ってみるとサイレントスイッチ機能は結局物理ボタンとしてあると便利なのでそのまま消音モードのトグルで使ってしまっており、それであれば従来のスライド式の方が現在の状態が指先で把握できて便利だったと感じてしまっています。
廉価モデルなのであればアクションボタンは上位モデル専用機能として作り分けてくれてもシンプルで良かったのかなと思いますが、Appleの方向性としてはアクションボタンに統一していく流れになったようです。
超広角カメラが無い
先述したとおり超広角カメラが無い事によるメリットもあり、個人的に使用シーンは少なくはあるので困らないかなとは思うものの、超広角カメラでの撮影がiPhone 16eでは出来ない点は超広角カメラ付きモデルからの乗り換えの場合は注意すべきポイントかもしれません。
日常的に使わないものの住宅の内見などのシーンでは超広角は記録用として重宝する場合があるので、いざという時に無いというのは少し気になるところです。
MagSafeが無い
iPhone 16ライクな見た目でありながら、iPhone 16eは25WのMagSafe充電機能およびMagSafeアクセサリのマグネットリングが搭載されていません。
ただ充電速度に関しては改善ができないものの、MagSafe用のマグネットが搭載されていない問題はiPhone SEシリーズの頃からサードパーティのアクセサリで解決されており、iPhone 16e用としても早速ESRがMagSafeリング搭載ケースを発売しています。
画面が暗い
地味な差別化ポイントですが、iPhone 16eはiPhone 16やiPhone 16 Proと比べると画面の最大輝度が低く設定されています。
他のiPhone 16シリーズが標準時最大1,000ニト、屋外2,000ニトの明るさを実現しているのに対し、iPhone 16eは最大800ニトにとどまっており、屋外時に最大輝度を上げる機能も非搭載です。
そのため日差しの強い屋外では画面が見辛くなる可能性があるため注意が必要です。
色が白黒2色しかない
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流通するモデルのバリエーションを絞って価格を抑える廉価モデルらしく、iPhone 16eはホワイトとブラックの2色のみの展開となっています。ケースで隠れるので気にしない方も多いかとは思いますが、(PRODUCT)REDなどの特殊カラーを従来iPhone SEシリーズで愛用していた方にとっては惜しいポイントかもしれません。
Wi-Fi 7非対応
他のiPhone 16シリーズはWi-Fi 7に対応していますが、iPhone 16eはWi-Fi 6どまりとなっています。
UWB非搭載
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UWB(超広帯域無線、Ultra Wide Band)が省かれているのもiPhone 16eのコスト削減ポイント。普段あまり使う機会は無いかもしれませんが、家の中でよく物を失くすためAirTagを愛用していて、詳細な位置を探すのにUWBを使いたい方にとってはiPhone 16eは向かないかもしれません。
DisplayPort出力に非対応
iPhone 16eは他のiPhone 16ファミリーの仕様に記載のあるDisplayPort出力が省かれており、USB-Cポート経由で外部のモニターに映像を有線で出力する事ができなくなっています。TVへの出力であればAirPlayなどで代用可能ですが、XREALなどの有線ARグラスなどが利用できなくなる点は注意が必要です。
シンプルなiPhoneとしては魅力的
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満を持してiPhoneのエントリーモデルがiPhone 8シリーズを焼き増ししてきたiPhone SEシリーズからモダンな全画面タイプの形状にアップデートされましたが、現代のiPhoneに搭載されている様々な付加価値的ハードウェアを削ぎ落とし、シンプルにiPhoneとして使えるモデルとしては魅力的に感じます。
一方の価格面で見ると本国の$599に対しての国内販売価格の99,800円は依然として円安の為替相場の影響を受けてエントリーモデルとしては割高感があり、今後の流通経路でどの程度価格が抑えられるかが注目ポイントになりそうです。
iPhone 16e、iPhone 16、iPhone 15の価格・仕様を比較して解説した詳細な記事は以下のリンクから。